概要
属性 | 完璧超人 |
---|---|
出身地 | スペイン |
身長 | 206cm |
体重 | 102kg |
超人強度 | 1000万パワー |
主な必殺技 | 完璧・拾式奥義 輪廻転生落とし |
完璧超人始祖(パーフェクト・オリジン)の一員。完璧・拾式(パーフェクト・テンス)。
本来、始祖たちは超人墓場に籠り外界に直接干渉してはならない立場にあるが、サイコマンは超人閻魔からの特命を受け、特別に外出を許されている。
ただし、始祖が大っぴらに外に出るのは色々と体裁が悪いため、グリムリパーに扮し表向きは無量大数軍の一員として動いていた。
このことは超人閻魔と始祖しか知らず、無量大数軍以下一般の完璧超人には知られていない極秘事項である。プラネットマン戦中に正体を知ったポーラマンによると、「グリムリパー」は無量大数軍の中でもストロング・ザ・武道と並んで古参の完璧超人であり「無量大数軍という集団そのものが、サイコマンの活動のための隠れ蓑だったのではないか」と推測していた。
バッファローマンとの対戦も、実際は敗北して殺されたふりをしていただけ。
その行動の理由は、超人閻魔から受けた特命と関係しており、姿を消した後は何故か世界遺産サグラダ・ファミリアに向かっていた。
しかし銀のマスク(シルバーマン)の放つ光が原因で見つかってしまい、自らの正体を明かす。
人物像
容姿
顔や基本的なディテールはそこまで変わらないが、黒を基調としていたグリムリパーとは対照的に、白を基調とした法衣のような装束を纏っている。
過去の例もあるが、白と黒の対照的なカラーリングに美意識を感じるファンも多く、pixivではグリムリパー(同一人物)とのツーショットを描いたイラストも少なからず存在する。
性格
飄々と周囲を煽っていく道化じみたスタイルは以前と変わらないものの、時折見せる冷酷な表情がグリムリパーの名を騙っていた頃とは比べ物にならない恐怖を感じさせる。
純粋なファイターとしての実力もさることながら、地球そのものの持つエネルギーである「マグネットパワー」を発見し、かつそれを活用する技術を構築するなど、始祖の中でも特に智性に長けた天才肌ではあるが、それ故か自身が認める人物以外を見下す姿勢が見られ、常に慇懃無礼な態度をとる。
加えて、下等超人を遊び感覚で葬り去ることに喜びを感じたり、プラネットマンの頭をもぎ取りルームライトにしようと楽しげに言ってのけるなど、名前の「サイコ」に違わず猟奇的な思想の持ち主でもある。
しかし、その実は穏健派のシルバーマンに「真面目すぎた」と評されるほどの強い責任感を持つ誠実な人物。そして何より始祖の中で最も感情豊かな人物であった。感情豊かなゆえにゴールドマンやシルバーマンからは新しい進化に最も近い存在として見られていたのだが、サイコマン自身は自らの感情を完璧超人として相応しくない物として自分を卑下していた。
「完璧であれ」という始祖の理念に何よりも忠実であり、マグネットパワーという「禁忌の力」を用いるのも、あくまで世界平和のためのみであるとする。
始祖に対する仲間意識も強く、彼らにマグネットパワーを認めさせるためならば自分の誇りである奥義を供物にすることも厭わず、最終的には彼らのために自分を犠牲にする覚悟をも固めていた。
超人閻魔と成り果てたザ・マンを認めていない他の始祖たちがいずれ何らかの形で離反、もしくは敗死するであろうことを予見しており、シルバーマンと対峙した際には「11人もいらない」とまで言い放ったが、実際には始祖の中でも特筆して懐古主義的な面が強く、再び11人が同じ理想の下に集うことをずっと望み続けていた。
日頃の飄々とした態度からこれらの真摯な面を演技と疑う向きもあったが、最期の瞬間までその信念は一度たりともブレなかった。
ちなみにサイコマンが本音を喋っているときは瞳の色が白もしくはそれに近い色で塗り分けられている。
単行本で読み返す時に確認すると、どこが本音なのかが分かってより楽しめる。
笑い声はグリムリパー時と変わらず「ニャガニャガ」もしくは「ホーホホホ」。
人間関係
他の始祖と同様、“完璧・零式(パーフェクト・ゼロ)”ザ・マン(=ストロング・ザ・武道、超人閻魔)に対する篤い信頼を寄せている。
本人も閻魔の信頼が篤いことを自負しており、特命を受け地上での活動を任ぜられたのもその信頼の表れであるとしている。
一方で過去の「ザ・マン」と現在の「超人閻魔」を呼び分ける等、明確に区別しており、他の始祖同様ザ・マンが変わってしまった現実を受け止めている。
それでもなお忠実に彼に付き従うのは閻魔の思想の正しさを確信しているから……ではなく、変わってしまったとはいえ師であり恩人であるザ・マンを裏切ることが出来ない生真面目さと誠実さがゆえである。
かつての同志である“弐式(セカンド)”シルバーマンを「唯一の理解者」と評し、彼絡みの話では感情を露わにするほど思い入れが強い。曰く「天才である自分が人格、能力的に尊敬できる数少ない存在」とのこと。
シルバーマンも、彼の知性やファイターとしての実力を高く評価しており、尊敬に値する「最大の友達」と称し、はっきりと友情を抱いている。基本的に誰に対しても敬語口調の彼が、兄以外に砕けた話し方をするのもサイコマンだけであるなど、両者の友好的な関係がうかがわれた(ただしサイコマンはシルバーマンの語る「友達」や「友情」という言葉には拒絶的で、彼に対して抱いている感情はあくまでも「尊敬」・「敬意」であると明言している)。
しかし、サイコマンが発見したマグネットパワーの活用について意見が対立したのをキッカケに両者の間で溝が生じ始める。
シルバーマンは非情に徹することしかできない自分を嫌悪し、サイコマンの中に正義超人の萌芽を見出しており、
サイコマンの方は自身の中に芽生えかけたものを否定し、シルバーマンのあり方こそ完璧超人の理想像だと考えていた。
両者が互いに惹かれ、憧れていた部分は、皮肉にもそれぞれが最も嫌悪していた部分だったのである。
「脳筋」などと呼んで煽っては彼らを苛立たせており、シルバーマンがその仲裁に入るのが日常茶飯事だった模様。
ガンマンに対する「ゴールドマンと違い、あなたと捌式さん(シングマン)はからかうと面白い」という言葉から、ゴールドマンとも友好的ではないようだ。
他の始祖からも基本的に「拾式(テンス)」と呼ばれており、始祖の中では敬遠され気味な立ち位置にいたものと思われる。
ガンマンたちから嫌われてはいるが、サイコマン自身は決して嫌っていたわけではなく、回想では彼らとの日々を懐かしく思っている。後述するダンベルの件についても「ガンマンを犠牲にしようと考えたが、可哀想だと思ったのでやめた」と軽口を叩いた。
実は一番サイコマンが嫌い、反りが合わないのはジャスティスマンである。ジャスティスマンは集団の和や超人閻魔の思想や閻魔への忠義よりも自身の信条や主義を優先して判断する傾向にあり、なんだかんだで帰属意識が強いサイコマンとは折り合いが悪い上に、結果としてシルバーマンをゴールドマンと共倒れにさせた事もあって不倶戴天の相手と化している。
テリーマンとの戦いでジャスティスマンが試合放棄した際には感情に任せ不満を爆発させ、「私の邪魔をすることにかけては間違いなく天才」、「三階のバカ」とマジギレしている。
しかし、奥義を放つのにもマグネットパワーに頼る様を見た悪魔将軍(ゴールドマン)とジャスティスマンにはそれを悲しむような態度を投げかけられており、少なくともこの2人からは同志として認められていた。
特に悪魔将軍は、ゴールドマン時代に「新たな進化に最も近い始祖」と評したほどだが、同時に「サイコマン自身もそのことに気づいており、同属嫌悪から頑なにそれを否定しようとマグネットパワーに走った」と推察している。
『夢の超人タッグ編』に登場するネプチューンキングとは、事実上の師弟関係にある。
かつて無量大数軍に「完傑」の異名で所属していたネプチューンキングの腕を見込んだサイコマンは、彼にマグネットパワーを伝授する。
しかしマグネットパワーを手にしたキングは次第に増長し、サイコマンは見かねて無量大数軍の権利を剥奪。キングは手下を連れて去っていった。
その後キングは完璧超人本隊を名乗って下等超人と見下していた地上界に殴り込みをかけるが、ザ・マシンガンズに敗れて死亡。
サイコマンは「最低の小物」と酷評したが、同時に過去は優秀な完璧超人だったとも認めている。酷評しながらもやたらと名前を連呼する辺り、相当彼のことを惜しんでいる様子。
直弟子に取ったということは無量大数軍の中でキングだけは「グリムリパー」の正体を知っていたということである。無量大数軍の面々はサイコマンを知らなかったことが確定しているので、これでだけでも当時のキングが格別の期待を掛けられていたことが窺える。
作中での活躍
プラネットマン戦(サグラダ・ファミリア)
サグラダ・ファミリアをサンダーサーベルで破壊し、因縁のあるバッファローマンと戦おうとするが、悪魔六騎士の一人・プラネットマンがそこに乱入。
序盤こそ油断もあり攻勢を許すが、徐々に本性を現し、プラネットマンの強さを認めながらも凄味のある顔と共にマグネットパワーで反撃を開始する。
追い詰められたプラネットマンが魔技中の魔技「人面プラネット」により、これまでの戦いで死んでいった無量大数軍の面々を呼び出し人質にするが、サイコマンはまるで動揺を見せず、むしろ躊躇無く無量大数軍の張り付いている部分をピンポイントで攻撃。霊体となっても下等超人に利用される無量大数軍の不甲斐なさに「再び死んで私に詫びなさい」と怒りを露にした。
ブロッケンJr.戦(国立競技場・許されざる世界樹)
「許されざる世界樹(アンフォーギブン・ユグドラシル)決戦」では、サイフォンリングの4階でブロッケンJr.と対戦。
最初は他者のスタイルを模倣するブロッケンの在り方を「自分がなりたい“誰かさん”の猿マネしかできない」と蔑み、出す技をことごとく打ち破って終始圧倒していた。
しかし、巨握の掌を繰り出したところ、自身に匹敵するブロッケンの握力を見せつけられ、余裕が揺らぐ。
さらに自身のスタイルを確立し、勢いに乗った彼のベルリンの赤い雨でサンダー・サーベルを破られ、焦りを見せ始めた。
そしてついにブロッケンが繰り出した新技「ゾーリンゲンの鈍色刃」をギリギリで耐えると、スピア・ドレスのラッシュで攻め立て、さらに巨握の掌で彼のすべての指を折る。なおも闘争心を折られない彼に今度はファントム・キャノンを見まうが、ブロッケンは再び立ち上がった。
これを見たサイコマンは、「正義超人とは、シルバーマンが自分たち完璧超人のために作り上げた尖兵だった」と宣言。その管理者として、見せしめのために、すでに満身創痍となったブロッケンを始祖としての奥義で仕留めようとしたところでシルバーマンが現れる。
「彼の処遇を任せてほしい」という親友の頼みを聞き入れ、ブロッケンをリングに叩き付け、試合を終了させた。
シルバーマン戦(同上)
尊敬するシルバーマンとの何億年ぶりの再会を喜んだが、一転して、火事場のクソ力の源流ともなったシルバーマンを糾弾。それでも彼の変心に一縷の望みをかけて説得するが、受け入れられずに落涙する。そしてどちらの道が正しいか決着をつけるため、涙を払ってかつての親友に本気の戦いを挑む。
なお、この時点でサイコマンは同日に4試合目となるため、ハンデが大きいと見かねた委員長に制止されるが、サイコマン自身は「これまで3連戦したが自分はノーダメージ」「ハンデを心配するべきなのはむしろ何万年も首だけになっていて闘いのブランクがあるシルバーマンの方」と激昂して反論。シルバーマン側も彼の意向に従い、そのまま試合が行われた。
試合では、かつてシルバーマンと対立するキッカケとなったマグネットパワーを駆使し、その力の素晴らしさと自身の正しさを証明しようとするが、奥義を放つ際にその力を利用・過信するあまりリングが自身の作り出したマグネットパワーの海になったことで状態がよく見えなくなってしまい、ブロッケンJrとの対戦で破損した箇所に落下してしまうという僅かな不注意で奥義は不発に終わる(本来なら頭部をリングに叩きつけるのだろうが、肩からの落下になってしまい、ノーダメージとはいかなかったがシルバーマンを倒せなかった)。
その後もマグネットパワーによる技を展開し続けるが、マグネットパワーの特性を逆用したシルバーマンの反撃で形勢逆転。今一度自力で奥義をかけようとするも、マグネットパワーに頼りきっていたために全盛期とはかけ離れて技量が衰えていたことを看破され失敗。
最後はシルバーマンの奥義「アロガント・スパーク」により両手足の骨をバキバキにへし折られた状態で地面に叩き付けられ、戦闘不能となった。
決着後、絶対の神器(ダンベル)が全て文字盤の祭壇にはめ込まれたことで、始祖全員を消滅させる力が発動。しかし、それが原因で万が一にも事故でこの世を正しく管理すべき始祖たちが全員消滅して世界が混乱する事を危惧していたサイコマンは他の始祖に気取られることなく祭壇を改造しており、サイコマンの体だけが消滅するように改変されていた。
改造の際に消滅の力を完全に取り除くのが不可能であった。なんとかして消滅が一人に集中するように改造を施すのだが、何も知らない他の始祖を犠牲にすることを「可哀そう」と判断、自分を消す以外の方法を選べなかった。
最後の最後で自分を裏切ったとも取れるこの行動を武道は「始祖であっても許されぬ大罪」と断じるが、同時に今まで自分に尽くし続けてくれたサイコマンの忠義に感謝し、「大儀であった!」と労いの言葉をかけ、竹刀を収めた。
消えゆく中でも自身の正しさを確信し続け、親友シルバーマンには憧れを、師匠にして盟友であるザ・マンに対しては心の奥底では完璧には程遠いと思っていた自分のような者を完璧超人始祖に選んでくれた事への感謝を述べながら消滅。
敗れはしたが最期まで信念を貫き通し、シルバーマンをして「自分にはなれなかった本物の正義超人になれたかもしれない」と評された。その最後、消滅したサイコマンが残した帽子とエネルギーを使い果たして銀のマスクへ戻ったシルバーマンは寄り添うかのように重なり合った。
自分の命を投げ打ってでも同志を生かし、彼らに後の世を託そうとしたそのあり方は正義超人代表であるキン肉マンの心を打ち、最終的に武道と悪魔将軍の命をも救う結果に繋がることとなる。
そしてこのサイコマンの判断は巡り巡って、一人の救世主になり得る人物を救う事となる。
戦闘スタイル
衣装を使った攻撃や超握力による握撃など、グリムリパーの時と戦闘方法はほぼ同じで、そこまで変わり映えしなかったが、真の奥の手はマグネットパワーであることが判明。
それ以降はマグネットパワーを主体にした戦いを展開するようになる。
必殺技
- 巨握の掌
超握力を活かした手技の総称。貫手やワンハンド・ネックハンギングツリーなど、その内容は単純であるが、ハリケーンミキサーをも止める強靭な握力で行うため、威力は絶大。しかし、シルバーマンのパーフェクトディフェンダーには通用しなかった。
- イグニシォンドレス
炎を纏ったコートで相手を切り刻む技。雷雲を呼ぶ布石にもなる。
- 完幻殺法スピア・ドレス
グリムリパーとして使ったものと変わらないが、これのラッシュでブロッケンJr.を追い詰め、下記のファントム・キャノンへ繋げた。
- 《完幻》ファントム・キャノン
グリムリパー改めサイコマンになっても使った“完幻”の名を冠する必殺技。
威力がより向上しているらしく、これを受けたプラネットマンの体は粉々になってしまった。
しかし、これはあくまでも“完幻”の名を冠する「無量大数軍としての」技。
これとは別に、“拾式”の名を冠する「始祖としての」奥義が存在する。
- マグネットパワー
94話でとうとう出した奥の手。手の甲から強い磁力を発し引力や斥力を操る。作中では斥力でプラネットマンの魔技・グランドクロスから脱出し、引力で木星部分を引き寄せ叩きつけようとした。
サイコマンは小規模なアポロン・ウィンドウを自力でこじ開けられるため、アポロン・ウィンドウ・ロックによる封印は通用しない。
- 完璧超人秘奥義 サンダーサーベル
マグネットパワーで雷雲を作り、サーベル状の雷を形成し投げつける技。
グリムリパーの時と違い「風よ~呼べよ嵐~」と怪しげな呪文を詠唱する。
ネプチューンマンやネプチューンキングのものの倍以上に巨大なサンダーサーベルを大量に作り、威力もサグラダ・ファミリアを破壊するほどの凄まじさである。
- サンダーサーベルスコール
マグネットパワーで雷雲を作り、大量に呼び出したサンダーサーベルをまるで豪雨の如く相手に投げつける技。
- ロンゲストサンダーアロー
2本のサンダーサーベルを合体させ、巨大な槍として投げつける技。
- マグネティカ・ボンバー
相手の体と自分の体、そしてコーナーポストをマグネットパワーで引き合わせ、アックスボンバーで挟み込むように叩きつける技。シルバーマン戦ではサイフォンリングのコーナーポストが木製だったためか、シルバーマンの盾を剥ぎ取りポストにセットして行った。
ヘル・ミッショネルズのクロス・ボンバーはこの技をヒントに開発されたという。
- 完璧・拾式奥義 輪廻転生落とし(グリム・リーインカーネーション)
162話でついに披露した“完璧・拾式”としての必殺技。
悪魔将軍曰くサイコマンの誇り。
相手をブリッジで空中に跳ね上げ、相手の後ろからロメロスペシャルのように足を絡ませてロック、手を相手の胸の前でクロスするようにロックし落下する技。技の流れがマッスルスパークやマッスルリベンジャーと類似している。
かつては自らの力だけで使用していたが、現在はそのセットアップにマグネットパワーを利用しており、技のレベルが数段上がったと自負している。しかしながら自身の誇りであったはずのフェイバリットを借り物の力に頼るようになったため、シルバーマン相手に技を仕掛けた際、閻魔を除く始祖全員から悲しげな声をかけられている。
そのうえマグネットパワーに頼りきりになった事で技術的な精度が低下していたらしく、マグネットパワーが封じられ、二度目に仕掛けた時に呆気無く防いだシルバーマンから「マグネットパワーに頼り切って研鑽を怠った」と諭される際にバツが悪そうな表情を見せたところから、サイコマン自身も衰えが生じていたことは自覚していた様子。
余談
- 91話でサンダーサーベルを使用するために雷雲を呼び寄せた呪文「風よ~呼べよ嵐~」とは、ピンク・フロイドの楽曲「吹けよ風、呼べよ嵐」からの引用とされる。一般には悪役レスラーの入場曲、特に往年の名プロレスラー・アブドーラ・ザ・ブッチャーのテーマとして知られている。ちなみに非公式戦だが、キン肉マンとテリーマンが初めてタッグを組んで戦った怪獣、猛虎星人とアブドーラがこの音楽をBGMにリングインを行った。
- 『キン肉マン』作中で初登場時に変装し、のちにオーバーボディを脱いで正体を現す超人は珍しくないが、サイコマンのように正体を現す際に衣装しか変わらない超人というのは意外と少ない。
- プラネットマンの回想で出てくる自室には天蓋やぬいぐるみなど女の子っぽい装飾が施されていた。
- 始祖の回想シーンでは必ずと言っていいほどシルバーマンの隣の席に座っている。
- 言葉遣いやシルバーマンに対する言動、上述した自室の趣味などから、読者には「変態」「ヤンホモ」などと呼ばれていたが、ついに159話でスグルからオカマラスを想起され「性癖がおかしい」と変態認定されてしまった。バッファローマンもスグルの発言を暗に肯定している。
- マグネットパワーのプレゼンを行った会議ではシルバーマンも含めた始祖全員から否定的な意見をぶつけられ、狼狽したものの、直後にザ・マンが唯一賛成の意を示した際には喜びではなく他の始祖同様、驚愕の表情を浮かべている。
- 彼に最低の小物とまで評された弟子のネプテューンキングだが、彼のフェイバリットである「メガトン・キング落とし」はマグネットパワーを用いない純粋な格闘技で、正義超人からも「完璧な技」と評される程の完成度を誇っており、マグネットパワーありきになってしまったサイコマンと対比になっている。もっともネプチューンキングもマグネットパワーがなければ下等超人と変わらないと自身すら認めるマグネットパワーありきの完璧なので頼りっきりなのは変わらない。
- ちなみに、アメコミの大手・マーベルコミックスにもPsycho-Manというヴィランがいる。初登場は1967年。本体は小人で、地球人サイズのメカスーツに搭乗。武器は人間の感情を操作するマシン。ファンタスティックフォーをはじめ、何人かのヒーローと戦っている。
- 1984年上映のアニメ映画『忍者ハットリくん+パーマン 超能力ウォーズ』(藤子不二雄AとFの合作)でもサイコマンがヴィランとして登場している。担当声優は神谷明氏で、中の人がキン肉スグルと同じ。
- 一時期黒幕説が噂されていたが、実際には上述の通り最期まで仲間たちや師匠への思いに溢れた最も人間らしい心を持った完璧超人だった。
- 長らく超人強度が不明であったがキン肉マン大解剖 完璧超人始祖編という書籍にてようやく1000万パワーであることが判明している。これは悪魔超人のバッファローマンやアシュラマンと同程度ではあるが同時に無量大数軍、始祖を含めた完璧超人の中では最も低い数値である。
- のちにオメガの民が滅びかけた自分達の星を救う力を求めて地球に来襲しキン肉マンたちと交戦し和解した後、ザ・マンは超人パワー生成装置こと禁断の石臼”モルティエ・デ・ビン”を彼らに譲り渡し「石臼を逆用して火事場のクソ力に目覚めた超人の力を星に注ぎ込めれば再生できるかもしれない」と告げる。サイコマンの研究が巡り巡って役に立ったことが証明された瞬間であり研究者冥利に尽きるといえるだろう。