はじまり
元々は『ファンタシースターユニバース』のスタッフクレジットにおいて「And You(あなたも出演者の一人)」と記載されていたのに対し、語呂合わせで人名になぞらえたもの。ユーザーからは主に「安藤」と呼ばれている。
ただ、発祥時はネガティブな呼び名であり、プレイヤーキャラが本来活躍出来る筈のシナリオにおいて、ほぼ背景、置物であり、「And You」も「俺たちの事じゃ無くて、『安藤優』って奴の事を言っている」と皮肉られてつけられていた物が固定化した物。
今現在は、その辺りの事情や記憶も薄れたため、「あだ名」の様な物である。
似たような名称にFF14のムービーに出てくるデフォルト主人公がおり、こちらは「ひろし」と呼ばれている。(メーカー側は認知しているが、公式名称では無い)
別作品にも同類の名前として(こちらは公式名だが)ユウ・カジマやマスター・P・レイヤー等が居る。
以下は『ファンタシースターオンライン2』のプレイヤーキャラについて記載。
プロフィール
性別 | 男/女(任意) |
---|---|
声 | 選択したボイスによって異なる |
年齢 | 不明(ただし、20年ほど前から出現し始めた第三世代という設定であり、23歳の先輩からは年下として扱われている) |
クラス | 選択したクラスによって異なる。ストーリーイベントでは様々なクラスの動きを見せる |
概要
PSO2における主人公であり「貴方(プレイヤー)自身」。第三世代のルーキーアークスで全てのクラスに対するフォトン適性を持つ。そのことからイオやジグからはあらゆる武器を使いこなすと言われ、公式サイトには全クラスマスターに等しい実力と記載されている。
当初は才能のある普通のアークスに過ぎなかったが、数々の強敵との戦いや仲間たちとの出会いにより、オラクル最大戦力と呼ばれるほどに成長し、人々から信頼される英雄となっていく。
EP4からは守護輝士(ガーディアン)に任命され、EP5の登場人物(オメガ人)からはオメガの伝承と同じこの名前で呼称されるようになる。守護輝士とはアークスの中でアークスシップ内のリミッターの影響を受けず力を行使できる存在であり、またあらゆる指揮系統に属さず己の意志での行動が許されている。この役職が与えられたのはプレイヤーとマトイの二人のみ。
ドラマCD「~シエラ'sリポート~」のユクリータのコメントによれば「もしもの時に都合よくコキ使えるようにしただけ」と述べており、シエラは否定することができなかった。
ちなみに公式サイトのアップデート紹介動画では、ストーリーの主人公は男性キャラクターの「アッシュ」が代役を行っている。
2019年3月10日の公式生放送にてEP1~3のストーリーを再編成したアニメ「ファンタシースターオンライン2 エピソード・オラクル」が発表された。2019年放送予定。主人公名は『アッシュ(声:小野大輔)』であると2019年7月14日の感謝祭で発表された。
性格
EP1~EP3では選択肢に肯定的なものから否定的なものまで含まれており、どれを選ぶかはプレイヤー次第。ただし基本的にはどれを選んでも特に問題はなく、否定的なものを選ぶとNPCが肯定的な台詞を代弁することもある。
コメディ関連のイベントでは呆れを表す反応が多く、悪ノリはしない傾向にある。一方でコールドスリープから目覚めた直後とはいえカトリのことを忘れていたり、後輩のイオをからかったりとコメディリリーフを担うこともある。
ストーリーでは自己犠牲の肯定を憂い、助けられる命は最後まで助けようとする信念を見せることもある。しかし、相手の心情を慮って自らの手で「自己犠牲」を全うさせるという覚悟も見せている。
EP4からは「歴戦」の実力者として描かれるようになり、先走るヒツギを諫めたり、同行を申し出た仲間に対しても足手まといにならないようにと忠告している。
EP5で登場したエンガのクライアントオーダーでは、地球人の彼を東京見学に連れて行ったことで「アンタどこかズレてるぜ!」と突っ込まれた。
戦闘能力
EP1開始当初は、先輩のゼノやゲッテムハルトに助けられるなどルーキーらしい面が見え、六芒均衡のヒューイやダークファルス【巨躯】に後れを取るところも見られた。ただしヒューイとの決闘に関しては、オムニバスクエストの実装に伴いなくなった。
しかし、EP2の半ばでは世が世ならレギアスが六芒均衡に指名したかもしれない(カスラ)と称され、EP4では上述のようにオラクル最大戦力と呼称されており、終盤ではドラゴンボールばりの戦闘を繰り広げる人類の極致に一騎討ちで勝利するなど、完全に規格外の存在と化している。そのためEP3からは基本的に負けイベントは存在せず、個人の戦闘能力では殆ど負け知らずとして描写されている。
弱点があるとすれば「甘い性格」なので人質を使った罠や不意討ちなどが挙げられる。
ストーリーでは「トップクラスに強い」、独極など難易度の高い者では「天井知らず、最強」と述べられるなど、クリアするクエストの種類によって持ち上げの度合いを変えていることが窺える。
しかし、EP6で登場した終の女神シバやその従者である偽の女神ミトラなど、守護輝士すらも遥かに上回る絶大な力を持つ敵に対しては敗北するシーンが多々あり、最後まで1人の力では勝利していない。
2016年1月13日に実装された「独極訓練:天極と地極」では「最高のアークス」というメッセージをオペレーターのカリンから送られる。ちなみに「最強のアークス」というメッセージも出てくるが、これは六芒均衡の面々を指しているようだ。
2018年3月22日に実装された「独極訓練:狂想と幻創」をクリアするとオペレーターのカリンから「さすがアークス最強」と太鼓判を押される。
長らく専用武器が設定されておらず、殆どの場合は素手で敵を打ち倒したり、EP2終盤からは転がってる武器を使う場面が多かったが、EP4にて「コートダブリス」が専用武器として設定され、さらにEP4最終戦に「コートエッジ」、EP5にコートシリーズのツインマシンガンとタリスが専用武器として追加された。後にコートエッジ・コートダブリス以外のコートシリーズは期間限定クエストなどのドロップ品武器迷彩として実装された
能力
ストーリーが進むにつれて様々な能力を見せている。
時間遡航
主にEP1~EP3で使用。シオンから授かったマターボードを用いて時間を移動し、過去を改変する能力。色々と矛盾が生じるがその辺は上手く噛み合うようになっているらしい。
ダーカー因子吸収
ダーカーの侵食を受けた生物からダーカー因子を吸収し救い出す能力。ダークファルスの力も例外ではなく、主人公は無意識に【巨躯】の力を喰らっている。因子を吸収するのはアークスなら誰もが持つ能力だが、主人公やマトイは格段にその力が強いという設定。
ダーカーやダークファルスの力を弱められるが、因子を吸収し過ぎると大変なことに…
ダークファルスの力の浄化(中和)
EP4で(唐突に)初めて使用した能力。ダークファルスに自身のフォトンをぶつけ、邪気のない無害な存在へと変えてしまう。設定資料によればダーカー因子を中和することで記憶と力も封じることができるとのこと。
ダークブラスト
EP5から獲得した能力。ダークファルスの力を具現化することで変身する。さながらダークヒーロー。
劇中ではあるダークファルスの力を借り、変身こそしないが大幅パワーアップを果たす描写がある(飽くまで演出でありステータスの上下はない)。
人間関係
味方内での人間関係は良好。一部の敵からも「好敵手」と気に入られている。
マトイやテオドール、ゲッテムハルトなど「ダーカーを殺すため」に絶大な力を振るい、アークスたちを恐怖させたのに対し、プレイヤーは信頼を得ながら強くなっていったため基本的に尊敬されているなどの違いがある。
女性キャラクターの中では、相棒のマトイを始めに後輩のイオや同僚のカトリなどから好意を向けられている。ヒツギに関しても頼りになる兄貴分(姉貴分)というポジションであり、先走ったり悩んだりする彼女をサポートしている。
しかし例外もあり、敵対していたオークゥやフルはこの限りではなく、味方としてオラクルにやってきた際は互いに不信感を見せている(プレイヤーは「何しに来た?」という顔をしていたと指摘される)。
EP5ではダークブラスト習得のきっかけとなる人物たちはそのまま安藤の中(意識?)に居候する為、ダークファルスのフォームを全て習得する場合、少なくとも5人は居候する事になる。もっとも、ケンカするとそのまま安藤にも伝わる為、「あの…」「うるさいんですけど…」からの「追い出すよ(思念体であるが故に、依代である安藤から追い出されると消滅するしかない)」という流れになる。
主人公の謎
何故か主人公には多くの謎が残っている。
- 10年前に起きたダークファルスの襲撃事件のことを知らない
- アークスになる前にどこで何をしていたかが不明
- シオンから「わたしの識る最後のアークス」と呼ばれたこと
- 何故ダークファルスの力を浄化できるのか
- 10年前の過去が不明
主人公はお前じゃない
EP1の頃はユーザーからカメラマンと呼ばれていた。理由として、プレイヤーはイベント中だと基本的に動かず、NPCが行動・会話するため。プレイヤーがストーリーの中心人物として描かれることは殆どなく、事態の解決を担うのは基本的にNPCたちである。特に各エピソードのクライマックスはその傾向が強い。また幹部格の相手を倒すという展開も皆無である(大体引き分けか撤退に終わる)。そのため一般的に言うところの「主人公」のような活躍はしない。NPCたちに力を貸し、彼らの物語を見届ける立場が近いかもしれない。
ユーザーの要望を反映したのかEP2終盤からプレイヤーに動きが見られるようになり、EP1と比べてイベント中に棒立ちしなくなった。結果、ミニスカを穿いている時にイベントシーンに入ると高確率でパンチラするようになった。シリアスなシーンでも容赦なくパンチラするので注意。
ちなみに固有武器を所持していない関係上、落ちている武器を拾って使う、素手でダーカーを殴り倒すというシュールな光景が見られる。特定の武器を使わせるとプレイヤーの方々から自キャラはこんな武器を使わないという苦情を考慮したのかもしれないが……。
マトイや六芒均衡などが創世器という規格外の武器を振り回しているのに対し、プレイヤーだけそういうレア武器が支給されない理由が長らく不明だったが、後にジグから「フォトン傾向が自由過ぎてなにを創ったらいいかわからない」という、よくわからない理由が語られるようになった。メタな事を言えば『どのクラスで遊ぶか分からないから武器種が絞れない』を作品的な理由付けしただけとも言う。
EP3ではなんと運営自身がプレイヤーにある程度の設定を設け、それをストーリーに組み込んでいる。EP3設定資料集では制約が多く運営側で勝手な味付けはできないと述べているが、そんなことはなかった。例えばプレイヤーには(後付けで突然追加された)特殊能力があり、それを絡めてストーリーが展開する。特殊能力に関しては上記の項目を参考にされたし。
ちなみにプレイヤーはここまで数々の功績を挙げているのだが、それについてNPCに触れられることは殆どなく、役職もヒラのアークスのままであった。
EP4になるとプレイヤーにコートエッジ(ソード)とコートダブリス(ダブルセイバー)の二つの固有武器が設定され、イベントではこれらを振り回して立ち回ることに。EP1と比べると凄まじい進歩である。この辺りになると仲間のピンチに颯爽と駆けつける描写が多くなっている。しかしEP4では主人公はプレイヤーではなくヒツギになっており、プレイヤーの役回りはヒツギのサポートであると運営が明言している。EP4では序盤こそ見せ場も多かったが、中盤から完全にヒツギのサポートに回るため出番を取られがち。
まとめるとEP1~4のクライマックスで見せ場が多く与えられているのがNPC勢であり、プレイヤーの役回りは基本的に彼らの補助である。そのため事態を解決するのは基本的にNPCたちであり、彼らを勝たせるためにプレイヤーは頑張ることになる。この縁の下の力持ちっぷりからユーザーには「都合のいい最強ユニット」「主人公はお前じゃない」なんて言われることもあった。
EP5からはこの関係性が逆転し、プレイヤーを勝たせるためにNPCが頑張るという構図になった。
なお、劇中では様々な「弱さ」や「悩み」を抱えた女性NPCが多数登場するが、彼女たちの心を救うのはプレイヤーではなくこれまたNPCたちである(プレイヤーはその手伝いをさせられることもある)。なのでプレイヤーは、恋愛ドラマとかで主人公の背中を押す親友ポジションが近いかもしれない。このゲームはストーリーに登場する女性NPCの殆どに男の影がある。運営側である程度カップリングを成立させていると言っても過言ではない。最初は男の影がなかったのに後から付られたのもいるが、これについてはシナリオライターである宇野が「男女の仲ではない」とインタビューで否定している。
何が問題かというとクーナやイオが現れるまで主人公を意識しているヒロインたちが一人もいなかったことである。
ヒロインたちの心の重荷を取り除くという役目はNPCに一任されており、この関係性はEP5に入ってからも変わらない。といっても男の影にはかなり気を使っているようで、EP5のヒロイン勢でそういうの(恋愛事情)があるのはアルマくらいしかいない。
しかし恋愛事情に関してはそもそも論としてプレイヤーの分身であり、かつ本作が自由なキャラクリエイトを売りとしているため、主人公に特定の異性をというのが難しいという問題がある。上記は主人公を男として書いてあるが勿論逆も言えるのである(つまり、女主人公による男NPCとの恋愛事情)。
例えばロボットであるキャストは勿論のこと、生物であるヒューマン等の場合でも性別や見た目を自由にできることも原因である。
アクセサリー等を用いれば本作及びシリーズ過去作品のNPCどころか他作品のキャラの再現や生物と呼称していいのかわからない存在にまでもできること、そしてなによりシリーズが長くなったことによって各プレイヤーの抱く推しの多様化などから誰からも望まれる円満な恋愛事情を描くことが不可能に近いという大人の事情もあるのだが。
PSO2以外の作品における活躍
PSO2esでの安藤優
ダーカーバスターズのリーダーを務めており、チームではたびたび最強の実力者として扱われている。メンバーからの信頼も厚い。本家とは異なり、ほぼ固定メンバーでの冒険となっており、パートナーには後輩のジェネがいる。
シーズン1ではトランスエネミーとの戦いが激化するに連れ、話の中心に立つのがジェネになってきたこともあり次第に影が薄くなっていった(選択肢の頻度も少なく、話し掛けられることは余りない)。というよりNPC同士の会話劇が中心になっているので、その場にいないにも等しい扱いである。
シーズン2からは敵からも強敵と意識されるなど目立つようになり、「リーダーがいないと勝てなかった」ことが幾度も示唆されるようになった。実際に敵は、主人公に勝てないという理由から自己強化を始めている。
シーズン3からは目に見えて活躍するようになり、敵味方に関わらず周囲からは高い評価を受けている。またストーリーにも深く関わる立場となり、ヒロインのアフタルの心情に踏み込む選択肢も多く出ている。アフタルやホルシードにも存在を意識されているので影が薄いということはないが、終盤では完全にこの姉妹を中心に物語が進行するのでどうしても影は薄くなる(これに関してはジェネをはじめとしたその他メンバーも同様)。
余談
【仮面】との関係
前述の通り、【仮面】の正体は変異してしまったプレイヤーである。『EP3設定資料集』によれば並行世界の主人公であり、マトイを救おうとして幾度も時間遡航を行うが、どうやっても救えなかったため絶望して【仮面】になってしまったという。そして、マトイは殺すことでしか【深遠なる闇】から救えないと考えるようになってしまった。EP2からは、プレイヤーの性別によって【仮面】のボイスも変化するようになった。
プレイヤーだけ【仮面】のようにならなかったことに関しては、シャオ曰く「ありえない歴史を生み出す能力があるのかもしれない」とのこと(ロビー会話のため現在では聞けない)。マトイが救われる未来は、シオンですら演算できなかった。プレイヤーだからこそ【仮面】とは異なる歴史を歩み、シオンの予測・演算さえも超えた未来を築けたと言える。更につけ加えると、シオンは【深遠なる闇】に勝つ未来も見えなかったという。けれど、プレイヤーがどういう未来を斬り拓いたのかは見ての通りである。
EP5の目的は、マトイの身代わりとなって【深遠なる闇】の憑代となってしまった【仮面】を助けることにある。その過程でプレイヤーはダークファルスの力を具現化させる「ダークブラスト」を取得する。これはエフィメラ(ダーカー因子の塊)を利用しており、実は【仮面】のおかげでプレイヤーはダーカー因子に害されず力を行使できている。
そのためEP3の時とは異なり、プレイヤーはDFの力を取り込まず具現化が可能となっている。
第三世代アークスのルーツ
EP3設定資料集によれば、アルマの人体実験のデータから誕生したのが第二世代アークスであり、その突然変異が第三世代アークスである。つまりアルマの犠牲とルーサーの暗躍なくしてプレイヤーが誕生することはなかった。またルーサーは、二代目クラリスクレイス並みの能力を持った者を再現しようとしており、サラを犠牲としたクローンの研究などを行っていたという。しかし、それとは余り関係ない方向でプレイヤーが誕生し、ルーサーにとって最大の障害となったのは何とも皮肉な話である。
過去作品(PSU)での安藤優
ストーリーモードのEP1ではイーサン・ウェーバーを主人公として操作するため物語には絡んでこない。ネットワークモードでは、ストーリーはほぼ無く、背景の一員として登場であり、NPCにお辞儀して挨拶するくらいである(会話には参加しない)。このように劇中では空気扱いされているので、ユーザーには前作のフレーズである「英雄は一人じゃない」をもじって「英雄はお前じゃない」と揶揄されていた。
ライア・マルチネスを主人公としたエピソードでは研修生として操作キャラクターになるので、ストーリー内で出番はある。とはいえやはりプレイヤーを置き去りにしてNPC同士が話を進める。
このプレイヤーキャラに対する粗雑な扱いが「安藤優」の名称元となっている。
一応、後の作品ではプレイヤーキャラクターがある程度主人公らしい活躍をするようになったが、PSO2からまた似たような立場に戻った。