「かつて世界中の男性を魅了し、19歳の若さで賞という賞を総なめにした日本きっての美人女優
しかし、若手小説家工藤優作と恋におち 20歳で結婚…そしてあっさり引退…その後、息子が一人できたが、現在はその息子をおいて 今や世界的推理小説家となった夫、優作とともに海外へ」
概要
初登場は5巻収録『江戸川コナン誘拐事件』(アニメは43話)。
夫・優作とアメリカで暮らしていたが、現在は帰国している。
初期の頃は夫とセットでの登場が多かったが、優作に比べるとコナンに直接手助けをすることが多いためか準レギュラー的ではあるが単独での出番も多い。回想シーンも含めれば登場頻度は割合としてレギュラー並みに高めである。
その一方で劇場版シリーズでは現時点では冒頭ナレーション以外では全く登場していない。
『犯人の犯沢さん』では美容師の資格を持っている設定で、米花町では時たま訪れる度に美容師たちが騒然となる。犯沢さんは若かったからか素性に気付かず「芸能人みたいな人だ!」としか思わなかった。
人物
容姿
くるくるとした巻き毛がトレードマーク。高校生の時に「帝丹高校のプリンセス」の異名を取り、当時を知る同級生の毛利小五郎と妃英理から「めちゃめちゃプリチィだった」「信じられない程可愛かった」と絶賛されている。
性格
明るく社交的でお茶目。英理曰く、いつもお気楽豪楽。
「おばさん」呼ばわりされるのを非常に嫌っており、コナンが変装中の(髪型と口紅を変えただけ)自分を毛利蘭に「オバさん」と紹介した時は背中をつねって「お姉さん」と訂正させた。少年探偵団やFBIに「親戚のおばさん」と紹介した際にはいつもの黒い人のような目つきで無言で睨み「お姉さん」と言い直させた。言われた当時は27歳だったので無理もないが、黒羽快斗に「おばさんきれいだから!」と薔薇を差し出されると青筋を立てながら「『きれい』と『おばさん』は並べちゃいけないのよー?」と忠告する程である。
女優として輝かしい実績を残しているゆえか、小学生の頃の新一に本気の演技指導を行い、ただの劇なんだから適当でいいと言った新一に「ダメよ!!この大女優藤峰有希子に恥をかかせる気!?」なのかと怒り、特訓させた。
かなりの目立ちたがり屋で探偵役をコナンに買って出た時には、また「闇の男爵夫人(ナイトバロニス)」とかいって大立ち回りする気じゃないかとジト目で指摘されて「今夜は地味にクールに決めるから!」と約束しながら、どっからか持ってきたライトで自身をライトアップし、闇の男爵夫人を名乗ってコナンに呆れられた。
灰原哀はコナン(新一)の、目立ちたがり屋で自信家・演技力・カッとなったら後先考えずに行動する危なっかしい所は母親の遺伝だと述べている。
また、高度な運転技術も持っており、アメリカでも日本でも平気でスピード違反を犯す。コナンにスピードを注意されてても、警察にちゃんと気をつけてるから大丈夫とズレたことを言い放った。ニューヨークでの愛車は、ジャガー・Eタイプ。日本に来てまでレンタカーとしてアルファロメオ・アルファGTに乗るほどの相当な車好き。大型自動二輪の免許も持つ。
女優時代
高校在学中にその愛くるしい顔立ちと演技力で女優デビューを果たして、日本中どころか世界的にも名が知られるようになり、卒業後は19歳にして大女優として数々の賞を総ナメ的に受賞するなどの伝説を残し、ハリウッド映画界にも進出した。
女優になりたての頃に女スパイの役作りで黒羽盗一に弟子入りして変装術を学んだ経験があり、自分はもちろんのこと他人をもまったく別の人物に変装させる技術を身につけているが本人曰く、シャロンと違って、誰かそっくりとまではいかなったとのこと。新一からは「変装ではなく仮装」や「身内の変装は得意」、新一に変装させてもらった服部平次には「アルセーヌ・ルパンもびっくり」と評価された。ちなみにこの変装は6時間かけた自信作だと有希子は語っている。
誰の声でも自由自在に声帯模写できる盗一、快斗、シャロンと異なり実在する人に変装するならば変声機が必須で、優作に変装してテレビ出演した時も変声機を使用している。変声機の関係もあってマスクや包帯等の顔を覆うアイテムも付随するパターンも多い。
有望な若手小説家だった工藤優作との大恋愛の末、弱冠20歳で芸能界を引退。
アイドル女優であり華々しい賞を独占した彼女の早すぎる引退は伝説となり、沖野ヨーコと同じアイドルグループメンバーだった草野薫は彼女に憧れ20歳で電撃結婚することを夢見ていた。
作中に出た出演作
- 「あぶない婦警物語」(主演)
- 「タイトル不明」(坂本乙女役)
- 「タイトル不明」(女スパイ役)
- 「ホワイト・プリンセス」(作品媒体不明※)
- 「YUKIKO」(作品媒体不明※、おそらく本人役)
- 「明日にさようなら」(主演※)
※ベイカー街の亡霊のオープニングより
引退後
引退後も藤峰有希子と知られれば「女優復帰しないんですか」と聞かれることがある。新一の幼少期には「私の出会った七人の騎士」というエッセイを執筆しており、その一人は黒羽盗一で彼の元に取材に訪れている。
アメリカのテレビ番組に推理作家の妻として出た時に話した推理(夫の受け売り)が見事に的中してあっという間に犯人が捕まったことで、「闇の男爵」の作者の妻であることから、「闇の男爵夫人(ナイトバロニス)」と呼ばれることがある。
人間関係
- 工藤優作
夫。呼び方は「優ちゃん」や「優作」等。優作の書いた小説のドラマ化が決定し、そのヒロイン役に有希子が選ばれて出会った。新一によれば、二人の喧嘩は年中行事で気にするだけ損。現に、また朝帰りした、シャツにキスマーク付けて帰ってきたと新一に愚痴り、日本に戻ってきたが(群馬の幼馴染に用事もあった)追いかけてきた優作とあっさり仲直りしている。
息子。高校生の息子を「新ちゃん」と呼んで甘えたり甘やかそうとしたりする親バカ。
江戸川コナンになっても変わらない……というより、ますます可愛がっている。当人曰く「小さな新ちゃんといっしょにいると…私まで若返ったみたいなんだもの♡」とのこと。たまにコナンを「新ちゃん」と呼びそうになってボロが出てしまう。
- 江戸川コナン
真実を知らない相手(毛利蘭・妃英理)には祖父の兄の娘のいとこの叔父の孫と説明している(話の流れから、蘭には阿笠博士とは遠い親戚ということになってもいる)。
ちなみに上述の関係は嘘を言ってるように見えるが、関係をたどってみると『自分の息子』と言えなくもないものにしようと試みているが実はズレが生じている(正しくは、祖父の兄の娘のいとこの叔父の孫の子供)仮に、この説明が正しければ有希子の祖父には兄が少なくとも一人ともう一人兄または姉がいることになる。
例外的には出身地である群馬の幼馴染と、その時の事件で駆け付けた群馬県警刑事には「息子2号」と紹介している。前者はともかく、後者は準レギュラー化とヘッポコという二重の意味で下手を打ったかもしれない...。
- 妃英理
高校時代に学園祭のミスコン対決を繰り広げた。姫と女王の対決結果は両者同票で、20年以上経った今でも伝説のミスコンとして校内に語り継がれている。いわゆるライバルだが、案外と似たところもあって良好な友人関係で「帝丹のプリンセスも年には勝てなかったようね」「そのセリフそっくり返すわコンサバメイクの年増の女王様」などど敢えて憎まれ口を叩いた後に手を取り合って10年ぶりの再会を喜び合ったことも。
彼女の娘の蘭を幼少時から可愛がっていて、息子をからかいながらも2人の仲を暖かく見守っている。幼い頃は蘭も泊まり込みで旅行に連れて行く事も少なくなかった。2人が高校生になった年にニューヨークへ招いた際、蘭のことをあなたの子供かと聞かれて「未来のがつくかも」と答えた。蘭から憧れを向けらていて好きな女優の1人。
料理上手であり、工藤邸に下宿中の彼にその腕前を伝授する。更に毎週変装の確認のために日本に戻ってきていた。自分が変装を手伝う必要がなくなると「会いに来る口実がなくなってちょっと残念」と発言したり、「イケメンで礼儀正しく、クールでダンディーで…もォFBIに置いとくにはもったいないくらーい♡」「元々超男前だけど」とお気に入りの様子。あまり年が離れていない男性に妻が夢中でも気にしない優作は非常に寛容な人間だ。
「青山剛昌先生と話そうDAY2023」にて、沖矢昴の顔の造形は有希子の趣味が80%入っていることが判明した。
- シャロン・ヴィンヤード
同時期に黒羽盗一へ弟子入りした縁で仲良くなった友人で女優仲間。コナンにベルモットの正体はクリス・ヴィンヤードでシャロンと同一人物だと教えてもらったが「本当にそうなの?シャロン…」と心の中で問いかけた。『漆黒の特急(ミステリートレイン)』で対峙。あのボウヤが母親を巻き込むなんて意外だと言ったシャロンに「相手が銀幕のスターなら日本の伝説的女優である私をキャスティングしなさい」と自ら買って出たと話した。この時にシャロンの素顔を見ることとなり、年を食っても輝き続けるメイク術をいつか教えてもらおうと思ってたのに老けメイクだったなんて残念と言い、顔だけじゃなく普段から老けたフリをするのって結構辛いのよと返された。
江戸川文代
CV:高畑淳子
有希子が初登場した際に変装した架空の人物で、「江戸川コナンの母」を名乗る姿。コナンが太ったような外見をしている。
毛利探偵事務所から用があると称してコナンを攫い、廃屋に閉じ込めた。その際には蓮っ葉な喋り方をしている(コナンが聞いてない優作との携帯電話の会話の時ですら)。
コナンからは黒の組織の構成員かと思われていたが、実は夫・優作(闇の男爵)や阿笠(謎の大男)と結託した芝居であった。この姿で小五郎と蘭に最後に会った際には別れ際に「この子、あなたのことが好きみたいですから」と蘭に伝え、再びコナンを預かることを渋っていた小五郎には養育費の足しという名目で1000万円もの大金が入った通帳をポンと渡して行った。金持ち半端ない。
登場は1回限りだが、後に蘭の前で「確か、ママは文代さんって言うのよねー」と口裏合わせに名前が出たことがある。
その後、原作1110話にておよそ20年以上ぶりにこの姿が再登場している(優作からも「懐かしい」と言われていた)。授業参観を楽しむあまり「すごーいコナンちゃん♡大天才よォ~♪」と地声で言ってしまう。アニメ版第1話のリメイク『エピソードONE』でもこの姿が登場している(声は高畑氏ではなく島本氏が出している)。
名前の由来は明智小五郎の妻・明智文代から。この名前は『上野発北斗星3号』で偽名として使っていた。
余談
ベルモットと共に峰不二子をモデルとしており、作者によるといい方は有希子ですね~悪い不二子ちゃんが、ベルモット。有希子は髪型とかまんま不二子ですけど(笑)。名前の由来も峰不二子と初代不二子役の二階堂有希子から取られている。
ちなみに演じた島本須美氏は、かの名作カリオストロの城のゲストヒロイン・クラリスを演じた事で有名であり、キャスティングもルパン三世との縁を思わせる配役になっている。
島本氏は風の谷のナウシカの主役ナウシカ、またコナンを演じた高山みなみ氏は魔女の宅急便の主役キキを演じていることから中の人的にスタジオジブリ作品の主役二人が母子を担当していることになる。
また夫の優作を演じた田中秀幸とはめぞん一刻にて夫婦役で共演している。