概要
企業が不祥事を起こした際や、その企業が製造した製品によって死亡事故を含む重大な事故が発生した際に、テレビの視聴者に向けて謝罪する目的で放送されるCMのこと。
リコール系のCMの場合は「その製品の使用の中止のお願い」と「回収・修理・交換のお知らせ」も兼ねている。
それぞれのお詫びCMには以下のような共通点がある。
- 通常のCMに比べて、話している人の声のトーンが低い。
- BGMは無いことが多い。あったとしても短調のピアノ版層であることが多い。
- リコール系のCMの場合はその企業の電話番号も記載される。（こちらにご連絡ください）
主なお詫びCM
製品リコール系
- 松下電器産業（現・Panasonic）の「ナショナルFF式石油暖房機」：最も有名なお詫びCM。未点検のまま使用し続けると一酸化炭素が室内に漏れ出し、大変危険。
- 三洋電機の石油ファンヒーター（1984年に製造されたもの）：日本初のお詫びCMと言われている。ナショナルFF式石油暖房機と同じ理由で回収対象となった。
- 三洋電機の扇風機（1977年以前に製造されたもの）：経年劣化による火災事故の恐れあり
- パロマの屋内設置型湯沸かし器
- リンナイの開放式小型湯沸器
- アイリスオーヤマのシュレッダー：（特に子供が）指を切断する恐れあり
- TDKの加湿器：火災事故の恐れあり
- 日立ハウステックの小型キッチンユニット用電気コンロ（つまみが飛び出しているタイプ）
- 日立アプライアンス（ハウステックとは別の会社）の小型キッチンユニット用電気コンロ
- トヨタ自動車のレクサス・HS、プリウスPHV、SAI：急加速による死亡事故が多発したため。
- 三菱自動車：リコール対象の自動車の無償修理の案内。大規模なリコール隠しを受けて放送された。
- タカタ製エアバッグ：交通事故などで開いた際に異常破裂する恐れがあるため。自動車メーカー9社が合同でお詫びCMを作ることとなった。
食品リコール系
- JTフーズが中国から輸入した冷凍餃子：殺虫剤の成分であるメタミドホスが混入されており、食べると中毒の恐れあり。
- マンナンライフの蒟蒻畑：子供や高齢者が食べると窒息死の恐れがあるとして注意喚起を行った。また、一時期製造を中止していた（現在は再開済み）。
- 日清食品の「カップヌードル タイムカン」：10年間保存できるとして販売された商品だが、後に10年間保存できないことが判明したため自主回収の対象となった。
その他
- 政府広報の年金記録問題についてのお詫び
- 北海道電力の節電のお願い：北海道胆振東部地震による電力不足に関するお詫びを兼ねる。
- 東京電力の福島第一原子力発電所事故：計画停電のお願いも兼ねていた。
- 山崎製パンの「ヤマザキ春のパン祭り」：東北地方太平洋沖地震（東日本大震災）が発生し、被災地に緊急で食料を供給しなければならなくなったため2011年は中止となった。
- 日立アプライアンスの冷蔵庫：カタログやホームページに事実と異なる記載をしており、景品表示法に違反していたため。
