完全変態
かんぜんへんたい
昆虫が幼虫から蛹を経て成虫になる成長様式のこと。蜂や蝶、甲虫、ハエなどが該当する。
もしくは完全に変態であること。
1の完全変態
有翅昆虫(無翅類のイシノミとシミ以外の昆虫)の姿を変えながら成長(変態)するパターンのうち、幼虫の基本体制が成虫と根本的に異なり、その間に蛹の期間を持つもの。
翅が蛹になるまで体表に現れないことから「内翅類」ともいう。
蜂や蝶、甲虫、ハエなど、幼虫がいわゆる芋虫や地虫、蛆の形をしたものが該当する。また、完全変態の幼虫は左右の目が成虫のような複眼ではなく、1~6対の単眼であるのも特徴である(ジムシ・ウジムシ型の場合は目すらない)。
対して幼虫が成虫と同じ基本体制で、蛹を経ずに成虫になる場合は種類により「無変態」もしくは「不完全変態」という。前者は幼虫から成虫そっくりで、イシノミやシミといった無翅類が該当する。後者は成虫と同じ基本体制を保ちながら多少変態して成長し、トンボやバッタ、カマキリ、カメムシなどが該当する。翅が幼虫の体表で徐々に成長することから「外翅類」ともいう。
完全変態昆虫は、系統的には不完全変態昆虫の間から進化したグループであり、具体的にいうと不完全変態のうちカメムシやアザミウマ、シラミなどが属する系統に近い。