地球空洞説(モンスターバース)
ほろうあーす
この記事には“モンスターバースシリーズ”のネタバレが含まれます
概要
同シリーズにおける地球の地下深くにあるという超巨大な空間領域。劇中では“ホロアース”とも呼ばれている。
劇中でその存在が示唆されたのはシリーズ2作目の『髑髏島の巨神』。
当時、まだMONARCHの若手研究員だったヒューストン・ブルックスが地下空洞世界の存在を予言していたものの、それを証明できるだけの有益な証拠がなく、学界からはまったく相手にされていなかった。その後、髑髏島の地質調査により、髑髏島の下には巨大な空洞が存在する事が判明し、彼の推測通りにモンスターバースの世界の地球には地下に広大な地下空間が存在していたことが判明した。
それから少なくとも2020年代までには実際にこの世界に続く大穴(ポータル)が発見されている。なお、ポータルにはスターゲートの様な光の境界が存在し、そこを突き抜け更に先に進むと重力が反転する現象が発生。従来の飛行機だとそれに対応できず、揚力を失ってそのまま地底世界の地面目掛け自由落下の末に大地に激突して御陀仏になってしまう(当然怪獣は落下しても死ぬことはなく、寧ろ落下した後もピンピンしている様子が確認されたことも)。これにより探索部隊に甚大な被害が出たため、長らく地下空洞世界の探索は進んでいなかったが、人類側がこの重力反転現象に対応可能な探査機を開発したことで、この問題点は解消され、以降は少しずつではあるが地下空洞世界の調査が進められている模様。
地下空洞世界は怪獣達の故郷と呼べる世界で、未知の怪獣による生態系が構築された原始的な環境が広がっており、さらに天井にも地上と同じような環境が広がっている特殊な空間となっている。その上と下の大地の境目には二つの世界の重力が干渉しあうことで生じた無重力状態の領域が広がっており、そこを利用することで天井と地上の世界を行き来できるようになっている。
ちなみに、髑髏島も元は地底世界の一部だったが、何らかの原因で地上に浮上した特殊な島であると語られており、現在も巨大生物が生息する環境になっている理由と考えられる。
人類にとっては怪獣の故郷である為過酷な環境と言えるが、イーウィス族のようにこの地に進出して逞しく生き永らえている種族も存在しており、液体金属による化学反応や、莫大なエネルギーを秘めた巨大水晶が生み出す重力場等、原始的ながらも地上とは異なる独自の技術体系を利用した髑髏島の同族以上の高度な文明を築いている(それまでイーウィス族は髑髏島の先住民族と考えられていたが、コングの先祖と同様、元々地下空洞世界で生活していた者たちの一部が、島の浮上と共に地上に再進出したことが明らかとなった)。
また、地球のコアが放つ莫大なエネルギー資源と、それに支えられた海中に匹敵する程多様な生態系は、地上の人類にとっても無限の可能性を秘めた最後の楽園といえる。
しかし、各国の政府は地下世界への進出を画策しており、モナークが防波堤にならなければ、地下の資源の利権をめぐる国同士の紛争や、最悪の場合タイタン達と人類との全面戦争に発展しかねない為、そのバランスは非常に危うい状況にある。
作品ごとの描写
キング・オブ・モンスターズ
ゴジラが海底にある人類が把握していないトンネルを使って世界各地へと移動。
さらにその先にはゴジラを神と崇める古代文明の痕跡が発見され、エンドロールでは怪獣の起源は地底世界にある事が語られている。
ゴジラvsコング
映画の冒頭、南極で発見された地底世界に繋がるトンネルから調査隊が派遣されるも、有益な調査結果を持ち帰れず多くの犠牲者が出ており、この事態を受けて南極には発進基地が建設され地下空洞への入口は厳重に管理されていた。
作中ではAPEX社が対ゴジラ用の兵器に必要なエネルギーを確保する為、地球空洞説(ホロウアース)の専門家であるネイサン・リンド博士をガイド役にスカウトし地底世界の調査を画策。
エネルギーまでの道案内に関して博士はコングの遺伝子記憶を利用する事を思いつき、種の保存も視野に入れて髑髏島からコングを地底世界まで輸送することが決まった。
肝心の目的地までの移動方法は、APEX社の反重力エンジン搭載の最新式空洞飛行探査船、HEAV(ヒーヴ)を使用する事により、初めて人類が到達することとなった。
そしてそのコングとの旅の果てにコングの一族が築いたと思われる神殿と玉座、そこに放置されたゴジラの背鰭と骨で作られた斧が発見される。
この神殿には玉座の周囲に斧を置くと地球の核が放つ地底世界を支える強大なエネルギーと斧が反応して玉座を囲む様にエネルギーが広がり、そこにウロボロスの様なゴジラの姿が浮かび上がって斧にエネルギーを注ぎ込む仕組みが隠されていた。
このエネルギーはゴジラの力の源でもあり、コングがエネルギーに干渉すると地上のゴジラがそれを察知して地下のコングを威嚇し、彼を地上に誘い出す。これにより因縁のある二大怪獣最後の決戦の火蓋が切られる事になった。
激闘の末、人類の負の結晶を倒した後地下空洞にはコングの監視基地が設立され、ゴジラは地上世界の王に、コングは地底世界の王として君臨する事となった。
ゴジラxコング:新たなる帝国
世界各地に地下世界に通じるポータルが発見され、モナークの管理の下、人為的にゲートを開いて最新型ヒーヴで行き来が可能となったが、未知の資源や生態系に溢れた『別世界』故に、その解析も全体の5%しか進んでいなかった。
実はコングの同族は現在も地下で生き延びていたものの、その群れは現在はスカーキングという狂暴なアルファ個体に支配されており、地底世界の更に奥地に自分の帝国を築いていた。
同族の存在とそれを虐げる者の事を知ったコングは、勇敢にもスカーキングに戦いを挑む事となる
関連する怪獣
元は地上で暮らしていたが、ペルム紀末に起きたP-T境界事変の際に地下空洞世界へと棲息権を変えて生き延びたとされている。
この生態系ではどんな立ち位置だったのか不明な点があるが、怪獣の故郷を支えるエネルギーを武器としている為他の怪獣よりも特別な存在と言える。
また裏設定によると、地下空洞の生物たちはどれも「ゴジラ方向の進化」を遂げているらしく、ゴジラの形質を一部引き継いでいるという。
棲息地である髑髏島自体が、地殻変動で地下空洞世界から地上へと隆起したらしく、彼らの起源もここにある。
神殿を築く、ゴジラの背鰭製の斧等から地下空洞世界で王として君臨していた可能性が高い。
『髑髏島の巨神』の後日談『Skull Island:The Birth of Kong』にて、遥か昔に発生した地殻変動によって髑髏島へと進出したことが明かされている。
地下空洞世界で最初に登場した翼で飛翔する蛇の怪獣。
非常に獰猛であり、巨体を活かした締め付け攻撃に加え皮膜で顔を覆って窒息させる等知能も高い。
こちらも非常に獰猛。暗闇に適応し感覚器官が優れているため「捕まるくらいなら死んだほうがマシ」とされている位には危険。
髑髏島に棲息している翼竜の末裔。
地下空洞においても大量に生息しており、『キング・オブ・モンスターズ』のラストでもその一部が地上に出現していた。
- 未確認生物(ロッククリーチャー)
地下空洞の岩場に生息する新種の甲殻生物であり、正式な名称もまだ付けられてない。
生態系では下位の存在であり、岩に擬態してダグなどの捕食者たちの目をくらましている。
ずんぐりした容姿のワニのようなオオトカゲの怪獣。正式名称は「タイタヌス・ダグ」。
劇中では僅かしか出ておらず、元々名前も無かったがファンが呼んでいた「ダグ」という愛称を公式が正式名称にした。裏設定によるとゴジラの近縁種らしい。
『Kingdom Kong』にて登場した地下空洞から出現した蝙蝠の怪獣。
日光を嫌い、嵐などの天候を操る能力を持つ。小型の同族を複数従えている。
『キング・オブ・モンスターズ』と『ゴジラ:ドミニオン』にて登場した海蛇の怪獣。
休眠場所であったジョージア州・ストーンマウンテンから目覚めた後は、コングの先祖の一人が住んでいた地下空洞のとある洞窟を縄張りとしていた。
『新たなる帝国』では、北極海で眠りに就いていたが、太陽風の生み出す膨大なエネルギーに目をつけたゴジラによって住処を奪われた挙句殺されてしまう憂き目に遭った。
- マーダーフィッシュ
『ゴジラ:ドミニオン』にて登場した、古代魚ダンクルオステウスに酷似した魚の怪獣でありタイタンの下位亜種(参照)。
崩壊したゴジラの神殿を経由して地下空洞から現れ、大量の群れでゴジラに容赦なく襲いかかったが、群れの主キングマーダーフィッシュがえげつない方法で倒されたことで群れの統率を失い、そのまま熱線で地下の入り口もろとも焼き尽くされた。
コングの同族である類人猿型のタイタン。『ゴジラvsコング』で存在が示唆され、『新たなる帝国』で初登場した。
人類の調査が及んでいない未踏破のエリアにスカーキングと呼ばれるアルファ個体に支配された群れが集団生活を送っていた。
かつては平穏な種だったが、スカーキングによる支配、そして地上へ進出しようとする野心からゴジラと敵対する事になり、最終的に火の国へと追いやられていた。
- 肉食植物(正式名称不明)
『新たなる帝国』に登場。
一見すると何の変哲もない木だが、近くを得物が通りかかると目にもとまらぬ速さで捕らえて捕食する。作中ではトラッパーの忠告を無視して不用意に接近してきたミケルを喰い殺してしまった。
実はイーウィス族の守り神であり、地下空洞のイーウィス族がモスラを崇め、「髑髏島のイーウィス族の巫女によって目覚める」という内容の予言が残されていた。
またイーウィス族の生存圏を守護する防壁も、モスラの力で修復できる為、共生関係にある。
地下空洞に存在する種の1つ。
その気になれば氷河期を引き起こし、星を滅ぼす事も可能な恐るべき存在。
しかし、タイタンの中でも珍しく非常に温厚な性格、だったが、スカーキングに無理矢理従わされ、地上制圧の切り札として運用されてしまう。
余談
モンスターバースでは上記した様に、怪獣関連の古代文明の存在が示されている。
(作中の世界観で言えば)貴重な文化財、あるいは資料と言えるが、出て来る度に盛大に破壊されてしまっている…(『GvK』ではとんでもない方法で)