概要
別名シベリアトラとも呼ばれるネコ科最大のトラの仲間アムールトラのフレンズ。
頭に赤薔薇の花飾りが付いた黄色チェックの極小のシルクハットを被り、長袖白シャツの上からチェック柄のブレザーを着ており、茶色の蝶ネクタイを付けている。下は黄色のホットパンツに黒のガーターベルト、ニーハイブーツという出で立ちで、手には燃え盛る火の輪っかを持っているといった風に、大道芸人を彷彿とさせるデザインとなっている。
京都市動物園とのコラボで再登場した時は髪の量がボリュームアップしてより元の動物に近い模様となり、服装も黒のベストにワイシャツ、黄色のチェックスカートという女子高生のような出で立ちと、NEXONアプリ版とはデザインが大きく変化している。
『けものフレンズ2』ではこのデザインで出演したが……?
NEXONアプリ版
やあ!こんにちは。私はマジックが得意のアムールトラさ。
群れのみんなとはぐれてしまって、一人で旅をしているんだ。
ちょっと寂しいけど、こうやって芸を磨きながら旅をしていれば、有名になってきっといつかどこかで会えるよね?
快活な性格だが、下記の経緯もあって寂しがり屋な一面もある。
群れの仲間とはぐれてしまっており、有名になればどこかで会えるという考えから手品芸を磨きながら一人旅を続けている。
レアリティ☆4のピュア属性。
攻撃タイプは遠距離型。
グループは百獣の王の一族に所属。
所有スキルは35秒間味方全体の攻撃力を20%上げる「フレイムリングキャッチ」。
けものフレンズ2
1話Bパートより登場。ただしこの時点では正体は明らかにされず、シルエットおよび音声のみの登場である。
フレンズのデザインはNEXONアプリ版のものとは異なり、京都市動物園とのコラボでリデザインされた時のモデルがそのまま採用されている。
同時に、シリーズ内においてリメイク後デザインとしては初の登場にもなった。
1話Bパートでアルマーとセンちゃんが謎の施設を調査していた時、建物全体に謎の咆哮が響き渡った。
姿は確認されないが、この咆哮こそアムールトラの出した声と考えられる。
その恐ろしい絶叫に思わず二人は丸まり、声がおさまった後で「出くわすと厄介」と捜査を一時切り上げる。もともと二人はこの声に聞き覚えがあったようだ。
その後、キュルル達がモノレールに乗り込んでセルリアンから逃げるシーンにおいて、あわや追いつかれそうになったところに突如何者かが現れ、強靭なパワーでセルリアンを一撃で粉砕した。
あまりに一瞬のことだったが、セルリアンが倒されたその瞬間、キュルルの瞳にはアムールトラらしき姿のシルエットが捉えられていた。
だがセルリアンを倒した直後にぱったり消え失せ、キュルル以外の誰かが彼女の存在に気付いた様子もなく、そのままモノレールは静かに現場から遠ざかっていった――
そして5話Bパートにおいて、ついにその姿を現す。
ジャングルエン担当のラッキービーストが目前の危機を感知したその直後、空からもの凄いスピードと轟音とともにアムールトラが降りてきた。
彼女はそのまま、唸り声とともに目の前のキュルルを睨みつける。
その目はフレンズのものとは思えぬ獰猛な目つきで、体全体からはセルリアンを彷彿させる紫色の禍々しい煙のようなサンドスターの輝きが放出されている。手首には枷のような物が付けられており、手首から先の手指はフレンズとしてのものではない、本物の獣の手指だった。
その恐ろしい姿にその場にいたフレンズ達は逃げようとするも、キュルルは逃げ遅れてしまう。カラカルが助けようとしたその時、アムールトラの目の前に一つの燃える紙飛行機が横切っていった。
ぽかんとした目でそれを見つめたアムールトラは、突如向きを変え、そのまま四足走行でその紙飛行機を追っていく。キュルル達の危機は去った。
燃える紙飛行機を投げたのは1期主人公であるかばんちゃんである。
6話では直接活躍することはないが、この暴走ぶりの元凶が明かされる。
このアムールトラはフレンズではなくビーストであり、フレンズとは似て非なる存在であるらしく、人間でも制御ができないほど凶暴で鎖はその名残らしい。クレジット名もビーストなので、公式にフレンズでないことが示唆されている。
なお2期アニメに「アムールトラ」という単語が出てくることはない。作中では一貫して「ビースト」の呼称が使われている。
ただ、容姿が明確にアムールトラのそれなので外部ではまずアムールトラと呼ばれている。
9話で久々の登場。キュルルがイエイヌの家にいた時、突如アムールトラの咆哮が鳴り響く。この時イエイヌは「ビーストはどこにでも現れ誰彼構わず襲う」と説明した。
喧嘩中のサーバル・カラカルにビーストの存在を伝えるため家を飛び出したキュルルとイエイヌの前に、アムールトラは現れる。
これまでフレンズを襲撃する描写がなかったアムールトラたが、その窮地からキュルルを救うべくイエイヌが先制攻撃を仕掛けたことによりイエイヌが全身傷だらけになるほどに危害を加えてしまう(なお、小説版では攻撃を跳ね返したのみで執拗に痛め付けた訳ではないと補足が入っている)。それでもイエイヌはヒトを救うという使命のもとに、キュルルをかばう行為をやめようとはしなかった。
そこにようやくサーバル達が合流。サーバルは突如目を光らせ、野生解放に近い挙動を見せたことに危機を察知したのか、アムールトラは踵を返して逃げていった。
そして最終回となる12話、フレンズ達に促されかばんと二人で避難していたところに、ボートの上へ唐突に現れる。
キュルルは彼女をホテルに連れていくことを決め、ホテルに繁殖したセルリアンを一網打尽にした。
一方でフレンズ達は四足走行で追いかけ回しており、フレンズとセルリアンは明確に区別していると考えられる。
ホテル崩壊の際は他のフレンズ達が避難する中、一人逃げもせず崩れ行くホテルの瓦礫の向こうに消えており以降の消息は不明である。
この時、全身から溢れていた紫色のサンドスターが消え失せており、サーバルだけは何かに気付いたかのようにアムールトラに視線を向けている。
ブルーレイ第4巻の限定イラスト
カドカワストア限定特典として吉崎観音描き下ろしイラスト仕様「あつめてフレンズ!特製アクリルスタンド④"キュルルとジャパリパークの仲間たち"」にジャパリパークのゲート前に立つアムールトラが描かれた。
反転したジャパリパークのゲートそのものは最終話に登場していることを踏まえるとアムールトラを改めて迎え入れるイラストと受け取れる。
後に発売されたBlu-ray購入特典の「けものフレンズ大百科」では、アニメーションプロデューサーの沼田心之介より生存している事が明言されている。
コミカライズ版
アニメ版との相違
ジャングルエンでキュルル達と直接顔を合わせるまでの大まかな動向はアニメ版と同じだが、性格や行動パターンにはかなりの差が見られ、漫画版独自の展開を見せている。
- フレンズたちと同じく、サンドスターによって誕生したアニマルガールだが、常に野生解放の状態となっており、自身でも力のコントロールができない、一種の“暴走状態”とされている。
- 「どこにでも現れ、誰彼構わず襲いかかる」とされていたアニメ版と異なり、セルリアンや、その発生源と思われるものを付け狙っているように見える。その過程では森や遊び場を闇雲に(?)破壊したり、敵意(?)を向けたフレンズ(8話のカラカルなど)に襲いかかったりもするが、基本、フレンズと争う場面はほとんどない(アニメ版で死闘を繰り広げたイエイヌとも戦わない)
- 作中(パーク内)で研究・調査に携わる面々には存在を知られているが、例えばジャングルエンの面子とは初対面らしく、凄まじい力を驚かれてはいたが、忌み嫌われている様子はない(つい最近になってパークに現れたとも考えられる)
- キュルルとは面識があるらしい(ジャングルエンでキュルルと対面した際、それまで野生の本能に任せたかのように恐ろしい表情をしていたのが、他のフレンズ達と大差ないまでに表情を緩ませていた)
- 言葉を発せず、獣じみた咆吼しかできない点もアニメ版と同様だが、全く意思の疎通ができないわけでもないらしく、作中で保護されていた際には、フレンズたちの手当てや世話を受け入れていたらしい。
- ジャパリパークに“ヒト”が残っていた頃から存在していた模様で、当時は檻の中に入れられていたが、発見された遺物からは、少なくともヒトからは好意的に扱われていた様子がうかがえる(どれほど人慣れしていても、ヒトに危害を加える可能性のある野生動物や猛獣、大型犬などを、普段はケージに入れておくのは当然の話ではある。実際アムールトラを含む猛獣は現実の日本では特定動物に指定されており、飼育には適切な設備と自治体の許可が必要となる。)
作中での動向
- 第8話まで
キュルルたちと本格的に遭遇したのは第8話だが、アニメ版同様、第2話でセルリアンを撃破する姿が垣間見えている。
また、第7話の次回予告パートではアルパカ・スリ、トキ達とも遭遇しているが、遠目からの接触なのでアルパカ達には気付かなかったらしい。ちなみに、このとき声量(咆吼)の大きさから、トキに「師匠」と呼ばれており、これは後に本編でも継承された。
8話では「輝き」を伴った紙相撲を攻撃した後、キュルルにも飛びかかるが、キュルルと顔を合わせた後は、見つめ合うだけで特に危害は加えなかった。直後に邪魔に入った(?)カラカルには襲いかかるが、野生解放したサーバルが間に入り、さらに駆けつけたかばんさん、ミミちゃん助手の紙飛行機&煙幕によって文字通り煙に巻かれて、キュルルの追跡は一旦あきらめた。
その後も、基本的にはキュルルの現れる先々に出没している。
- 第14話まで
再登場は第13話(イエイヌ回)となるが、本作ではその前、第12話の予告パートに間話が挿入される。
かばんさんとミミちゃん助手が、研究所のそばで消耗して意識を失っているアムールトラを発見。手当てのため研究所に保護したのである。
(本作より以前にアップされたイラストだが、イメージはほぼ同じ)
研究所では主にアライさんがケアしていた模様で、その後無断で研究所を抜け出したアムールトラに、ひどく立腹していた。
13話予告パートでは、ばすてきコンビとミミちゃん助手が、かつてキュルルとともに収容されていた施設跡を捜索するが、残されたメッセージ、"Happy Birthday AMOUR"、"For Our Friends"からは、施設にいた「ヒト」から友好的に扱われていた様子がうかがえた。
なお、『けものフレンズ2』関連作品で、「ビースト」ではなく、「アムール(トラ)」の名前が出てきた場面は、ここが初めてである。
第13話本編ラストで、イエイヌの家に現れたが、手枷は外れていないものの、両手が他のフレンズ(ヒト)と大差ない程度にまで小さくなっている。
標的はイエイヌではなく、イエイヌが持っている「輝き」が込められた絵であったが、拳が絵に届く直前にセルリアンが発生。大型のセルリアンでも一撃で倒せるアムールトラでさえ敵わず、あっけなく取り込まれてしまった。
その後、野生解放したカラカルによってセルリアンは撃破され、無事に脱出。同じく取り込まれていたイエイヌ、探偵コンビとも対面したが、特に対立もせず、そのまま何処ともなく去って行った。
- 最終決戦
第15話のラストで、巨大セルリアンの背で単身戦う姿が見られたが、その後力尽きてホテルの桟橋に流れ着いていたところを、キュルルに発見され、救出された。偶然のようにも見えるが、ミミちゃん助手はアムールトラとヒトとの関わりから、「(彼女は)キュルルというよりむしろ「ヒト」を――(追っているor守っている?)」と考察している。
ここでかばんさんから、アムールトラ(ビースト)は神獣に匹敵する存在であり、対セルリアン戦の切り札であると明かされる(前述の第13話予告パートで、ボスが施設に残されたデータをサルベージしており、ここで何かを掴んだらしい)
その期待に応える形で、PPPのコンサートと「けもハーモニー」によって動きを封じられた巨大セルリアンに、とどめの一撃を加えて粉砕。この時、「ビースト」の象徴でもある「手枷」も砕け散った。
最後まで言葉は発しなかったが、アライさんやトキなど、彼女を慕うフレンズたちから祝福されて、むっつり押し黙ったままながらも、まんざらでもない表情を浮かべていた。
舞台けものフレンズ~おおきなみみとちいさなきせき~
2019年公演のジャパリステージ、および2023年公演の同作のリメイクであるRe:~の双方に登場。
陸のリーダーを名乗る実力者。芝居がかった言動が特徴の俺っ娘だが、一方で色気のある雰囲気を出すのも得意。何かと「アムール」を強調する。
パークのリーダーを宣言したトリのフレンズ達とのパフォーマンス対決に勝利すべく、チームサバンナの面々を色気のあるパフォーマンスで鍛え上げようとする。
舞台けものフレンズ~きみのあしおとがまたきこえた~
前作に続いて登場。何かにつけて「アムール」を強調するも、それが何なのかはいまだに
誰もわからないらしい。 序盤での「ネコ科のかけっこ」にも参戦し、司会のマンモスからは
「時速65㎞/h」と評される。(ほかの参加者はサーバル、カラカル、クロヒョウ、チーター。)
ジャパリアカデミーでのマンモスの授業で「やりたいこと」を考えるように言われ、
かつてヒトが仲良くするために"お茶する"ことを知り、自身もカフェを開設して
お茶やコーヒーを淹れてみんなに振る舞いたいと思うようになる。
新フレンズのコモドドラゴンが同じく何をするか悩んでいるところに
「いっしょにカフェをやろう」と声をかけ、さっそくジャパリの塔の下の広場で
カフェを開業しようと準備に勤しむが、用意したコーヒーが透明であることを
コモドドラゴンに指摘されるも「俺のコーヒーは透明なんだ」と言ってのける。
(実際はコーヒー豆が入手できなかったためかたちを真似ているだけでただの水だった)
さらに、ハシブトガラスから「カフェの開業のおりには自分にも声をかける」約束を
すっかり忘れており、約束を反故にした彼女をいたく悲しませてしまう。
(この件についてはハシブトガラスが自分の意志を明確にできていないせいもあった)
ハシブトガラスとの一件や、ジャパリカフェのグランドアムール(開業の意らしい)後の
来客やカフェを訪れたサーベルタイガーに対する八方美人ぶりからコモドドラゴンの
嫉妬を買い、提供している自称コーヒーを「ただの水だ」と毒を吐かれてしまう。
その後紆余曲折はあったもののハシブトガラスが秘密の農園で栽培していたコーヒー豆を
提供してもらったり、過去の世界からやってきたヒト・フジの活躍もあって見事焙煎した
コーヒー豆を入手でき、念願のコーヒーを淹れてみんなに飲ませることに成功した。
前作に比べて陸のフレンズの王者としての風格はなりを潜め、姉御肌ではあるが
どこかコミカルかつカフェに憧れる乙女としての一面が強くなっている。
けものフレンズぱびりおん
トラのリーダーだって?ハハ、よしてくれ。そんながらじゃないよ。
まぁ仲間たちのことには気を配ってるけどね。
ネコちゃんたちは元気がはみ出してるような子ばっかりだから、大変だけど楽しく生きているよ。
もちろん強さは…感じている。
仲間のため、パークのためなら惜しみなく使うさ。
2019年4月3日より観察可能になった。
リメイク後デザインでのゲームタイトル出演は本作が初。
他のトラのフレンズ達とは顔見知りな上、彼女ら含めネコ科のフレンズ達を「ネコちゃん」と呼ぶ大人びた性格。
リーダーシップも高いが、あまり群れの前に立とうという気はない様子。
珍しい行動は「うまく乗れるかな?」。「積み木のタワー」で披露する。
積み上げられた積み木の上を軽々と飛び移っていく。
けものフレンズ3
アプリ版
容姿はリメイク後のデザイン基準となっている。
これに伴い、性格もNEXON時代の明るいものからぱびりおん登場時におけるクールな雰囲気へと変化している。
ゲーム内では2020年11月下旬に実装されたすぺしゃるすてっぷあっぷしょうたいより登場。
初期けも級は☆4。属性はフレンドリー。
とくせい | トドメの一撃 | ひやひや耐性(高)増加+敵が1体の時、与ダメージと攻撃命中率15%増加 |
---|---|---|
キセキとくせい | 鋭い眼光 | 与ダメージ15%増加&バトル開始時にMP15増加&からげんき状態の敵への与ダメージ20%増加 |
なないろとくせい | 甘いひとときを求めて | 自身の被ダメージ10%減少、毎ターンたいりょく3%回復+自身のたいりょく30%以下時、自身を除くフレンドリー属性の味方の与ダメージ10%増加、被ダメージ10%減少 |
たいきスキル | 入念な準備 | 2ターン与ダメージ30%増加 |
とくいわざ | 剛爪 | 敵単体に120%のダメージ&低確率で2ターンズキンズキン状態 |
けものミラクル | 雪撃虎爪衝 | 敵単体に二連続ダメージ&高確率で3ターンズキンズキン状態 |
アーケード版
サービス終了までにユニット実装はされず、スキルカードにも描かれる事はなかった。
関連イラスト
上述のように後に公式でフォローが入ったものの、作中での悲劇的な“最期”のため、『けものフレンズ2』放送終了直後から数多くの同情が集まり、二次創作では様々な“救済祈願”のイラストがアップロードされた。
同じく視聴者の同情を集め、原作(9話)でも絡んだイエイヌと共演する作品も多い。