概要
西暦とは、イエス=キリストが誕生したという伝承のあった年を元年として数える、西洋由来の年代の数え方。西洋紀元。西紀。
なお実際のイエスの成年は紀元1年ではなく紀元前4年ほどといわれている。
欧文表記はヨーロッパ各国で異なるが、日本語ではラテン語の「Anno Domini」(主の年に)の頭文字をとったA.D.又はADが使われる。
日本において
日本の紀年法は元号法に基づいており、太陽暦を用いる国家ではあるが、西暦の国家ではない。
故に日本では西暦はファッションとして西暦が流行しているが、正当性や根拠を有しない。
上記の理由から公文書においても原則として、海外の出来事に対してのみ西暦を用いる(工業製品に用いられる事例などの例外を除く)。
なお紀年法が西暦でない国家は日本の他にも多いが、それらの国では仏暦・イスラム暦・民国紀元などが用いられている。
要するに、今我々が生きている時間は時差をも含めて、日本においては平成25年でしかなく、西洋においては西暦2013年でしかないので、それぞれの国家群にとってその他の暦は互いに根拠がなく、仮のものでしかない。
しかし国際的な場面では非欧州の国々を含め多数の国家が西暦を採用しているために、日本でもカジュアルな慣例として、国内の出来事に対しても西暦が使用されている。
例えばクレジットカードの署名などで西暦を書いても通用する。
これは名前をローマ字で書いても通用するのと同じことで、ファッションとしての域を出ない。
日本人の本名はどこまでいっても漢字か仮名が本当の名であり、日本の時間はどこまでいっても和暦が本当の暦である。
非学術性
例えば歴史学では、
- 日本の近代以前は太陰暦であり、西暦とは必ずしも一致しない。
- 年代に併記される西暦はあくまで便宜上のものである。
よって日本史を語る時に西暦を本位にするのは、歴史学的に非常に問題が多い。
しかし、日本史や東洋史においても、「計算がしやすい」という数学的実利性から、例えば「天正3年(1535年)」というように、括弧書きで西暦を付す慣例がある。
だが逆に「西暦(和暦)」で記すのは本末転倒で、上記の事情から実態と乖離している。
顕著な例として、忠臣蔵の赤穂浪士の討ち入りの起こった年を「1703年(元禄15年)」と書く馬鹿げた間違いも見られるが、無理に西暦本位にした結果である。
西暦と正月
東アジアでは新年を迎えた「正月」を祝うが、この語は年月にかけて歴史を記した『春秋』に由来しており、その背景となるものはやはり東洋哲学に基づいている。
日本においても、和暦(陰暦・陽暦を問わない)であるからこそ「正月」が意味を有するが、西暦(キリスト紀元)では「正月」が成立しない。
正月を最も大切な祭日とする日本人にとって、文化的にも法律的にも、西暦は正統の地位を得られない暦である。
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