概要
第6話「セカンド・コンタクト」及び第15話「幻の失踪」から続くクリッター(ガゾート)事件の決着編。
…ではあるが、実際は最後まで根本的な解決もままならないまま終了してしまうという、半ば後味の悪い展開となっている(これについては、「クリッターとの共存だけの問題ではなく、TPCの苦労でようやく戦争や環境問題を乗り越えたティガの世界が再び旧時代に戻ってしまう」という世界観背景が描かれている)。
ある意味、本作最大の問題エピソード。
因みに今回はガゾートは登場しない。
予告
「死んじゃうとね、好きな人と会えなくなるんだよ」
TPCと激闘を繰り広げる怪獣ジョバリエ、人間はなぜ戦わなければいけないのか?
「ティガ―!」
次回 ウルトラマンティガ「うたかたの…」
お楽しみに
あらすじ
度重なるクリッター(及びガゾート)事件の影響を受け、TPCは「クリッター殲滅作戦」の決行を決断。
しかし、ダイゴとレナは「電磁波問題を解決せずに一方的にクリッターを殲滅するのはどうなのか」と意を唱えるが、それに対しホリイは彼らにこう告げる。
「現代社会において、電磁波を止める事はできない」のだと。
確かに「電磁波を止めろ」とか「減らせ」と口で言うだけなら容易いが、問題は「電磁波無しで一体どうやって生活していくか」だった。
「人は一度便利な生活を覚えると後戻りはできない」
ホリイは最後にこう答えたのだった。
それでも納得できなかったレナではあるが、結局クリッター作戦は決行される事となった。
そんな中、作戦を妨害するかのように怪獣ジョバリエが出現。TPCは戦車部隊でこれの対処に当たった。だが戦車部隊はジェバリエの反撃でかなりの被害を被ってしまう。
作戦に支障がきたす中、イルマは問う。
「なぜ怪獣は現れるのか?」と。
続いてレナはダイゴに問う。
「どうしてティガは私達を守ってくれるのか?」と。
そしてダイゴは自分に問う。
「何の為に戦うのか」と。
だが、その答えは決まっていた。
ダイゴ「仲間だから。みんなが好きだから」
決意を胸にティガに変身し、ジョバリエを粉砕するダイゴ。
その頃、クリッターの群れは地球を去り始めていた。まるで人間達に愛想を尽かしたかの様に…。
余談
- この回よりTPC戦車が初登場したがこれは平和の為に軍備を否定し廃絶していったはずのTPCが怪獣や宇宙人と言った外敵に対抗するためとは言え軍事力を持ち始めてしまった事を意味していた。
- 今回の主役であるジョバリエ、こいつはなぜ出現したのかについてだが、これは劇中では全く言及がなく、「クリッター作戦」の最中でタイミングよく出現したのは宇宙人の陰謀でも、ジョバリエにクリッターへの同族意識があったわけでもなく、全くの偶然である。
- 時期が時期であったこともあって、人類と故郷を同じくするクリッターも(人類に牙を剥く存在とはいえ)一方的に殲滅をしていいのか、そもそも「怪獣はなぜ現れるのか?」、彼らの脅威に対し、「TPCは戦力を増強する必要があるのか?」についてGUTSのメンバーは考えさせられる。
- 「(ガゾートが)文明の発展で出現した存在(※1)とはいえ、文明の活動を止めるわけには行かない」と述べるホリイ、ホリイに続けて「人々を守るためには戦わざるを得ない」と現実的に考えるムナカタとシンジョウ、「地球に生きる存在同士、共存は出来ないものか」と考えるレナ(※2)、ホリイやムナカタに同調しつつ「人類の脅威に対し、戦力を強化すべき」と主張するヤズミ、TPC医務局に務め、過去に恋人を失ったマユミは「人類が武器を捨てれば怪獣はいなくなる」(※3)とヤズミの主張に反論するなど、GUTS内外でも大きく意見が分かれた。
- 「元々地球にいた生物なのに自分達の都合でクリッターを殲滅するなんて身勝手すぎる」というレナの言い分もあからさま間違いではないのだが、一方で視聴者の中には「これまでクリッター事件においてそれぞれ恩師と恋人を失ったホリイとシンジョウ・マユミの気持ちを全く考慮していない」という批判的な意見もある(そもそもクリッターは自分達が生き残る為なら同胞すら犠牲にすることも厭わない生態の持ち主である事を考えると、「ハナから人間と共存などできないのでは?」と思った人もいるだろう)。特にホリイに至っては、「(電磁波問題の事で)何の解決策も練らなかった自分たち人間にも落ち度はある」と自覚したうえで電磁波問題を考えてくれていたので猶更かもしれない(最も最終的に断念してしまったが)。
- なお、レナに関してはこの回だけでなく他の回でも『レナが贔屓されている様に感じる描写が多い』という過度な優遇に見える扱い自体に不満を持っているファンもいる。
- 因みにマユミに至っても(恋人を失ったにもかかわらず)、クリッター殲滅作戦に誰よりも合意的だったヤズミに対し、「いっその事、人類が武器を捨てれば怪獣はいなくなるんじゃないか」「死ぬと好きな人に会えなくなるんだよ」と、彼の主張に否定的な意見を述べていた(これについては「平和」の為と称して戦力強化を推し進めるTPCの体制に懐疑的な面を見せているなどの理由がある。看護師という身分であるが故に人の命が失われる様に敏感であったのかもしれない)。
- ウルトラマンダイナ第19話では当初、ガゾートを再登場させる予定だったが、前述の通りクリッターは地球を去っているため登場できず、代わりに姑獲鳥が登場している。そのため、ガゾートと姑獲鳥との関連性を疑った人も少なくないだろう。
- ウルトラマントリガー及びウルトラマンデッカーにおいては、本作の様にクリッターは地球を去らずに留まっているが、当然ながらガゾートの出現は相次いでいる。クリッターの生態が判明していないという理由もあるかもしれないが、こちらの世界の人々は果たして今回の電磁波問題をどう考えるだろうか…?
- ウルトラマンガイア第8話ではレナの主張をより悪化させた様な「浅野未来」という人物が登場。『自分こそが怪獣の唯一の理解者』という独善的な主張を繰り返し、危うく怪獣に捕食されかけている。
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それは、血を吐きながら続ける、悲しいマラソンですよ……本エピソードを視聴したファンなら、これに通じた人もいるはず。