概要
『うちの弁護士は手がかかる』は、フジテレビ系列の金曜ドラマ枠で2023年10月から12月まで放送されたドラマ。
スター女優を育てた芸能事務所の元敏腕マネージャーが、超エリートなのにどこか不器用でポンコツな新人弁護士に振り回されながらパラリーガルとして奮闘する、育成型リーガルエンターテインメント。
フジテレビにて54年ぶりに復活した「金曜ドラマ」枠の一発目として制作されており、主演はムロツヨシが務める。
ナレーションは時任三郎が担当。
制作陣の遊び心故か、同局のドラマ・アニメのネタが豊富。
登場人物
- 蔵前勉(演:ムロツヨシ)
人気女優・笠原梨乃を30年間サポートしてきた超敏腕マネージャー。2人の夢だった海外進出を目前に、突然、解雇されてしまう。
ひょんなことから、パラリーガルとして新人弁護士・天野杏のマネジメントを任される。
当初は杏に振り回されっぱなしだったが、徐々に彼女のことを理解し、時には担当案件を勝利に持ち込むことに貢献するサポートを行うこともある。
しかし、杏から突如「私一人で十分です。」「あなたはもう必要ありません。」と宣告されたことを受け、決別。
再び梨乃のマネージャーに戻ったが、その矢先脱税の容疑で逮捕されてしまう。本人は全く思い当たるところはなかったが、30年間マネージャーとして付き添ってきた梨乃に裏切られたことが発覚。そのショックですっかり憔悴しきっており、素直に罪を受け入れて自白して楽になろうとしたが、辻井含め事務所のメンバーにこっぴどく叱られた。
その後、今日子が保釈金を立て替えたことで保釈。杏とも前述の件を謝罪して和解したことで無罪獲得に向けて立ち向かう決意を固めた。その後、裁判で梨乃に対する恨み節を散々吐露したことでその挑発に乗った梨乃の発言で無罪が証明され、見事無罪を獲得した。
香澄法律事務所の新人弁護士。法律に関する知識は豊富で弁護士としての心構えも十分な超エリートにもかかわらず、不器用でポンコツ、気分屋、屁理屈、コミュ障。所長の今日子からは毎度叱責されており、その度に反論しているため口論は日常茶飯事。基本的に依頼人や今日子等自分に必要な人以外の名前を覚えようとしないため、同僚の弁護士・パラリーガルの名前を覚えていない。もっと言うと、今日子の名前すら「香澄恐子」と書いており漢字を間違えているため、覚えているとは言い難い。だが、山崎と仕事を共にしたことを機に同僚の名前を覚えようとしている。
好きな食べ物は、みかん。常時みかんジュースとみかんグミを持参している。下戸。サンタの存在は信じている。
幼少期に裁判を傍聴したことで弁護士に憧れたものの、中学時代にクラスメイトのいじめに気づき訴えたにもかかわらず誰にも相手にしてもらえないどころかいじめられっ子を逆に苦しめてしまう結果となってしまうなど空回りすることも多かった。
しかし、法律を教えてくれた椿原先生のおかげで奮起し、改めて弁護士になる決心を固めた。
蔵前が盲腸で入院することになった際には、今日子から「蔵前さんの盲腸はあんたのストレスが原因」と指摘されたことで仕方なく臨時のパラリーガルとして今日子のサポートをすることとなったが、関係が超最悪なため案の定どころかいつもよりも激しい口論が飛び交う始末。しかし、何だかんだコンビネーションは良く、担当案件を勝利に持ち込んだ。
姉・さくらとの関係は最悪そのもので姉から「弁護士を名乗る資格は無い」と言われていたが、その姉の口から司法試験に合格しておらず文字通り「弁護士資格が無い」ことが発覚した。後にその詳細が判明し、父親の昌幸が「自分が生きているうちに杏を弁護士にさせたい」という信念に突き動かされる形で不正を働き無理やり合格させたことが真相だった。つまり、杏がその事を知る手段はほぼ無く、彼女もまた父親の悪行に巻き込まれた被害者だったのである。
…と思われたのだが、今日子が知り合いのツテを辿って2年前の司法試験の答案を見つけ出し、匿名で椿原に採点してもらったところ正真正銘正式な形で合格していたことが判明。つまり、「弁護士資格がない」というさくらの発言はただの虚言だったのである。
蔵前との関係は、当初自分のプライド故に邪険に扱っていたが、彼のサポートのおかげで担当案件を勝利に持ち込めたこともあり徐々に態度を軟化。何だかんだ息の合うコンビとなっていった。
しかし、梨乃からの頼みで蔵前を前職のマネージャーに戻すべく「私一人で十分です。」「あなたはもう必要ありません。」とわざと突き放し、彼からの自立を図ろうとした。
しかし、蔵前の逮捕を受け心配になり辻井から「蔵前さんはあなたにクビにされたと思い込んでいる」と伝えられたことで、その件について謝罪し和解。無罪獲得に向けて動き出し、見事無罪の獲得に成功した。
その後、姉のさくらから弁護士資格がないことを告げられたことで「弁護士資格がないにもかかわらず弁護を引き受けてしまった」と今までの依頼人の方への申し訳なさを感じ、各地へ謝罪行脚を行っていた。しかし、蔵前と仲間たちからの励ましによりいつもの調子を取り戻した。
その後、自身への虚言の流布及びクライアントへの嫌がらせ行為を知り、姉を問い詰めるが逆に父が不正に加担していたことを知らされ、ショックを受けるものの、蔵前たちの励ましを受け、姉を相手に果敢に立ち向かい、見事示談を有利に進めることに成功した。
周辺人物
- 笠原梨乃(演:吉瀬美智子)
蔵前が30年にわたりマネージメントを担当してきた人気女優。蔵前に突然の解雇宣告を行う。
その後、自身が主演を務めるドラマ『女王様の法律』のシナリオに関する訴訟の件で撮影現場にて再会。
蔵前がパラリーガルとして再就職していることを知り、彼女なりに労いの言葉を掛けた。(それが彼を気遣ってのものなのかは定かでは無いが)
その後、彼が『女王様の法律』の訴訟の件で勝利したことで再び彼をマネージャーとして戻そうと画策。杏に彼を説得するよう頼み、見事その策略を成功させた。しかし、それも束の間蔵前が脱税の容疑で逮捕されてしまった。
しかし、マスコミがこのスクープを把握した早さやタイミング良く脱税容疑が発覚したことから杏を含め「きな臭い」と疑念を持っていたが、それもそのはず彼女が脱税の首謀者であり、それを全て蔵前に擦り付けるために戻って来させるように仕向けたことが真相だった。蔵前との面会の際には手のひらに書いた「黙っててね」というメモで脅迫し、世間に向けて謝罪会見を行うことで世論を一気に「笠原梨乃は被害者、蔵前が主犯」というイメージへと誘導していった。
しかし、蔵前が自身に対する恨み節を散々吐露したことでその挑発に乗ってしまい、自身が主導した旨の発言をしたため彼の無罪が証明されてしまうこととなった。
その後、服役することとなったものの、関係各所への謝罪を経て釈放後の復帰には漕ぎ着けたようである。
その後、謎の男性(演:大悟)と結婚した。
- 安藤カオリ(演:安達祐実)
蔵前と同じく元マネージャーの仲間であり元恋人。ズバズバ言うが、親身になって悩みを聞いてくれる人物。
その後、梨乃のマネージャーを彼女の復帰後務めることとなり、関係各所に謝罪行脚をする羽目になっていた。
その後、経緯は不明だが山崎と交際している。
香澄法律事務所
- 香澄今日子(演:戸田恵子)
香澄法律事務所所長。勉をパラリーガルとして採用し杏のサポートを頼む。
杏との関係は超最悪のため口論は日常茶飯事。杏の勤務態度に毎度辟易しながら叱責している。
- 丸屋泰造(演:酒向芳)
敏腕パラリーガル。事務作業を一手に引き受ける。ストレスに弱く、胃が痛くなることがあるため、胃薬を常備している。
- 山崎慶太(演:松尾諭)
弁護士。事務所のムードメーカー的存在。刑事裁判が得意な一方、民事裁判は苦手。
天野と一緒に仕事をすることになった際には意見の相違が原因で真っ向から対立するものの、自身の弱点を補う存在として捉え直し、彼女を信頼するようになった。
その後、経緯は不明だがカオリと交際している。
- 辻井玲子(演:村川絵梨)
弁護士。司法試験に一発で合格した優秀な弁護士。枯れ専。
- 岩渕亮平(演:日向亘)
アルバイトとして在籍するパラリーガル。基本的に辻井のサポートを担当。
天野法律事務所
- 天野さくら(演:江口のりこ)
天野法律事務所の所長。杏の異母姉。姉妹仲は最悪で、杏に対して「弁護士を名乗る資格は無い」と言い放つ…が、結局これは虚言だったことが後に判明。
部下2人が杏にコテンパンにやられたため、ついに自ら前線に立ち決着をつける決意を固めた。
父親の代から顧問弁護士を務める青海医大病院の院長とその息子の2度目の医療過誤を隠蔽しようと奔走、邪魔をする杏達を妨害したものの、院長の息子や看護師たちが反旗を翻したことで形勢逆転され、呆気なく敗北。
- 大神楓(演:菅野莉央)
弁護士。担当案件について徹底的に調べ上げ、理論的に相手を追い込んでいくところから「アンドロイド」と呼ばれている。
しかし、法律に関する知識は杏に劣っており「36協定」を把握しておらずそこを突かれて見事なまでに敗北した。
ドラマ『女王様の法律』のシナリオに関する関する訴訟の件で再度天野・蔵前ペアの前に立ち塞がるものの、脚本がルポ小説を盗作していることを把握していなかったためまたもや見事に敗北した。
蔵前逮捕の件でも梨乃の弁護士を務め有利に進めていたが、梨乃が蔵前の挑発に乗って余計なことを喋った結果またしても惨敗。
この3度目の失態のせいでさくらから「次があると思ってるの?」と叱責どころかかなり強めの圧をかけられた。
- 海堂俊介(演:大倉孝二)
弁護士。裁判で勝つためにはどんな手段も厭わないが、今のところ杏に負けっぱなしであるためさくらから叱責…ではなくやたら強めの圧をかけられている。
その他の人物
- 天野昌幸(演:山崎一)
杏とさくらの父親。さくらの母親が病気を患い亡くなった後に杏の母親と再婚。そのため、さくらからは母親の見舞いに行かなかった件も含めかなり恨まれており、親子仲は最悪。
今際の際に自身の悪行を全て告白し、さくらに全てを一任した上で杏を支えるように告げた。
- 椿原(演:野間口徹)
杏の弁護士としての恩師。昌幸の部下。昌幸に逆らうことができなかったことを悔いており、弁護士資格を持っていないと姉から告げられたにもかかわらず弁護士として依頼人を助けようとしている杏に感銘を受け、彼女の秘密を墓場まで持っていくことを宣言した…が、後に今日子から2年前の司法試験の採点を匿名で頼まれた際に、彼女が不正に合格した訳ではなく正真正銘正式な形で合格していたことを知り安堵した。
余談
- また、第6話では麻生一郎役で津田健次郎氏がゲスト出演、第9話では水島和也役で矢柴俊博氏がゲスト出演しており、岩渕役の日向氏とは両者共に『仮面ライダーリバイス』以来約2年振りの共演となる。
- 2023年10月11日、ムロがドラマ撮影中に腹部に痛みを感じたことから病院で検査をしたところ、腹膜炎と診断されそのまま入院。療養期間を経て同月22日に復帰した。
- そのため、当初のスケジュールよりかなりズレ込む事態となり、第4話予告は未完成のままムロによるじゃんけんが行われた。(『サザエさん』のパロディ。)
- 第5話予告もオフショットを流すだけという斬新な方法が執られた上に、盲腸という形で劇中に取り入れられる形となった。
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トクメイ!警視庁特別会計係:パロディ繋がり。