トクメイ!警視庁特別会計係
とくめいけいしちょうとくべつかいけいがかり
『トクメイ!警視庁特別会計係』は、2023年10月からフジテレビ系列の月10ドラマ枠で放送される関西テレビ制作の刑事ドラマ。主演は橋本環奈。
「経費」から事件解決の糸口を見つけるというこれまでの刑事ドラマにはない要素を詰め込んだ新しい警察エンターテインメントとなっている。
主題歌はSEVENTEENの「今-明日、世界が終わっても-」。
万町署
- 一円(演:橋本環奈)
本作の主人公。緊縮財政の一環として所轄署の経費削減の特命を背負い、本庁から専任担当者としてテストで万町署へ派遣されてきた特別会計係の警察官。
かなりの不幸体質で、警察学校の同期から「疫病神」扱いされていた。本人もかなり気にしており、開運グッズを大量に持参しており、替えの服も3着準備している。
名前は「一円」と書いて「はじめまどか」。そのため、湯川から「いちえん」と呼ばれている。
実は強行犯係に監視カメラを仕込んでおり、なぜか監視していたが、後に本庁からの指示で脅迫者Xを特定するため、警察内部にいる内通者を炙り出すために仕掛けていたことが判明した。
過去に管理官の日下部と因縁があり、彼の横領疑惑を突き止めたものの先手を打たれ、窓際部署に異動させられた過去を持つ。
脅迫者Xの事件解決後は、警視庁に特別会計係が設置されたことを受け捜査本部の会計監査を務めることとなった。
刑事課
- 湯川哲郎(演:沢村一樹)
係長。強行犯係湯川班の班長。周りの被害を顧みず捜査を進める猪突猛進な性格のため、犯人逮捕のためとはいえ結果的に必要以上に店のショーケースを割ってしまう程の傍若無人っぷり。自身の捜査に対して経理の面からいちいち首を突っ込む円を疎ましく思っている。
毎年、一日警察署長イベントに犯罪で両親を失った子供たちを招待しており、その子たちの笑顔を唯一の楽しみにしている。
しかし、殺害された片桐の姿を目撃したため第一発見者として容疑者として目をつけられただけでなく、真壁の証言で脅迫者Xのリーダー格だったことが判明した…が、結局汚名を着せられただけで実はリーダー格は別の人物だった。
- 藤堂さゆり(演:松本まりか)
強行犯係湯川班。班内唯一の女刑事。バツイチのシングルマザー。「海斗」という15歳の息子がいる。
嘗ては仕事と家庭の両立を夢見ていたが、それが叶うことはなく仕事一筋で生きてきてしまったせいで息子からも嫌われている。そのため、人生に悲観的になっている。
- 大竹浩介(演:JP)
強行犯係湯川班。口は悪いが実は頭脳派。出世は望まないタイプ。元々刑事としての将来に悲観的だったが、湯川が自身の班に誘ってくれたおかげで刑事としてのやりがいを見つけた。
- 月村久(演:前田拳太郎)
強行犯係湯川班の新人刑事。何事も熟考して決断するタイプの慎重派。
- 中西翔(演:徳重聡)
強行犯係湯川班の中堅刑事。就職氷河期に唯一採用が決まった警察に就職した。かなりのプレイボーイであるため、彼女がことある事に入れ替わっている。また、ハニートラップに引っかかりやすく、これまでにしょっちゅう借金の連帯保証人にさせられたり、詐欺師からお金を騙し取られたりと何かと不憫。
地下アイドル「マリリン」の大ファン。
警務係
- 須賀安吾(演:佐藤二朗)
課長。万町署の金庫番で会計・人事・総務を担当。本庁から専任担当者として派遣された円を親身になって支え、時には状況を打開するアドバイスをくれるおやっさん的存在。
しかし、万町署の1億円窃盗事件で金庫番としての仕事を怠った責任を取って辞職することとなった。
その後も度々一円を支援していたが、実は彼こそが脅迫者Xのリーダー格であり芹沢詩織の父親であることが判明した。
元々仕事一筋の人間で、詩織の母・香織と交際していたものの、「仕事の邪魔をしたくない」という理由で一方的に別れを告げられており、娘がいたことを知ったのも5年前だった。それを機に詩織と一緒に暮らしていたが、裏金疑惑を追っていた娘を止めるべく説得したものの止められず、彼女の未来を奪ってしまったと後悔していた。
そして、榊山の断罪と殺害を決意し、予算会議が終わった直後の榊山を襲撃したが、一円と湯川の説得により復讐を諦め、逮捕された。
盗難係
- 真壁純也(演:安藤嗣海)
盗難係の警察官。至って普通の警察官に見えるが、実は脅迫者Xの一員であり、片桐を殺害した犯人。一円達の捜査により逮捕されたものの、自身がXの一員でしかないこと、リーダーが湯川であることを証言した…が、それは須賀の指示だったことが判明した。
その他警察関係者
- 中塚文雄(演:鶴見辰吾)
万町署副署長。一見頼りないが、やる時はやる男であり、彼もまた一円を支えるおやっさん的存在。脅迫者Xに暴力団との癒着疑惑という「弱み」を握られている…とされていたが、本庁の命令でわざと餌を仕込んでいたことが判明。
地下アイドル「マリリン」(中塚麻里)の父親であるが、彼女のアイドルとしての活動は認めていない模様。
その後、上層部の命令で須賀の後任として警務課長に降格した。
- 日下部(演:浅利陽介)
警視庁から派遣されたキャリアの管理官。通称「所轄殺し」。所轄を見下し、自身のキャリアを傷つけないために失敗の責任を部下に押し付ける。円に横領疑惑を告発されそうになるが先手を打って上層部に擦り寄ったことで彼女を窓際部署に異動させた過去を持つ。
しかし、万町署で起こった身代金請求型ハッキング事件で対応を見誤り国費5億円を不正に請求した挙句、身代金を支払ったにもかかわらず情報データ流出を許してしまい、その失敗を所轄に擦り付けようとした。しかし、湯川班が独断で事件を解決、更に須賀が円が事前に取り付けていた捜査本部の監視カメラをわざと撤去し忘れていたことで部下に賄賂を渡していたことが発覚。責任を取って小笠原署(通称「ガラパゴス」)に左遷させられることになったが、脅迫者Xに目をつけられてしまう。
- 小田切誠(演:堀川りょう)
元警察官僚の大物政治家。和平党所属の衆議院議員。脅迫者Xは彼の周囲の人間を狙っていた。その点を把握しており、Xの正体が身内の榊山であることを湯川、一円達に明かした。しかし、Xはそれだけでなく真壁も含め複数人いることが後に真壁の供述で判明した。
- 榊山慎一郎(演:福井晶一)
長官官房長。一円に万町署の経費削減の特命を下す。しかし、その正体は脅迫者Xの一員だった。
その目的は警察上層部の改革及びAI「チャットピーポー」を利用した警察署の創設だった。しかし、その予算工面のために裏金を使用した挙句、不正を糾弾しようとした芹沢の殺害を真壁に指示したことを指摘され、一円に自分の邪魔をしないよう釘を刺した。
その後、予算会議の場で一円から裏金疑惑を糾弾されかけるもいち早く裏金の保管場所を移動させていたことで難を逃れたが、その直後に須賀が襲撃。危うく命の危機に瀕したが須賀の逮捕により命からがら何とか生き延びた。しかし、裏金疑惑の露呈は免れなかったようで収賄の容疑で逮捕され官房長の座も降ろされた。
- 芹沢詩織(演:石井杏奈)
新聞記者。小田切に呼び出されたその晩に転落死していた。
その後、犯人が幼なじみの真壁であることが供述により判明。しかし、彼が殺害したのは片桐のみで真犯人は同じ構成員である西尾であり、彼女を殺害するよう西尾に指示したのは榊山だったことが判明した。
- 脅迫者X
警察内に潜む存在。不祥事を起こした警察官を脅迫し、要求に従わなければその情報をリークする。その後、小田切の口からその正体が榊山であることが判明した…が、真壁の口からXは単独ではなく複数、しかも組織ぐるみだったことが判明した。
しかし、榊山の裏金疑惑により既に組織は分裂しており、反榊山派を須賀がリーダーとしてまとめ、彼の断罪及び殺害を図ろうと画策したが失敗に終わり、須賀、榊山の逮捕により両陣営共に瓦解することとなった。
- チャットピーポー(CV:釘宮理恵)
榊山が導入を図る捜査AI。
- OPでは、堂々とドラマ『SPEC』やドラマ『西部警察』、映画『タイタニック』、『アナと雪の女王』、『E.T.』、『ショーシャンクの空に』、アニメ『新世紀エヴァンゲリオン』、『ONEPIECE』のパロディを行っている。
- 月村役の前田氏と小田切役の堀川氏は『仮面ライダーリバイス』第31話及び『MOVIEバトルロワイヤル』以来の共演となるが、今回も同じシーンでの撮影がなかったようで、前田氏も「小さいころから『ドラゴンボール』が大好きだったので、ベジータがくる!とすごく楽しみにしていたのに、まさかの会えずに終わってしまいました。今回の『トクメイ!』でまた一緒だ!次こそ会える!と思ったのに、今回もお会いできなくて、堀川さんとはすれ違いばかりです」とコメントしている。