概要
カラシナ(Brassica juncea)はアブラナ科アブラナ属の越年草。弥生時代の遺跡から種子が出土している他、平安時代の「延喜式」「和名抄」に名前が見られるという。
現在帰化植物として知られるのは近縁種のセイヨウカラシナで、明治時代に欧米諸国から何らかの形で入ってきた原種が帰化して野生化したものとされる。
大まかに、葉を野菜として利用するものと種子から香辛料をつくるものの2種に分けられる。
野菜としての旬は2月から4月。葉茎は長さ20~30 cmぐらいで、油炒めやおひたし、漬物、和え物、煮物、サラダにする。
種子はからし(和からし)の原料となる。西洋のマスタードはシロガラシという別種から作られる。
近縁種
カラシナの変種で、葉が大きい。葉に辛味があるため漬物にする。高菜本来の色を保つために漬け込む時間を短くした新高菜漬けと、加工の際に乳酸発酵させ、ベッコウ色になるまで漬け込んだ古高菜漬けがあり、古高菜漬けのほうが豚骨ラーメンなどのトッピングとしてよく知られている。
- かつお菜
福岡県の伝統野菜の一種で、タカナの変種。本種には高菜特有の辛味がないため、汁物の具などにする。
アミノ酸を含み、良い旨味が出ることからカツオになぞらえてこのように呼んでいる。葉はちりめん質で、一見すると硬そうだが、実際は柔らかい。
- マスタードグリーン
葉の縁が細かく縮れていて、見た目はリーフレタスに似る。ピリッとした弱い辛味があって、肉料理の付け合せやサンドイッチの具に適する。
- わさび菜
葉に疎らな切れ込みがあるカラシナの一種で、さっぱりした辛味がある。
茎の根に近い部分が膨らんだような形状になるカラシナの一種。その膨らんだような形状の部分を漬物にして食す。現在日本で食されているザーサイは本場中国のものに比べて、辛味などを抑えて作られている。
- ちりめんカラシナ
葉先がちりめん状に縮れた丸葉タイプのカラシナ。
- サラダカラシナ
葉が水菜のように切れ込んだ珍しいカラシナ。生食用で、葉は紫色。