概要
ある日ひょんなことから獣娘(けものこ)と呼ばれる存在を育てることになった高尾和巳と狐の獣娘、紺乃の成長を描く物語。紺乃の友達やその周辺の人たちと関わりながら獣娘の真相に迫っていく。
獣耳少女が多く登場する漫画ではあるが、よくある異世界系統などのものではなく、まんがタイムらしい普通の暮らしの中に獣娘が存在し、公的な役所もそれを認知しているという、どちらかと言うと現実的なストーリーとなっている。
登場人物
- 高尾和巳
紺乃の父親。ウェブデザイナーとして働いているもののあまり稼ぎは良くないらしく、娘の紺乃からはニート呼ばわりされたこともある。そんな中でも娘を思う気持ちは誰にも負けない。度々登場するパンケーキは彼が作ったものであり、時に物語のキーとなる。
- 高尾紺乃(コンちゃん)
和巳の娘。狐の獣娘でコンちゃんと呼ばれている。
活発で負けず嫌い。泣き虫だけど強がりといった元気な子を体現したような子。何かに驚いたりすると獣耳と尻尾を出してしまう。そして、それらの力を使うことにより、動物の言葉を理解したりなど徐々に獣としての能力が目覚めていく…
彼女の成長が物語の見所となっている。
- 黒岳昴(バルちゃん)
コンちゃんの友達。狼の獣娘でバルちゃんと呼ばれている。
礼儀正しく、しっかりやさんで文武両道といった優等生。ただ、コンちゃんが関わるとそれらが崩れるかのようにデレデレになる。特にコンちゃんの尻尾に関してはそれらが顕著に出る。獣娘としての能力は、狼よろしく暗闇でも対象の位置を把握し、ものすごいスピードで走ること。
- 黒岳結人
昴の父親で、IT関連企業の副社長。和巳の幼馴染みで何かと威張ったりするが、和巳のため、紺乃のためにしっかりした定職を探すよう促したりするなど、基本的に友達想いである。
高級マンションに住んでいたり、外車を持っていたりとそれなりに稼いでいる。
以前は仕事すること以外考えられないワーカホリックであったが、昴が来てからは仕事以外の時間を作るようになった。ただ、昴への愛情は親バカレベルであり、度々そのことを昴に窘められている。
- 月山ゆめ(ユメちゃん)
コンちゃんの友達。狸の獣娘でユメちゃんと呼ばれている。物語のはじめ辺りにコンちゃん達の学校に転校してきた。
たぬきよろしく、狐のコンちゃんをライバル視したり、何かと腹黒いことをしたりしているが、基本的に仲が良い。父親が経営するパン屋さんのお手伝いをしたりとしっかりした一面もある。なぜか頭に葉っぱを乗せている。
- 月山颯太
ユメちゃんの父親で「月山パン」というパン屋さんを経営している。
父親としてはしっかりしているものの、美女には目がなく、ところ構わず声をかけたりと男としては最低な一面もある。その度にユメちゃんに咎められている。
- 霧ヶ峰先生
コンちゃんたちの学校の先生、かつ、クラス担任。
ジャージ姿で活発的な体育会系。基本ゆるく自由に育てる主義だが、子ども相手にドッジボールで本気になったりと大人げない一面もある。大学時代は演劇サークルに所属していた。胸が小さいことがコンプレックス。
- 蓼科先生
コンちゃんたちの学校の上級生クラスの担任の先生。
基本的に静かでおしとやかだが、獣娘の能力を使うことに関しては厳しい。その背景には彼女の過去が関わっている…
- メグちゃん
クラスメートで犬の獣娘。何かと仕切りたがりで、バルちゃんに対抗心を燃やしている。
- エリィちゃん
クラスメート。高飛車でいかにもお嬢様という雰囲気を醸す猫の獣娘。週にいくつもの習い事を行い、無料体験で行くとこ行くとこコンちゃんに付け回され振り回される。しかし、そうしていくなかで徐々に心を開いていった。父親はどうも市長らしい。
- ヒナちゃん
クラスメートで虎の獣娘。クラスで一番背が小さい。
アイちゃんといつも一緒にいる。
- アイちゃん
クラスメートで兎の獣娘。クラスで一番背が高い。
ヒナちゃんといつも一緒にいるが、ある日ヒナちゃんと一緒に見つけたドングリ、キングを(下に落ちていたため気づかなかったと言う事故であるが)父に踏み潰されてしまい、この事を切っ掛けとしてヒナちゃんに嫌われるのではないかと思い、ヒナちゃんに内緒でコンちゃんらとドングリを探すことになる。しかし、却ってそれがヒナちゃんにとって「のけ者にされている」という勘違いを生んでしまう…。その後紆余曲折あり、ドングリつきの枝を一緒に見つけ、無事仲直りした。
- チノちゃん
クラスメートでリスの獣娘。元気いっぱいで声が大きい。
- モコちゃん
クラスメートで羊の獣娘。いつもおっとりしていて、クラスのお姉さん的存在。
- キング
6年生。基本的に獣耳や尻尾を出さないことを誇らしげに、すぐに尻尾を出してしまうコンちゃんら下級生を見下す一面がある。ただ、コンちゃんらと関わるなかで尻尾を出してしまい、更には本名(蔵王よし子)まで知られてしまう。名前を見て、蔵王でThe王で王の中の王だと囃し立てられ、尊敬の眼差しを向けられたことで、威張ったことを反省し、以降、先輩らしい振る舞いを見せるようになる。
- 宮之浦公華
コンちゃんの住む町、飛野市の福祉課獣娘育成センターに勤める女性。
国や都道府県、市のどれかが独自に設定したものであろう、獣娘の父親にふさわしいか否かの判断を下す面接を行っている。相応しくないと感じた時に❌を、好意的に感じた時に⭕を相手の顔を付ける。(ステッカーなのか、コンちゃんたちがこれで遊んでいたりした。)
はじめこそ、和巳に対して給料が低い、家が汚い等、獣娘を育てる環境に相応しくないとして、最悪、コンちゃんを引き取ると脅すような、怖い役所の人という印象であったが、コンちゃんが祭に行きたいとグズッたことで、娘のことを優先しようと面接を断ったのを見て、愛情があると判断し、これからもプラスになるよう頑張ってほしいと(物理的に)⭕を付けてエールを送った。以降、心を開いていくようになり、徐々に和巳とも親しくなっていく。
- 恵那
風のように現れて去っていく謎多き少女。「~デース」という語尾を付けて話す。獣娘の秘密を知っているようであったり、時々時代錯誤なネタを使ったりと不思議なところが多い。
余談
まんがタイムらしく、名前にネタがあったりする。
- ご注文はうさぎですか?ではコーヒーなどの飲み物の名前(例:香風智乃⇒カプチーノ)、ゆるキャン△であれは東海地方の都市名(例:各務原なでしこ⇒岐阜県各務原市)なら、この漫画では山の名前である(例:高尾紺乃⇒高尾山)。この山というのもこの物語の鍵を握るキーワードである。
- 地名が飛野市であったり、作中に田摩動物公園なる動物園やが登場したり、そこへ行く交通手段としてモノレール(恐らく多摩モノレール)が走っていたりする。
- また、単行本1巻のオマケに町の地図が掲載されており、町の北部に大きい川、南部に小さい川、東西に延びる鉄道と南北に延びるモノレールなどその全体的な地理条件が一致しているため、日野市でほぼ確実であろう。
関連タグ
おおかみこどもの雨と雪:同じく、片親で人と動物両方の姿になれる子どもを育てる物語。
ただ、こちらはおおかみこども、即ち獣人に関して社会は熟知していない等の差違こそあれど、終盤の展開が非常に似ている。
タヌキとキツネ:同じく、狐と狸と狼が主軸となって展開されるものの、こちらは常に動物の姿である。
赤いきつね、緑のたぬき:何故かユメちゃんがこれに合わせてコンちゃんに服を着るよう迫る話がある。他にも二人ともきつねうどんやたぬきそばを頼むなど、どこかシンパシーを感じているのだろうか…?