概要
2023年度NHK大河ドラマ『どうする家康』第46話「大坂の陣」の名セリフである。
徳川家康に豊臣秀吉が作りあげた天下を奪われたことに不満をもつ茶々・秀頼母子は、天下を豊臣のもとに取り戻すべくあらゆる策を講じて家康・秀忠親子を翻弄、一方で家康の謀臣・本多正信は公家(豊臣)と武家(徳川)の世界に分かれることで穏便にことをすませたうえで二条城で秀頼と家康が会見することを献策し、家康もそれを受け入れるが
逆に秀頼を二条城に呼び出したことを利用されて徳川幕府の横暴さを世に喧伝されたあげく、方広寺の梵鐘に「君臣豊楽」「国家安康」の文字をわざと入れることで家康を挑発。
生涯最後の戦を避ける事は出来ないと考えた家康はみずから出陣、大坂城に籠る茶々・秀頼母子と徳川の世に恨みをもつ武将たちを討つために全国各地の大名に出陣を命じた。
その数徳川方は30万、豊臣方は10万、世に言う「大坂の陣」の始まりである。
出陣前夜、秀忠は「大坂の陣」の総大将に名乗り出るが、家康は
「秀忠は戦を知らん、人殺しの術など覚えんでよい」
「信長と秀吉と同じ地獄を背負い、あの世に行く」
と拒絶。
戦なき世を作るため、あえて罪をかぶって地獄に行くをことを選び、みずから総大将として指揮を執る。
冬の陣の開戦当初は数で勝る徳川方が優勢だったが、真田信繁が立て籠る大坂城の出城・真田丸の攻略に苦戦。徳川方の将兵に数千の戦死者が出たことを知ったことにより、家康は本来は脅しの意味もあったイギリス製の大筒・カルバリン砲による砲撃を決断する。
しかし、大坂城に対する砲撃によって本来は非戦闘員である侍女にも多大な犠牲者が出てしまい、秀忠の娘でもある千姫も巻き込まれてしまう。
今は亡き異母兄・松平信康が織田信長による鉄砲隊での無慈悲な蹂躙を目撃した設楽原合戦の再来とも言えるこの行為の罪深さに恐れをなした秀忠は「これは戦ではない!」と涙を流して父を制止するが、覚悟を固めた家康は
「これが戦じゃ、この世で最も愚かで、醜い、人の所業じゃ」
と、沈痛な表情で戦の非情さを息子に教えた。
戦という愚かな所業を行うのは自分の世代で最後とし、後の世代にそれを行わせない。
この時の家康はその確固たる覚悟を以て、砲撃指示を出したのであろう。
しかし、千姫は自分を城の崩落から咄嗟に庇ってくれた茶々を見て、砲撃を実行した祖父との決別を、そして豊臣家のために戦う事を決心する…。
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首(同時期に公開された最も愚かで、醜い、人の所業を凝縮した映画)