概要
「ちはや」は、日本の海上自衛隊が運用している潜水艦救難艦である。潜水艦が事故などにより海中で動けなくなった場合、その乗組員を救助するために活躍する。
- 1961年に就役した1代目「ちはや」(艦番号ASR-401、1989年退役)
- 2000年に就役した2代目「ちはや」(艦番号ASR-403、現役)
……の2代が存在するが、本稿は2代目を解説する。
艦名は「千早城」に由来し、この名を受け継いだ日本の艦艇としてはそれぞれ3代目・4代目。
ASR-403「ちはや」
ASR-403「ちはや」は2000年3月23日に海上自衛隊に竣工・就役した潜水艦救難艦。「千早」の名を受け継ぐ艦としては4代目。戦後日本の潜水艦救難艦としては3隻目である。
第1潜水隊群の直轄で、定係港は呉となる。
1985年に就役した潜水艦救難母艦「ちよだ(AS-405)」の拡大発展型で、「ちよだ」と同じく深海救難艇(DSRV)と呼ばれる小型潜水艇を搭載し、潜水艦にDSRVを接舷させて乗組員を中から救助する。また遠隔操作可能な無人潜水艇(ROV)を初めて搭載し、これを用いて遭難潜水艦の捜索と状況確認を行える。
本艦建造の計画時に阪神淡路大震災が起きたことから、医療支援を考慮して手術室やレントゲン室が備えられるなど、優れた医療機能を獲得した。潜水艦1隻分の乗組員(約80人)の宿泊施設も備える。
その代わりに「ちはや」にあった潜水母艦としての機能は無くなり、潜水艦への補給能力は持たない。