概要
藤子・F・不二雄原作の漫画・アニメ作品『ドラえもん』に登場するひみつ道具の一つ。初登場エピソードはTC8巻収録「とう明人間目ぐすり」。
目薬型の道具で、これを目にさすと身体が透明になり、誰からも姿が見えなくなる。ただし透明化するのは肉体だけなので、透明人間として行動する為には全裸になる必要がある。
この道具はドラえもんではなくドラミが取り出した道具であり、彼女はこの道具の仕組みについて「この目薬は体の細胞を目の水晶体に変えてしまい、色素を分解して細胞の隙間を液体で埋め、屈折率を変えることで透明になる」と説明している。
また、この道具は「かたづけラッカー」等とは違い、透明化の効き目が時間経過で切れてしまう描写はないのだが、上記の初登場エピソードはのび太が透明になったままの状態で話が終わってしまっている為、透明化した身体を元に戻す具体的な方法は不明。
それだけでなく、この道具はあくまでも姿を見えなくするだけなので、音は消し去ることが出来ない。実際に上記の初登場エピソードの作中では、のび太がこの道具を使用して姿を消した状態でママやジャイアンに話しかけた際、彼女達はのび太の声に反応している。
参考として『ドラえもんのひみつ道具使い方事典2』では、この道具は「色素分解薬品」、「細胞水晶体化薬品」、「くっせつ無効薬品」、塩化ナトリウム、塩化カリウム、養分で構成されており、これをさすと体内の色素が分解されて無色になり、細胞水晶体化薬品が身体の細胞を目の水晶体のように透明にしてしまい、くっせつ無効薬品が屈折率を変化させ、光が身体を反射しなくなることで見えなくなると解説されている。
派生作品
上記の初登場エピソードの作中では、ドラミがこの道具の仕組みを解説する際、屈折率を「0」と説明しているのだが、2006年版「とう明人間目ぐすり」(水田わさび版アニメ)では、屈折率を「1」と説明する様子が描かれている(屈折率0とは現実に存在しないかなり特殊なものであり、屈折率1は真空中のものであるため、原理的には後者の方が正しい数値と言える)。
それだけでなく、この道具による透明化を解除する目薬(正式名称不明)が登場しており、のび太がそれを使用して元の姿に戻る様子が描かれている(その一方、水田版アニメ「とうめい人間目ぐすり」では、特に理由が説明及び描写されることもなくのび太は元の姿に戻っている)。
名称について
原作版における名称は不明で、上記の名称は初登場エピソードにおけるサブタイトル及び水田版アニメ(アニメ版『ドラえもん』公式サイト「ひみつ道具カタログ」にて確認可能)にて設定されたもの。ただし『ドラえもん百科』では「とう明目ぐすり」、上記の『ドラえもんのひみつ道具使い方事典2』及び『ドラえもん最新ひみつ道具大事典』では「透明人間目薬」という名称になっている。