美墨なぎさ(キュアブラック)と雪城ほのか(キュアホワイト)という、伝説クラスの二人が同時に描かれている画像に付けられるタグである。
どちらが攻めであっても「なぎほの」と呼ばれることが多いが、「ほのなぎ」タグも少数ながら
使われている。原点にして頂点ともいえるプリキュアの初代カップリングだけあり、シリーズでも老舗の組み合わせである。
二人の関係
多少のネタバレを含みます
他のプリキュアと比べて特徴的なのが、二人の独特の距離である。
初代作よりも後の作品からプリキュアを知った人たちが無印のOPを見た時、違和感を覚えるかもしれない。
仲が良いはずのプリキュアの二人が赤の他人の様にすれ違っているカットが、OPの随所に挿入されているからだ。
それもそのはず。
なぎさとほのかは物語開始時点で、クラスメートである事以外に面識が無い。しかも二人は一年生の時は別々のクラスで、部活動もなぎさは体育系のラクロス部でほのかは文科系の科学部と、部活での接点も一切なかった。
プリキュアとなる者同士に面識が無い事自体は他のプリキュアでも珍しくないが、その場合はいずれもメンバーの誰かが転校生であったり、学年や学校が違ったり、異世界の住人や最初は悪役だったりと、何らかの事情が存在する。
しかし、なぎさとほのかにはそういった事情が存在せず、本当に赤の他人状態からスタートするのだ。
オマケに、この二人はプリキュアになって以降もしばらくの間、実に8話にも渡ってお互いを「雪城さん」「美墨さん」と苗字で呼び合う。
このように、物語全体を通して徐々に二人が距離が縮めていき、ゼロから友情や信頼関係が築かれていく様子を視聴者は追いかけて行く形となる。
話が進むにつれてあのOPを見返したとき、赤の他人であった最初と現在の関係との対比が強調される感慨深い演出となっている。
視点の主眼は基本的になぎさに置かれており、なぎさも主人公らしい明るく活発なキャラクターだが、主人公然とした正義感や意思の強さはほのかが担う形になっている。
その為、なぎさはしばしば優柔不断だったり挫けそうになったりと精神的に少々脆いところがあり、そこをほのかが相談に乗ったりフォローして引っ張ったりといった描写が度々見受けられる。
また、ほのかもなぎさの一度決めたら退かないひた向きさに惹かれる形であり、互いが互いを引っ張り合って高め合う構造が如実に現れている。
監督がバディ(相棒)モノを念頭に置いて作った事もあり、この二人はまさに二人で主人公と言えよう。
マックスハート(以下MH)では新しい戦士シャイニールミナスこと九条ひかりが加わり、二人はひかりを見守る保護者的な立ち位置になる。
その為、二人の関係の進展を描く場面は減ってしまうが、一年経過して更に親密な関係になった二人の姿を見る事が出来る。
また、MHでは二本劇場版が作られており、特に二作目の「雪空のともだち」ではなぎさとほのかの二人に焦点を絞っている。敵に操られた二人が同士討ちをするシーンが有名であり、二人の絆が色濃く描かれているためぜひ見て欲しい。
なお、2014年2月にプリキュアガーデンで行われた「運命の出会いだと思ったシーンは?」というアンケートでは、2位のココのぞを僅差で下して見事に1位を獲得した(関連リンク参照)。
百合視点での二人
多少のネタバレを含みます
なぎさは第1話冒頭から後輩の女子から3通もラブレターを貰うモテっぷり、ほのかは一月に一回は男子部生徒から告白を受けるというモテっぷりであり、歴代でも屈指のモテモテな組み合わせである。
しかしながら、ほのかはその全てを断っており、また、なぎさ一人を家に呼んだりラクロスの応援に行ったりと、あらゆる場面でなぎさを特別視した行動が見られる。戦闘面でもブラックを庇って攻撃を受けたり、ブラックを受け止めて壁に激突したり、ブラックとの衝突を無理やり回避して地面に激突したりと、ホワイトの庇い愛は目を見張る物がある。
その行動の数々はなぎさが好きなのではないか?と思わせるに十分だろう。
一方でなぎさは男子部のイケメン先輩であり、ほのかの幼馴染でもある藤P先輩こと藤村省吾に熱を上げている。(日向咲にとっての美翔和也、南野奏にとっての王子先輩に当たるが、本作では恋愛相手として明確に描かれている)
女子に貰ったラブレターについても、「女子にモテてもしょうがない」と否定的な見方をしていたりと、なぎさはヘテロセクシャルだと捉えられる描写もある。(なお、ほのかは「同性にモテるのは素敵な女性の証拠」と肯定的に見ている)
ほのかの片想いとも取れる状況だが、なぎさと藤P先輩との仲を取り持とうとしたりとするあたりは、なかなか妄想をかき立てられるのではないだろうか。
なぎほのを語る上で欠かせないのは、伝説の42話とも呼ばれる分断回であろう。
ホワイトを奪われたブラックは情緒不安定となり、パニック状態にまで陥ってしまう。
連携を分断され、窮地に陥る展開は他プリキュアでも多く見られ、主人公が落ち込んだり仲間の事を想ったりする場面も多いが、パニックに陥る主人公はそうは居ない。なぎさがどれ程ほのかを精神的に頼っていたかが分かるだろう。
また、怒りを露わに涙ながらに我武者羅に戦う姿は痛々しさすらあり、傷ついたなぎさと救出されたほのかが邂逅する瞬間は、二人の心情を思うと感動を禁じえない。
それまでなぎさのほのかに対する感情はあまり激しく描写されていないが、ほのかを失う事でその強い感情を垣間見る回である。
尚、この回では変身中にもかかわらず「ブラック」「ホワイト」というプリキュアとしての呼び名ではなく「なぎさ」「ほのか」と名前で呼び合っている。
それだけ切羽詰まっていたと同時に、プリキュアという関係以前に日常を共にするパートナーとして大切に想っているのだ。
二人の間にあるのは、友情や恋愛を超えた絆なのかもしれない。
漫画版での二人
多少のネタバレを含みます
プリキュアは戦闘アクションアニメであるが、漫画版ではあえて戦闘パートではなく日常パートを描くといった手法を取っている。(単行本化時には戦闘パートを書き下ろして追加している)
その為、アニメでの日常パートと同じくなぎさの藤村へのアプローチと、それを見守るほのかというパターンが多い。
が、プリキュアの主眼は二人の絆なので、なぎさの片想いから生じるなぎほののやり取りがメインとなっており、なぎさをヤキモキさせるためにほのかがナンパに乗ったり、なぎさに告白を促しながら「成功しても一緒にタコ焼き食べに連れて行ってネ」と言っていたりする。
なお、アカネさんには「熟年夫婦」とまで呼ばれていたりする。
MHでは、ひかりと仲良くするなぎさを見て、ほのかが「ミップル、嫉妬って知ってる?私って心が狭いのかな」とぼやいていたりで、ほのかさんが相当ガチに見えなくもない……。
MHの劇場版2作品も単行本化されており、劇場版本編とは細部でやや展開が異なる。
戦闘パートが殆どの為、あまり百合キュアな絡みは無いが、なぎさの「こんな私でもカワイイって言ってくれる人が見つかるもん」というぼやきに対して「なぎさったらカワイイ」と返していたり、二人でスノーボードとスキーを滑って志穂に「お似合いカップルね」と言われたりと僅かながらあるので見逃せない。
ドラマCDでの二人
多少のネタバレを含みます
ふたりはプリキュアではドラマCDが発売され、及び特典やキャラソンのCDとしてドラマパートが含まれている。
特筆すべきは「ふたりはプリキュア1st Year キャラクター&キャラソンベスト」に収録されている『ぶっちゃけ何も起きない日』である。
ほのかの家でなぎさがゴロゴロするだけの内容だが、親密っぷりが現れている。
ちなみにドラマCDはキャラ崩壊が激しい。
なお、余談ではあるが「ビジュアルファンブック大質問コーナー」にて「自分を動物に例えると何ですか?」との質問に、ほのかはボノボと答えている。
HUGっと!プリキュアでの二人
第21話のラストではぐたんによって召喚され、第22話において知り合って以来初めての喧嘩をしていたえみるとルールーに対して、散々喧嘩を繰り返して仲良くなった過去の経験からアドバイスする。彼女たちが仲直りする場面では自分たちにもあんなことがあったと、「ふたりは」本編第8話を回想している。
その後の戦闘シーンでも息の会った攻撃でパップルを圧倒したが、キュアアムールとキュアマシェリが彼女を助けたいと言うと二人を信じて後を任せた。
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