概要
てんとう虫コミックス32巻及び、藤子・F・不二雄大全集第13巻に収録。
ストーリー
ドラえもんとのび太は物置から幼稚園の頃読んでいた絵本を見つけ読み始めるが、この中にあった『浦島太郎』を読んだのび太はラストの展開が可哀そうだと泣き出してしまった。そこで2人は続きを見に行くため、絵本入りこみぐつでこの本の中に入るが、そこには老人になった浦島太郎が海に入って自殺しようとしていた。2人は慌てて引き留め、タイムふろしきで若返らせてあげ、現実世界に帰還する。
だが今度はママに「お手伝いはどうなってるの!?」と怒鳴られて呼び出されたため、のび太は叱られるのを避けると共に、もっと遊びたいと今度は『シンデレラ』の絵本に入り込んだ。するとそこにはシンデレラがおり、のび太は彼女が落としていったガラスの靴を見つけ駆け寄るが、転んだ拍子にこれを壊してしまった。そしてそこに王子がシンデレラを呼び止めにやって来たため、のび太は慌てて逃げ出すが、途中で絵本入りこみぐつの片方が脱げてしまい、帰れなくなってしまった。
そして王子はこの靴を拾って、これを履いていた人としか結婚しないと言い出したので、家来たちは身近な女性に靴を履かせてみるが、誰もぴったりとはいかなかった。それでも王子は他の娘との結婚を拒み、どうしてもこれの持ち主を探して欲しいと泣いて頼んだため、家来たちが町に持ち主を探しに出ると、のび太が「僕んだい、返してよお」と名乗り出てきた。一方ドラえもんは、ママからのび太を呼んでくるよう頼まれたため部屋に行くが、絵本から助けを求める声がしたため、覗いてみると、そこにはウエディングドレス姿で王子との結婚を嫌がるのび太の姿があった。
アニメにおける原作との主な相違点
大山版は1981年11月20日に、水田版は2020年3月28日にそれぞれ放送している。
1981年版
- 本編はのび太が部屋で浦島太郎を読んでいるところからスタートしていて、浦島太郎の歌も流れていた。
- ほんの少しであるが、若返った浦島太郎が村の人と再会できた場面も映っていて、「浦島太郎はありがとう、ありがとうと何度も礼を言い、元の時代へと帰ることができたのでした。めでたしめでたし」というのび太のナレーションも入っている。
- のび太は一寸法師の絵本にも入っていて、打ち出の小づちを借りて一寸法師を大きくして挙げたが、降り過ぎたため雲を突き抜けるほどの巨人になってしまった。更に一寸法師が泣き出してしまい、これが大粒の雨のように降ってきたため、スモールライトで等身大にまで戻してあげた。更にかぐや姫の絵本にも入り、月に行った後のかぐや姫をどこでもドアで地球の竹林に戻してもあげた。
- 物置を整理する下りがなかったため、ドラえもんが降りて来た際ママは廊下にいて、服も普段着だった。ちなみにドラえもんはのび太が自身の声を真似て返事をしたためお使いに行かざるを得なくなった。
- シンデレラの絵本にはのび太の誘いでしずかも同行していて、靴を落としたのはしずかの方だったため、王子と結婚することになったのは彼女の方だった。だが直前のところでのび太が引き戻したためしずかは現地世界に戻れたが、先に帰ってしまったことでのび太はしずかに嫌われ、最後は絵本の世界に取り残され怖い思いをして泣き出したしずかと共に泣いていた。ちなみにのび太は先に絵本から出た際怒ったドラえもんに掴みかかられていて、絵本の住人たちは絵本のようなタッチで描かれていて、シンデレラのママ母や姉たちも登場していた。
2020年版
- サブタイトルが「のび太の童話旅行」に変更
- 原作の扉絵をオマージュしたサブタイトル画面では、老人になった浦島太郎以外にも多くの童話のキャラクターがおり、のび太は両手を広げながら困った顔をしていて、ドラえもんも頭に手を当て同様の表情だった。
- タイムベルトはドラえもんが使用し、のび太と浦島太郎は掴まって移動した。
- 呪いで声が出せない人魚姫に「テレパしい」を食べさせて、王子に命を助けたのが自分であることを伝え、結婚を申し込まれるエンドまで持っていく下りや、凍えそうなマッチ売りの少女に「とりよせバッグ」で取り寄せたストーブやコート、暖かいスープをあげる下り、毒リンゴを食べたために死んでしまった白雪姫を「お医者さんカバン」で治してあげる下り、オオカミに食べられてしまった赤ずきんとお婆さんを「通り抜けフープ」で逃がしてあげる下りが追加されている。
- 1981年版と同じく、シンデレラや姉たちも登場して、王子ももう少し若い顔つきになり、家来たちはウィッグをしていた。