概要
ぼリョウとは、漫画およびアニメ「ぼっち・ざ・ろっく!」における、後藤ひとり(通称ぼっち)と山田リョウのコンビ、またはカップリングタグ。
ひとりは、人と目を合わせられず、会話も時にままならなくなるほどの陰キャかつコミュ障である。一方、リョウもどちらかというと陰キャな方であり、「友達は虹夏だけ」と口にするなど、友人もほぼいないという共通点がある。
ただ、ひとりは自分の性格が嫌いで、「人気者になりたい」という承認欲求が強く、友達も内心でかなり欲しがっているが、リョウはひとりと違い、どちらかというと自分の性格に肯定的で、孤独を好んでいる。
リョウは無口ではあるが、ひとりと違って会話で詰まることも無い。また、外出も恐れず、自分の趣味のためならかなり行動的になり、休日は単独で古着屋や楽器店、飲食店を巡っている。対照的に、ひとりは、喫茶店にも入ることを怖がるほどである。
楽曲制作において
このような形で、表面的には似ていても、実はかなりタイプが異なる二人だが、結束バンドにおいては、リョウが作曲、ひとりが作詞を担当しており、交流する場面は多い。
バンドの個性を重視するリョウは、ひとりの暗くて攻撃的な歌詞を気に入っており、個性的と褒めている。
楽曲制作に於いても、「ひとりが作詞に苦しんだ際、リョウは個性を重視して書くよう助言する事で納得のいく歌詞が完成する(第1巻)」、「作曲のスランプに陥るリョウを、ひとりがセッションに誘いスランプを脱する(第3巻)」、「ひとりが初挑戦した編曲が散々なものであっても、リョウは使えそうな部分を抜き出し手直しした(第5巻)」というように、お互いに補い合える関係となっている。(各詳細は下記の「原作での描写」に記載)
その交流の中で時折り見せる絆は、リョウに憧れる喜多を嫉妬させることもしばしば。
同調
上記のようにタイプは違うが、結束バンド陰キャ組とでも言うべきコンビであり、何かと行動がシンクロすることがある。特に虹夏や喜多がイベントなどで盛り上がってる際は、二人で離れて眺めていることが多く、また人が多いところに行くとすぐ帰ろうとすることがある。
ひとりの奇行に虹夏と喜多が引いているときも、リョウだけは寛容なことが多い。
また、実家が裕福で小遣いは多いが、高いベースを買い漁り金欠になるリョウに、ひとりは何度かお金を貸している。しかし当のひとりもギターヒーローとしての広告収入により懐は暖かいほうではあるが、自己承認欲求を暴走させ散財するなど似た傾向にある。
二人とも「STARRY」の後輩バイトである大山猫々や日向恵恋奈は陽キャ寄りなので苦手そうにしている。
ちなみに、ひとりに「ぼっち」というあだ名を最初に付けたのはリョウである。
原作での描写
陰キャ組ゆえに行動がシンクロする、変な絆で分かり合うなどの描写が多い。物語が進むにつれてひとりがリョウの事をなんとなく舐めているような描写もある。
ちなみにひとりのリョウに対する呼称は、アニメでは「リョウさん」だが、原作では「リョウさん」か「リョウ先輩」であり、特に物語中盤以降はほぼ「リョウ先輩」呼びである。
- 第1巻
ライブでサポートギターする事になったひとりが人見知りで客の視線が耐えられないのに対し、リョウが「怖いならダンボール箱に入って演奏するのはどうか」と提案する。箱には「完熟マンゴー」と書かれており、以後ひとりがダンボール箱に籠る状態を作中で完熟マンゴーと呼ばれるようになった。
ひとりが作詞を任された際、売れ筋の歌詞を意識して迷走していたひとりに、リョウは過去に所属していたバンドのことを伝え「個性を捨てたバンドなんて死んだのと一緒だよ」、「バラバラな人間の個性が集まって、それがひとつの音楽になるんだよ」と諭す。
またひとりが先に作った薄っぺらい歌詞に対しては「つまんない歌詞書かないで自分の好きなように書いてよ」と、正直に伝え、かつ個性を尊重する。
完成した暗い内容の歌詞に対してリョウは「少ないかもしれないけど誰かに深く刺さる」「ぼっちらしくていい」と評価した。
- 第2巻
ひとりが文化祭ライブに出るか迷う際に、リョウは「ぼっちの迷ってる気持ちもわかる」と同調しつつ「そんなに焦って決めることでもない」と助言する。
文化祭でのセトリを考える場面で、リョウはギターソロを追加しながら「ぼっちなら出来る」と鼓舞し、喜多は「あの二人ずっと妙な絆が生まれてるんですよ!」、虹夏は「妬けるね~…」と言及する。(アニメではカットされている)
文化祭でひとりが客席ダイブをやらかすと、リョウは「お前は伝説のロックスターだ」と笑いをこらえる。
- 第3巻
リョウがSTARRYに姿を見せないためひとりが様子を見にリョウの家に行こうと虹夏たちに提案する。
その後作曲のスランプに陥るリョウに再会し、リョウに自信を取り戻してほしいと思ったひとりは自らギターを奏でてセッションに誘う。
遊園地に皆で遊びに行った際には、はしゃぐ虹夏と喜多に対して外の行楽に消極的なひとりとリョウはベンチに置いていかれる。その後リョウが寂しくて虹夏たちに合流する際に「ぼっちがやっぱり混ざりたいだって」とひとりをダシに使う。
- 第4巻
未確認ライオットファイナルステージのフェス会場内でレジャーシートをひいて二人してくつろごうとする。
「ぼっち あおいで」「あっはい!」
「時間になったら呼びにきて ねーぼっち」「あっはい!」
夏フェスを舐めている。
外で食べるごはんは美味しく感じる理論が通用しないひとりとリョウは出店のケバブの味に文句を言い、喜多は二人を「フェス嫌い達」と呼ぶ。
その後フェスの観衆の人ごみに揉まれた際には体力の無いひとりとリョウの二人だけが流されてしまい、携帯紛失、水の所持無し、炎天下という危険な状況に置かれてしまう。(この後通りすがりの観客が水を分けてくれて二人は助かる)
「ぼっち…水頂戴…」
「えっさっき拾った蝉の抜け殻しかないです」
アホである。
ストレイビートにスカウトされた際は、「よくわからないけど多分給料とかもらえる」、「契約料もらって印税ざくざく」と二人とも浮かれ高級ブランドジャージやハイエンドベースを買い漁ったが、結局現状はそれほど変わらないことを知り、共に泣く羽目になってしまう。
別荘でバーベキューをする場面では、準備にひとりとリョウは炭をつつく・突っ立ってる程度しか手伝いができず虹夏に怒られる。
また、ひとりがBBQポイントという謎理論を振りかざして「あっリョウ先輩も焦げた野菜しか食べちゃだめですよ…!」と言う。失礼極まりない発言でしかないが、準備で役立たず同士のリョウだから言えた事である。なおリョウは「食材を用意したのはウチ(山田家)だが?」と言い返して平然と肉を食べている。なぜBBQポイント概念で分かり合っているのか。
- 第5巻
ひとりは編曲に初挑戦するも上手くいかず、それでもリョウは「そんなに凹まなくていい」「ぼっちの脳内は奇想天外で面白い」等と励まし、それを見た喜多がまた二人の絆に嫉妬する。
STARRYの新しいバイトが入るので対応をお願いされたひとりは不安がるが、リョウに「大丈夫 私もシフトだから」と言われてもひとりは「何も安心材料になってない」と悟る。
ポンコツ認定されている先輩。
猫々のギターを買いに同行する際、行き先を渋谷にしようと決められた途端消えるように二人とも離脱していなくなる(渋谷無理&だるい)。虹夏からは「リョウとつるむとぼっちちゃんも大胆なことするな」「悪い影響が」と言われている。
- 第6巻
リョウが「大山 日向騒音対策委員会」をひとりと共に結成する。なお虹夏・郁代は大山日向と変わらないので除外だと言う。
大山日向のおしゃべりがうるさいのでバイト中ずっとカニを食べさせて無口にさせるという作戦を委員会の二人で実行した。
アホである。(n回目)
クリスマスライブの際、全員サンタ服を着て演奏すると喜多が提案したにもかかわらずひとりとリョウはずれた仮装をしてくる。
バンドメンバー全員で虹夏の家に泊まった際、ひとりとリョウだけ明朝の始発で速攻帰る。
喜多家の母に「郁代にとってバンドは悪影響、バンドを辞めてメンバーともう関わるな」と言われた際には、ひとりは「虹夏ちゃんだけはいい子なので…その子だけは…(リョウ先輩すみません!私たちは無理ですッ)」と言う。自分はおろかリョウも見放している。
さらに、その後喜多の母にバンドの事を皆で説得しようとする場面でリョウが「私もたまには郁代のために一肌脱いでやるか」と言うとひとりが「え!? リョウ先輩は何もしない方がよくないですか…!?」とナチュラルに戦力外通告する。
江ノ島の神社へ初詣に行った際、参拝客で大混雑する景色を見ただけで二人そろってお願い事のメモを陽キャ組に託して休もうとする。
また、二人とも甘酒で悪酔い(虹夏曰く「アホだから」)する。その挙句お互いに因縁をつけ合い、どつき合いの喧嘩に発展(オノマトペは「ぽこ」、「へちょ」という締まりのない物であった)。その有様は喜多に「廣井さんの酔い方が健全に見えてきた」と言われるほどの醜態であり、酔いが冷めた後に虹夏から「大人になっても絶対にお酒飲んじゃダメ!!」と釘を刺される。しかし二人とも酔っていた時の記憶が無く「急に怒ってる」、「何の話?」と困惑した。
- 第7巻
ストレスの無い冬休みを満喫したひとりとリョウはふくよかになる。
まんがタイムきらら編集部公式は、この二人を「後藤ふとり・山田増リョウ」と称した。
アニメでの描写
アニメオリジナルの描写について記載する。
- 第5話
ひとり作詞、リョウ作曲によってオリジナル楽曲ができた際、リョウは「褒めてつかわす」と言いひとりの顎をよしよしと撫でる。
- 第12話
ひとりが新しいギターを購入直後、リョウはひとりがギターに早く触れたいだろうと配慮して「今日は解散」と言う。喜多は「また二人で通じ合う感じ、出してる」と嫉妬する。
舞台
2024年9月に公演されたLIVE STAGE「ぼっち・ざ・ろっく!PARTⅡ 秀華祭」では、江ノ島パートで「パリピに絡まれペラペラになったひとりをリョウが運ぶ(アニメ版では運ぶのは虹夏)」「展望台で景色を眺める時にひとりとリョウが手すりをつかむ腕を交差させる」「展望台を降りる時に手を繋ぐ」「トンビに襲われた直後のヤムチャシーンの装置からひとりが降りる時にリョウが手を貸す」といったぼリョウの物理的な絡みが数多く目撃されている。
CDのドラマパート
きららトリビュートコレクション「結束バンドの歌ってみた」収録のドラマパートでは、カラオケルームでひとりは「虹夏ちゃんは先輩、喜多ちゃんは陽キャだから上座に座ってもらおうかなあ…」と思っているがリョウのことは上座に座らせようとは考えていなかった。リョウは飲み物をつぎに行っておりこの時不在だったから考えていなかったとも言えるが…。
ちなみにリョウが飲み物をついでくる場面でひとりにはコーラを差し出しており、この事からひとりの好きな飲み物をリョウも認知している様子が判明した。(アニメでの描写から、ひとりの好きな飲み物がコーラである事は作中の虹夏と視聴者が察していた)
その他
公式が発表した本編外にまつわるさまざまなぼリョウ要素を記載する。
雑誌表紙
桃の節句をモチーフに、女雛のひとりと男雛のリョウが表紙を飾っている。
余談だが雛飾りの男雛女雛は天皇陛下と皇后陛下つまり夫婦を表していると言われている。
サンタコスのひとりとトナカイコスのリョウが表紙を飾っている。ソリを引け山田。
ハロウィンコスのぼリョウが手を繋いだ姿で表紙を飾っている。
原作者コメント
単行本第5巻のあとがきで 「大山と日向に苦しめられる後藤と山田好き」と言及している。
企業コラボビジュアル
2024年3月より開催されたローソンとのキャンペーンの描き下ろしビジュアルでは、ひとりから財布らしき物を差し出されたリョウがグッドサインを掲げている。
どう見てもカツアゲ現場です、本当にありがとうございました。
アンソロジー
アンソロジーコミック第3巻収録の大倉ナタ著『バンド=家族=私達』はぼリョウ不仲説が出たと知ったリョウがひとりとの仲の良さを周りにアピールしようと行動する話。
応援イラスト
アニメ公式X(旧twitter)が発表した劇場総集編Re:Re:応援イラストのうち、険持ちよによるイラストがひとりとリョウのイラストである。
ぼっち・ざ・ろっく!展
2024年から2025年にかけて全国6会場で開催された『アニメ「ぼっち・ざ・ろっく!」展』では各6か所の開催地にそれぞれ描き下ろしのご当地グッズが用意され、このうち大阪会場のご当地ビジュアルがぼリョウコンビだった。
ひとりが持っているたこ焼きをリョウが横取りして食べている。
舞台蔵出し
2024年11月にLIVE STAGE「ぼっち・ざ・ろっく!」公式Xは2023年初演時の蔵出し映像を公開しており、その内【蔵出し④】のバックステージで俯きながら話す守乃まも(ひとり)と小山内花凜(リョウ)の映像を公式は「頭頂部で会話する2人」と表現した。
イベントお礼イラスト
2025年1月25日に開催された制作スタッフ出演のトークショー&サイン会『ぼっち・ざ・わーくす!Re:~アニメ「#ぼっち・ざ・ろっく!」ができたあとは~』のけろりら描き下ろしお礼イラスト。リョウがひとりの両肩に手を置き、電車ごっこのように歩いている。