概要
ぼ虹とは、漫画およびアニメ『ぼっち・ざ・ろっく!』の登場人物、後藤ひとり(通称ぼっち)と伊地知虹夏のコンビ(カップリング)タグ。
ひとりは虹夏のことを「虹夏ちゃん」と呼んでおり、対する虹夏は「ぼっちちゃん」と呼んでいる。
虹夏は物語開始の時点で高校2年生であり、ひとりの1つ上の先輩である。また、ひとりは妹を持つ姉であることに対して、虹夏は姉をもつ妹という対照的な特質を持つ。
そのためか、普段は年の差や性格から虹夏がひとりを見守って引っ張っているが、虹夏が追い込まれた際には逆にひとりが思い切った行動をして、それによって虹夏が立ち直る場面があり、「年下の姉と年上の妹」のような関係性も垣間見えている。
また、アニメでは、原作に比して虹夏がひとりを細かく気遣ったりフォローするような保護者的な描写も増えている。
出会い
物語の主人公であるひとりは、バンドで人気者になりたいという動機で、1日6時間もギターの練習を続け、プロ並みの腕前を持っている。しかし、一方で人と目を合わせられない凄まじいまでのコミュ障であったため、人を誘ってバンドを組むことができなかった。
それでも、彼女は学校にギターを持っていくなど音楽好きであることをアピールし、誰かから話しかけてもらうのを待つなどしていたが、突拍子もない行動が多い彼女に話しかけてくれる同級生はいなかった。
そんななか、ギターを抱えながら公園で落ち込んでいるひとりを見かけて、自分のバンドに誘ったのが虹夏である。虹夏のバンド「結束バンド」は、その日ライブをする予定であったが、ギター担当のメンバーが突然逃げ出してしまい、そのため代わりのギターメンバーを探していたのだった。
こうして、筋金入りの「ぼっち」と虹夏の出会いにより、物語が動き出すことになる。
ひとりは、インターネットの動画投稿サイトで「ギターヒーロー」名義で動画をアップしている。その高い演奏技術からファンも多く、アニメ第1話の時点でチャンネル登録者数3万を突破している。そして、実は虹夏もギターヒーローのファンであった。
しかし、ひとりは中学校3年間1日6時間ギターを練習するといった猛練習の結果、プロ並みの演奏技術を得たのだが、大勢で演奏した経験は皆無であり、人の目も見れないコミュ症であることも相まって、人と組んでの演奏だと上手く合わせられずに下手な演奏になってしまう。
人前では下手な演奏しかできない自分を誘ってくれる虹夏の優しさに、ひとりも勇気を出して一歩踏み出し、バンドに参加することとなる。
そのため、虹夏は当初、ひとりがギターヒーローであるとは気づくことはなかったのだが……(それどころか、内心ではひとりは下手とさえ思っていた)。
ギターヒーローの正体
そんな認識のなか、結束バンドがライブ出演の資格を獲得するため「STARRY」のオーディションを受けることになる。前日に虹夏には夢の先の本当の夢があることを知ったひとりは、自身を変えてくれた結束バンドのメンバーのために踏ん切りをつけ、ついに実力の片鱗を発揮する。
虹夏は演奏の最中に、ひとりの演奏にいつもと違う何かがあることに気づいた。
そして演奏に聞き覚えがあると内心思ったが……合格の嬉しさや、ひとりが慣れないことをしたため胃酸が逆流する場面を目撃し気のせいだと思い直した。
月日が流れて結束バンドのデビューライブが開幕するが、強い台風のため予定していた観客がほとんど入らず、メンバーは落ち込む。
その緊張から1曲目の演奏で失敗を重ね、会場の空気は冷えた。ところが、奮起したひとりがアドリブで見事なギターソロを披露して聴衆の心をつかみ、その後で2曲目につないで場内を沸かせて、デビューライブは成功に終わった。
そしてライブの打ち上げにて二人きりになったタイミングで、虹夏はライブの演奏を聞いてひとりがギターヒーローだと確信したと打ち明けた。
ひとりはごまかそうとするが、ギターも同一であることにも気づかれているため言い訳が不可能だと悟り、事実を認める。
ひとりは自身の性格がヒーローらしくないと考えており、ショックを受けたかと尋ねたが、虹夏はひとりがギターヒーローで良かったと告げ、
「今日のぼっちちゃんは本当にヒーローに見えたよ」と語った。
余談
最初に出会った直後から、虹夏は「ひとりちゃん」と呼びかけた。いきなり名前で呼ばれて驚くひとりだったが、ひとりの方も少し時間が経つと(虹夏が先輩であるにもかかわらず)「虹夏ちゃん」と呼ぶようになり、そのまま定着した。
これは距離を置いた人間関係に落ち着きがちなひとりとしては異例であり、虹夏のフレンドリーさに押し切られたと言える。
その後、リョウがひとりに「ぼっち」というあだ名を付け、ひとり自身がそれを気に入っていると知った虹夏は、「ぼっちちゃん」と呼ぶようになっている。