概要
リョウ虹とは、漫画およびアニメ「ぼっち・ざ・ろっく!」における、山田リョウと伊地知虹夏のコンビ、またはカップリングタグ。
結束バンドは、別のバンドに所属していたリョウが、他のメンバーとバンドの方向性に対する考え方の違いから脱退した後、虹夏に誘われて結成した。
詳細は後半に記載の「エピグラフ②」参照。
リョウは、中性的な外見で、口数が少なく、あまり表情も見せないため、なかなか掴めない雰囲気の少女である。しかし、喜多郁代など目を奪われる女性も珍しくない。
虹夏は、結束バンドのリーダーであり明るいムードメーカーで、リョウを始めとしたメンバーのワガママやボケに対しツッコミやフォローに回る常識人ポジション。
リョウは唯一の友達が虹夏と明言しており、対して虹夏はリョウに学校の課題を写させたり服装の乱れを直したりするなど世話焼きをする。そのため親友を超えたかけがえのない関係といえる。
親しいが故に、虹夏は不真面目なリョウを激しい口調で𠮟りつけたりもする。また、どちらかのメンタルが落ち込んだ場面では、元気な方が物理攻撃(後述のプロレス技やチョップ等)を仕掛けてから慰める。冗談でもこんな言動が出てくる二人、特別な関係ではないだろうか。
原作での描写
物語が進むにつれて虹夏のツッコミキャラが火を吹くようになり、それに伴い虹夏はリョウの不真面目な言動に容赦なく𠮟ったり、暴力をふるう描写にもエッジがかかったりしている。
- 第1巻
第1話、リョウが作中初登場する場面で虹夏は「リョウ~~~」と呼んでおり、二人が既に親しい仲である事が分かる描写となっている。
- 第2巻
真面目にテスト勉強をせず次に赤点を取るとやばいリョウに向かって、虹夏は「一緒に進級したくないの!? 私とリョウの仲ってその程度だったの!」と泣き叫ぶ。星歌は「面倒くさい彼女かよ…」と評した。
ファミレスで、ひとりに借りたお金を返さなかったリョウへの罰として、虹夏はリョウにご飯を分けない。
お情けで虹夏が僅かポテト1本だけ与えるとリョウは「虹夏優しい…好き…」と言い、ガチで感謝され胸が痛んだ虹夏はその後結局ポテトを沢山与える。
バンドの知名度を上げるためSNSでひとりの身体をグラビアにしようとリョウが提案すると、虹夏が「そんな事ばっか言ってると友達いなくなるよ!」と罵り、そのまま口喧嘩に発展して、虹夏がリョウに激しくプロレス技をかける。
リョウ「ギブギブ…」
喜多「伊地知先輩やっぱり店長と同じ血を引いてるわ…」
- 第3巻
STARRYの物販に身に覚えのない商品が勝手に増えてる事が判明する場面で、虹夏は「山田ッ」と、本編中で初めてリョウを名字呼びで罵る。
「(フェスの)結果が振るわなかったら皆はバンドをやめるんじゃないか不安になった」と弱音を吐いたリョウに対し、虹夏がジャーマンスープレックスをかける。
「結果が悪いくらいで解散するわけないじゃん!」
結束バンドの4人で初めて路上ライブをした際には、投げ銭箱にお金が入るとリョウが金額を確認するため演奏を中断してしまい、虹夏が激怒する。その直後のリョウの頭にはたんこぶがお見舞いされているだけでなく、なんとドラムスティックらしき棒が刺さって派手に血を噴き出しているという過激な表現となっている。
※ぼっち・ざ・ろっく!はギャグ漫画です。念のため。
高校3年生に進級した際、同じクラスになり虹夏は「あたし達ずっと一緒じゃん」と愚痴をこぼす。その後「今年は絶対リョウの面倒みないからね!!」と言いながらリョウの襟のリボンを直す。意思とは関係なくお世話するのが体に染み付いている。
「制服にアイロンかけてあげたり 脱いだ洋服洗濯機にいれてあげたりもしないからね!」
「いやそれは虹夏が勝手にしてるだけ…」
ブッキングライブの全容を確認せず出演を承諾してしまったと失敗して落ち込む虹夏に対しては、リョウが虹夏の頭にチョップをかけて「そのくらいで萎える私達なわけない」と慰める。
- 第4巻
ひとりが母の美智代と自宅で会話している場面で、「またお金貸してる事がバレちゃって 虹夏ちゃんがリョウ先輩にバックドロップキメて気まずかっ…」と言及している。その過激なやり取りは遂に家族団欒の会話にも登場。
虹夏は大学進学し、リョウは進学しないと話し合う場面では、虹夏は「(ノートとってあげる等の)中学からの習慣がなくなったらあたしボケちゃうかもな~」と冗談を吹かし笑う。将来についてリョウは「これから先もずっと 虹夏にスネかじらせてもらうから」と言うと、虹夏は「でも老老介護はやだからねー!」と返す。
リョウが虹夏と同じ自動車学校に後追いで入学した理由は、虹夏に会えない日が続いたからである事が後に判明する。
「(もう1週間も会ってない…)」
別荘宿泊の際、ナチュラルに一緒の布団で寝ている。
- 第5巻
虹夏の自宅の部屋にリョウが大量の私物を持ち込んでおり、虹夏自身のスペースはベッドの上だけになっている事が判明する。
- 第6巻
リョウが「成績不振で留年の危機だったため退学してもいいかと考えていたが、虹夏が"一緒に卒業式迎えたくないの!?"と泣きつくから一夜漬け頑張った」と言及する。当の虹夏は「泣いてはない」と顔を赤らめながら否定。
ストレイビート(レーベル)の事務所の掃除を手伝う際、「虹夏早くここ片付けて」というリョウに対し、虹夏が「リョウん家じゃないんだから自分の持ち場は自分でやるの!」と叱り、ぽいずん♡やみから「家だったら片付けてあげるんだ」とツッコまれる。もはやお約束。
野良猫のように食べ物をたかりつつも態度が大きいリョウの事を、虹夏は「リョウは野良ペルシャ」と評する。
- 第7巻
無事大学受験に合格した虹夏が、「リョウの自腹のお守りが一番心強かった」と語る。なおお守りが放つパワーは「なけなしのお金…」「ご飯代…」といった念のような力だった。
高校卒業時、最後の日に虹夏とリョウの二人で学校探索をして、思い出話に興じる。
その後リョウが借金返済を要求する同級生達に責め立てられそうになると、虹夏は「リョウは根はクズだけどいい子なんですーーッ!!」とリョウを庇う。
根がクズなら駄目じゃねえか。
アニメでの描写
アニメオリジナルの描写について記載する。
既に親しい仲という設定故か、下記のように物理的に体を預ける描写がある。
- 第8話
ライブ前、低気圧で調子がふるわないリョウが、立ったまま虹夏に倒れるようにもたれて眠りこける。
動じない虹夏の体幹がすごい。
- 第9話
江ノ島からの帰りの電車内で、リョウは座りながら寝ているが、途中から虹夏の側にもたれている。
楽曲
2024年9月に開催されたまんがタイムきらら展FINALの会場限定音楽コンテンツ「結束バンドの歌ってみた」でリョウが歌う『Daydream café』は、合いの手部分が虹夏歌唱であり、聴いた人々から「実質リョウ虹が歌っている」と言われた。
その後、同音楽コンテンツをCDにして発売されたきららトリビュートコレクション「結束バンドの歌ってみた」にはドラマパートが新規収録された。こちらでは、カラオケでリョウが皆への飲み物を注いでくる際、後輩たちへはまともな飲み物を差し出したのに、虹夏にだけは「日頃の感謝を込め、飲み物全種を混ぜた"世界の山田スペシャルカクテル"」という学生同士でやるいたずらみたいなふざけた飲み物を持って来た。虹夏は怒り、山田スペシャルカクテルをリョウ自身に飲ませた。
※飲み物で遊んではいけません。
その他
本編外の公式におけるリョウ虹コンビ描写について記載する。
雑誌表紙
コインランドリーが背景のリョウ虹コンビが表紙を飾っている。デザインイメージは「ファッション誌」。
単行本第7巻特典リーフレット「Character File vol.15」では、このイラストが初めて主人公(ひとり)がいなくていいという指示が出た表紙であると明かされている。
ぼっち・ざ・ろっく!展
2024年から2025年にかけて全国6会場で開催された『アニメ「ぼっち・ざ・ろっく!」展』では各6か所の開催地にそれぞれ描き下ろしのご当地グッズが用意され、このうち福岡会場のご当地ビジュアルがリョウ虹コンビだった。
虹夏があまおう苺入り「いちご飴」らしき串を、リョウが博多ラーメンをそれぞれ持ちながら食べ歩きしている。
アンソロジー
アンソロジーコミックに収録されている、リョウ虹コンビがメインの話を記載する。
- 戸田大貴著『大食いチャレンジ』(第2巻)
空腹のリョウが大食いチャレンジメニューに挑戦し、虹夏がそれに付き合わされる話。
- 大豆田著『雨上がりにみえる虹』(第2巻)
喧嘩する虹夏とリョウの二人が、「結束バンドで一番付き合いが長くて 一番身長差があって 一番喧嘩して一番仲直りする」と表現される話。
- 豪烈・弥太郎著『お粥の美味しい作り方、そしてお粥を食べることによるその効果』(第3巻)
エピグラフ②
「劇場総集編ぼっち・ざ・ろっく!Re:Re:」の来場者特典冊子。虹夏とリョウが出会ってから結束バンド結成に至るまでの詳細ないきさつが明かされている。
中学2年の時の文化祭にてリョウがベースソロでライブをして「会場がお通夜」になるも、虹夏がリョウのテクニックに注目して話しかけたことがきっかけで交流が始まる。当時の虹夏のリョウの呼び方は「山田さん」。二人は小学校から一緒だったが実際の交流はそれまで無かった。
虹夏がバンド仲間を探していたのに対しリョウはすでにバンド「ざ・はきむたす」に入っていたため、一緒に演奏をすることはなかったが、共に遊んだり虹夏がリョウのライブに行ったりするなど個人的な交流が増えた。
バンド活動に励むリョウに対する虹夏の評価は「ざ・はきむたすのリョウは輝いてて そんな姿が一番好きだった」。
月日は流れ、リョウがざ・はきむたすを脱退すると聞いた虹夏は、「(バンド活動を)絶対やめちゃだめだよ!」とリョウへ想いをぶつけ、最後にあの言葉を投げかける。
「暇ならベースやって!」