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「珠世様は今日も美しい、きっと明日も美しいぞ」




概要編集

鬼滅の刃」に登場する、愈史郎珠世男女カップリング

二人の年齢差は二百歳以上ある。

愈史郎からの好意は明瞭であるが、珠世が恋愛感情として好意を示す描写はない。

しかし、常に行動を共にし、鬼舞辻から逃れながらも討伐のための研究をし続けた二人にとってお互いの存在が支えになっていることは間違いないだろう。

無題


浅草編(2卷14話〜3卷19話)編集

初登場から炭治郎たちを案内するシーンまでずっと眉を顰めていた愈史郎だが、珠世と話すときのみその顰め面が和らぐ。

珠世に対する失礼な物言い(とは言っても鬼である珠世に血の臭いを嗅ぐことが苦しくないかと心配したり、200年という膨大な時間に驚き思わず年齢を聞くなどの十分考慮できる「失礼」である)をした炭治郎に対し、みぞおちを殴ったり投げ技をかけたりと手荒な反応を見せる。

その度に珠世は愈史郎を叱り、愈史郎も元気よく返事をし、場は収まるが、当の愈史郎は「怒った顔も美しい…」と反省は全くない様子。

炭治郎と珠世が真剣に話をしている際も愈史郎は顔色を変えず、「珠世様は今日も美しい、きっと明日も美しいぞ」と思いながら珠世を見つめていた。

この時点で愈史郎の珠世への好意は明らかなものであると言える。


鬼舞辻の配下が急襲した際、頭を吹き飛ばされながら珠世を守った愈史郎は、「俺は言いましたよね?鬼狩りに関わるのはやめましょうと」と発言。

この言動から今回珠世が炭治郎たちを助けることに否定的だったこと、珠世に従順ではあるが意見することもできる極めて対等な関係性だったことも窺える。

さらに続けてこう発言する。

「貴女と二人で過ごす時を邪魔する者が俺は嫌いだ 大嫌いだ 許せない!!」

ほぼ告白ではないかと思える発言だが、珠世が一切動揺してないことからこのような発言を日常的に言っていたのではないかと推測される。

炭治郎への戦闘アドバイスのあと、「あいつを囮にして逃げましょう!」と堂々と発言。珠世にドン引きされ、すぐさま「冗談です!!」と返す。


戦闘後、倒れている炭治郎に対し、珠世の術を吸わないようにハンカチを渡す優しさを見せるが「俺は珠世様から離れたくない少しも!!」と言いすぐに珠世の元に飛んで帰ってしまった。

禰豆子から抱きしめられ、炭治郎から理由を聞き、思わず涙を流し感謝する珠世を見て愈史郎は自分が鬼になった日のこと思い出す。

愈史郎にとって彼女が命の恩人であり、彼が彼女に尽くす理由が窺えるシーンである。


浅草編から愈史郎の珠世への想いは明白であり、常々「美しい」と思っているので告白などは済んでるようにも見えるが…2巻幕間の大正コソコソ噂話で「愈史郎に『珠世さんのことが好きなんでしょ!』と聞くと真っ赤になって黙り込むよ!」との記載が。

日頃の行いとのギャップを知り、二人に落ちたと公言するファンも多い。


余談だが、人間を家族と認識する催眠を鱗滝に施された禰豆子は催眠に自分の意志を反映させており、鬼である珠世と愈史郎を家族と認識した際、珠世を母親の葵枝と認識し、愈史郎を末っ子の六太と重ねて見ているため、愈史郎の珠世への愛は母親に対する敬愛も幾分か含まれているのかもしれない。

また愈史郎は初めて鬼化に成功させた存在でありある意味では鬼としての珠世の子供ともいえる存在であり、珠世が鬼になった経緯が経緯だけに愈史郎に成長を見届けようとした我が子の姿を重ねている可能性がある。


鼓屋敷編(3卷25話)編集

炭治郎の元に、採血の短刀を回収するため、珠世の使い猫・茶々丸が現れる。採血の短刀は愈史郎が作成している。








以下、完結まで編集

TV未放映分のネタバレを含むためアニメ派は注意






















刀鍛冶編(15卷127話)編集

炭治郎への手紙を書く珠世を不満そうに見る愈史郎の姿が見られる。

珠世が使い猫である茶々丸を触っているときも不満そうに見つめている描写がある。



柱稽古編(15卷131話)編集

幕間で産屋敷からの鎹烏の進言に動揺する珠世の気配を察知し、階段を転げ落ちる描写がある。



無限城編(16卷138話〜21卷)編集

16卷

愈史郎は鬼殺隊の救護班として参加、珠世は一人無惨と対峙する。この時行動を常に共にしていた二人が初めて別々に登場した回となる。

浅草編で「俺は珠世様から離れたくない少しも!!」と発言するほど離れることをあれほど嫌がっていた愈史郎だが、大正コソコソ噂話に「愛する人の頼みは断れないものです。」との記載と共にアンニュイな横顔の愈史郎のイラストが掲載されており、浅草編の時の彼の心境とは違うことが窺える。


21卷

無惨に薬を吸収させた珠世だが、奇しくも体をすべて取り込まれ殺される。

彼女の死を知った愈史郎は壁にぶつかり、倒れてしまう。

珠世を失い、怒りに震えながらも柱である甘露寺伊黒に上弦の鳴女を倒すよう提案、見事背後を取ることができた。

「俺から珠世様を奪ったこと後悔して跪け!!」

血涙し、無惨への怒りを露わにする愈史郎。

その後、視覚を奪われ無限城の操作を自由にできなくなった鳴女を無惨は切り捨て、殺す。

これにより、無限城での死闘は地上へと決戦の舞台を変えたのだった。



無惨決戦編(22卷〜23卷)編集

22卷

いままで炭治郎たちに見せる愁いを帯びた表情をベースに優しい微笑みや驚いた表情を見せていたが表情に大きな変化はなく、鬼の大きな特徴でもある鋭く尖った牙を常に見せないようにしていた珠世だが、無限城で無惨を前にし、今までにないような表情で怒鳴るなど感情を露わにしていた。

この巻ではさらに一遍。無惨を追い詰めた彼女が見せたのは、普段見せることがなかった牙が露わになるほど口角を上げ、笑う姿だった。いままで彼女から感じることのなかった鬼らしい表情であった。


無惨の体内で珠世が闘う一方、愈史郎も救援という形で戦いに身を置いていた。

死闘により足を欠損した悲鳴嶼を治療しながら、愈史郎は一人無惨の前に立つ炭治郎を想い、こう祈る。

「炭治郎を守ってください 何とか守ってやってください お願いします」

鬼滅では神仏への信仰心を描写したシーンが数回あるが、愈史郎は神でも仏でもなく珠世に願う。

死の淵にいた愈史郎を鬼に変えることで命を与えた珠世が、彼にとってどんな存在であったか象徴するシーンとも言えるだろう。

また、この際愈史郎が思い浮かべた珠世はまるで少女のように朗らかに笑う姿だった。

前述のように、珠世は無惨の体内で今まで見せることがない表情を見せたことに触れたが、愈史郎が回想する珠世もまた、いままで本編で見せたことのない表情である。

愈史郎が思い浮かべる彼女は悲しげな表情でも、無惨の前で見せた妖艶な笑みでもなく、屈託もなく楽しげに笑う彼女だったのだ。


また、22巻のコソコソ噂話では使い猫である茶々丸を鬼にした理由についても触れられる。

茶々丸自身はもちろん意思を示すことはできないため、苦渋の選択であったが、自分の死を決めていた珠世は最後の鬼になるであろう愈史郎が自分のように一人で生きることにならないよう、茶々丸を鬼にした。


23卷(最終巻)

幕間で陽光に焼かれ消失する無惨の体内で崩れていく珠世のカット、そして数ページ後に珠世を探すかのような愈史郎のカットが掲載されている。


夜が明け、鬼殺隊員たちが喜ぶ中、鬼である愈史郎は一人陽光を避け室内でその終焉を安堵する。

「珠世様、終わりましたよ」

珠世の簪を握りしめ、涙を零す愈史郎。

珠世が無惨と対峙した際、彼女が簪を差していないことからこの簪は珠世本人から決戦前に形見として手渡されたものではないかと推測される。


204話

無惨が死んだことで人を喰う鬼がいなくなり、鬼は愈史郎と茶々丸だけとなった。

蝶屋敷で療養する炭治郎を訪れ、「本当によく頑張ったな えらいよお前は」と激励した愈史郎。

この時の愈史郎の穏やかな笑顔は本編で初めて見せた笑顔であった。

最後は彼らしく憎まれ口を叩き、去る愈史郎に何かを悟った炭治郎はこう投げかける。

「愈史郎さん、死なないでくださいね」

立ち止まったものの振り向かない愈史郎にさらにこう続ける。

「珠世さんのことずっと覚えていられるのは愈史郎さんだけです」

この時の愈史郎の心境はどのようなものだったかは描かれなかったが、この炭治郎の言葉の重さは彼の今後に深く影響を及ぼす。


205話(最終回)

炭治郎たちが生きた大正時代から時は現代に。

鬼のいない世界で人々が日常を送る時代に愈史郎は茶々丸と共に鬼として生き続けていた。

現代の彼は「山本愈史郎」という名で珠世のみを描く現代画家となっていた。

その名は広く知られ、善逸の子孫である善照も彼の絵を見ただけで作者名とタイトルを答えらえるほどの人気画家に。

善逸伝を読み込む彼が「愈史郎」「珠世」の名に対し違和感を持たないのは二人が善逸伝に記録されていない証拠ともいえる。

人々の記憶、そして記録にも残らなかった彼女を唯一思い出し、彼女の存在を世に残してきたのだった。


23巻描きおろし部分

連載当時は炭治郎の言葉により、孤独に生きてしまったのではないかと推測されたが23巻の加筆で愈史郎は産屋敷輝利哉と友人であることが判明。

また、茶々丸と映る笑顔の愈史郎の写真も掲載されており、204話の悲しげな笑顔とは違い、晴れやかな笑顔であった。

上記より彼女亡きあと、彼は孤独ではなく穏やかに暮らしていたのではないかと推測される。

最後のエピローグでは、珠世・愈史郎二人並んだ笑顔のカットが掲載されている。

「諦めず 逃げ出さず 信じ続け」

珠世の200年間の研究を指すのか、彼女亡き後も必死に戦い続けた愈史郎を指す言葉なのか。

二人揃って笑顔で並ぶ姿は全23巻でこちらのみである。






その他編集

  • ファンブック弐巻

亡き夫と子供を忘れる事の出来ない珠世に想いを告げることはなかった愈史郎が、一つだけ約束をする。

生まれ変わったら夫婦になってほしいというもの。

珠世も微笑んで頷き、もしかしたら数百年の後に人間として二人で寄り添い年を重ねたかもしれません。


これが彼らに関する最後の「大正コソコソ噂話」である。


  • 過狩り狩り

吾峠呼世晴のデビュー作でもある今作。

愈史郎と珠世が登場する。

「愈史郎を侮辱する事は許さない」と珠世にとって愈史郎が重要な存在であることがわかる台詞が窺える。

愈史郎は術は鬼滅と同じく目を用いているが、鬼滅の刃の時のような恋愛感情とも取れる意思は見えない。

敵から逃げる際は珠世をお姫様抱っこで抱えるなど、鬼滅よりもすこし大人の雰囲気を醸す二人が味わえる。


  • 「夜明け前の研究」

アニメDVD4巻特典ドラマCD

愈史郎が鬼になって1年後の二人を描いたストーリーである。

危篤の男性を救護する中で珠世は愈史郎に「鬼になって後悔はないか」と問いかける。

鬼滅本編では珠世から愈史郎への思いを吐露するシーンはないが、今作では珠世の抱える不安、それに対する愈史郎の答えを聞くことができる濃密な一作となっている。



余談編集

2020年7月発売の単行本21巻の表紙は、この二人が飾った。その表紙カバー下には切なくも心憎い演出がなされている。


関連イラスト編集

21巻表紙撮影数分前のゆしたま☆珠世と愈史郎

鬼滅のまとめPretender

ゆしたま詰め合わせ醫療組


関連タグ編集

鬼滅の刃  愈史郎  珠世

鬼滅の刃男女CPタグ一覧

珠世一派(コンビタグ)

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