概要
主人であるクイーンミラージュに忠誠を尽くし、プリキュアを追い詰める姿は「ミラージュの忠犬」というにふさわしいものであった。
そのイメージが確立されたのは第31話。撃破したファントムを看病していた大森ゆうこが、ファントムをかつて飼っていた犬・デビッドに重ねていたことが判明した。
あのクールで凶悪な悪役であるファントムをワンコのイメージで捉えて可愛がるという何ともいえないギャップが、ある意味でゆうこらしいとカップリング的な視点からも注目された。
伏線について
この話のファントムの回想で、かつてぴかり神社の巫女だったころのミラージュが登場したが、そのアングルが下からミラージュを見上げているようであったため、「ファントムは元々本当にミラージュの飼い犬だったのでは?」という予想が出始めた。
ゆうこは作中では相手の本質を見抜く観察眼がすさまじいレベルであることがたびたび描かれていることから、ゆうこがファントムを犬のように感じたことは別にギャグでも何でもなく、それが真実だからという見方である。
ファントム自身も自分が犬に重ね合わせられたことをバカにされたと感じず、むしろゆうこの言葉に重みを感じたことについても、過去を思い出したからではないかと見る節もある。
またその前の話では、アンラブリー状態のファントムが本気を出して放った衝撃波が犬の形になってキュアラブリーを攻撃するという描写がある。
そもそも、ファントムがアンラブリーへと性別反転の変身ができるというのも、ファントムは変幻自在の存在であることを示しているわけで、現在の人間の男性の姿が本当のファントムの姿という保証もないと言える。
第41話で正体が明かされたが、予想は当たらずとも遠からずといったものであった。
なお、放映終了後に刊行された『ハピネスチャージプリキュア! オフィシャルコンプリートブック』によると、シリーズディレクターの長峯達也はキャラクターデザインの佐藤雅将へ「ファントムは犬っぽい感じで」と注文をつけていたことが明かされている。はじめは本当に犬の顔をした獣人キャラにしようかと考えていたのだが、いろいろと考えた結果、あまり犬っぽさにこだわらないイケメンの敵幹部にしたということ。
それでも犬っぽさが見えるのは、脚本や演出においてファントムは犬のイメージを持つキャラということが強く現れた結果なのだろう。