解説
クローム・バランシェがバストーニュに工房を構えてから製作した43体目のファティマ。
『運命の三女神』の長女であり、ラキシス、クローソーの姉である。
スペック…戦闘3A・MH制御3A・演算3A・耐久3A・精神3A・クリアランスOUT・タイプ∞(成長中)
全ての基礎能力が最強の3A超えという超々弩級ファティマでありながら、ファティマの感情・行動を制限するダムゲート・コントロールが施されておらず、それどころか『純血の騎士』に準ずる騎士能力をも持たされるなど、無限の寿命と人間を遥かに超える能力を有しつつも全ての制御から解放された『人間』として自由に生きることを「赦されてしまった」超常のファティマである。
始めからダムゲート・コントロールが存在しないため、ファティマらしさ(人間に対する盲目的な従順さ、非人間的なほどの静かな佇まい等)が無く、傍目からは単にものすごくスレンダーなだけの人間の女性にしか見えない。
性格や言動も極めて人間くさいというか人間そのものであり、マスターでもない人間に愛情や好意を見せたり、逆に誰かを憎んだり恨んだりすることもできる。そして、その感情の自由さゆえに、彼女は絶望し、苦しみ、葛藤する。
星団暦の騎士とは次元を異にする強さを持つ『純血の騎士』に準ずる超強力な騎士能力に加え、大剣聖ディモス・ハイアラキとその弟子である星団最強の剣聖ダグラス・カイエンのデータをインプットされているため、バイア(魔導騎士。新設定では『ツバイ』)のみに使える剣技を除いた殆ど全ての騎士剣技を使用することができ、戦闘能力は極めて高い(ダグラス・カイエンとの手合にて、彼が手加減していた上にアトロポスが剣聖剣技であるはずの「飛燕剣」を使えることに虚を突かれたという要素があったとはいえ、彼から一本取っている)。
普通の人間にも純粋な戦闘兵器にもなりきれない自分の運命を、彼女は「呪い」として受け止めており、そんな宿命を自らに課した父バランシェに恨みを向けることになる。
作中での動向
星団暦2987年に成人した後、ファティマに対し異常な執着を見せていたトラン・バストーニュの悪徳領主ユーバー・バラダから逃れ、ボォス星カステポーで隠遁生活を送る。
カステポーのツァイハイでパルチザンの首領としてウースー共和国軍と戦うと共にミース・シルバーを育てた。
パルチザンに加勢したダグラス・カイエンと臨時のコンビを組んでMHシュペルター(GTMデムザンバラ)を駆ってウースー軍を敗走させた。
その後、自らをファティマとして扱ってくれたカイエンに感謝しつつ、正真正銘の人間であったらカイエンのいい奥さんになったと思うと言っている。
ツァイハイを去った後は、別の村の近くに小屋を立てて、村の子どもたちに勉強を教える等して生活していたが、星団暦2992年にレディオス・ソープ(アマテラス)と再会。ソープが連れてきたL.E.D.ドラゴンの幼生「すえぞう」が持つ「命の水」を巡る騒動に巻き込まれ、彼らを追ってきたシーブルの騎士アーレン・ブラフォードとそのパートナー・京らとMH(GTM)戦となる。
ブラフォードと京の駆るMHアパッチを、アトロポスは最強のMHオージェ・アルスキュル(GTMモルフォ・トリバネル)を自身で組んだファティマ代理プログラムで駆って迎え撃つが、最強クラスの騎士であるブラフォードの技量とアトロポスの姉たる京の能力によってアパッチはカタログスペックを遥かに上回る性能を持っていたため、死闘の末にオージェは顔面から殴り倒されて敗北。泣く泣くオージェを自爆させたアトロポスはソープとすえぞうを連れて逃走した。
最終的にシーブル軍がAKD軍に敗北して騒動が沈静化した後、ソープからすえぞうを託されたアトロポスは再び放浪の旅へ出る。
その際、遥かな未来の自分達の運命を幻視してしまった彼女は、すえぞうを育てる代償として自分が望んだ時に永遠の命を持つ自分を殺して欲しいとすえぞうに向かって口にする。
のちにアマテラスからA.K.D.ライム公爵家の籍と皇位継承権第17位を与えられ、女騎士「A-T・ライム伯爵」として、すえぞうと共に長きに渡る放浪生活を送る。
星団暦2995年、壊れファティマのバーシャと出会う。出会ってすぐに互いの正体を見抜いていたが、深く詮索することなく別れる。
ラキシスが星団暦3239年にナイト・オブ・ゴールド(GTM帝騎マグナパレス)と共に消息を絶った後、3952年にアマテラスの前に現れ、ジュノー侵攻にK.O.G.-AT(パトラクシェミラージュ)で参加。
星団暦4100年、デルタ・ベルン星での反A.K.D.軍との最終決戦で兄ユーパンドラと共にK.O.G.-ATで出撃するが、妹クローソーとコーラス26世の乗るMHエンゲージSR.4(GTMジ・エンドレス)と相打ちになる。
戦闘終結後、L.E.D.ドラゴンはカステポーでの願いを叶え、クローソーとアトロポスをデルタ・ベルン星ごと焼き払って消滅させるが、その魂と想いはL.E.D.によって吸い上げられ、永遠にジョーカー星団を見守ることになる。