「祝福しろ」
「結婚にはそれが必要だ」
原作における2人
原作において、ナルシソ・アナスイは空条徐倫と行動を共にするうち、彼女に一方的に好意を抱くようになり、徐倫を助けようと奔走する。必死にアプローチを仕掛けるも、鈍感なのか天然なのか徐倫には全く響かずアナスイに特別な感情を抱くこともなかった。
それでもめげずに、アナスイは物語の最終決戦直前、刑務所内で正当なルートで用意した指輪を寝ている徐倫の手の中に包み込んだ。だが、徐倫は目を覚ました時、その手に何を握っているかも確認しないまま、「今までの恨み」として近くのワニにその指輪を投げつけてしまう。アナスイは呆然としたのち、何が起こったかを認識して嘆いた(しかもこの指輪のエピソードは、ウェザー・リポート死亡後に行われている)。
そしてラスボス:プッチ神父との全生物、果てや宇宙の命運を賭けた最終決戦にて。アナスイは、なんと徐倫の父である空条承太郎に徐倫との結婚の許しを請う。あんまりにもあんまりな状況な上、(浮気されたとはいえ)人間2人をバラバラに「分解」して殺した殺人犯による唐突な発言に、流石の承太郎も「 …言ってる事が分からない…イカれてるのか?…この状況で 」と返した。
これらのことからアナスイを「祝福する」のは難しいのではと思われていたが……。
アナスイの捨て身の策と勇気を見た徐倫にもなにか思うところがあったのか。アナスイがエンポリオに「 脱獄してからオレは命だけはツイてる…… この勢いで生き残ったら…その時は…徐倫に結婚でも申し込むとするかなああ 」「 …とか言ったりして …ハハ 」と半ば自虐的に言った言葉に、徐倫は「 いいわ 」「 アナスイ……申し込んで…… 」と返した。この状況に「絶望」したからではなく、アナスイの考えに「希望」があるからと……。
ちなみにこのやりとりを傍で見ていた承太郎は言葉こそ発さなかったものの、非常に複雑そうな表情をしていた。
しかし最終的に、アナスイはエルメェスと承太郎と共にプッチ神父に殺害される。そして徐倫はエンポリオに「希望」を託して1人プッチに立ち向かい、散った。
2人の結婚はついぞ叶うことはなかった。
第6部最終話「ホワット・ア・ワンダフル・ワールド」
エンポリオがプッチ神父との決着をつけた後に辿り着いた「素晴らしい世界」にて、エンポリオの前に徐倫とそっくりの女性:アイリンとアナスイそっくりの男性:アナキスが現れる。
アイリンは「 これから父さんのところへ会いに行くのよ 」「 父さんさえ許してくれれば……結婚するかも 」と語った。
どうやら、「素晴らしい世界」では彼らの恋はめでたく成就したようである。
余談
アナスイは初登場時に女性として描かれていたため、pixivにおいては女性版アナスイと徐倫との百合カップリングも多く描かれている。
娘の結婚を認めたくない承太郎によってアナスイがしばかれる…というのも定番のネタとなっている。
「…言ってる事が分からない…イカれてるのか?…この状況で」」