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アンチヒーロー(テレビドラマ)

あんちひーろーてれびどらま

『アンチヒーロー』とは、2024年4月から6月まで日曜劇場で放送されたテレビドラマ。主演は長谷川博己。
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概要編集

『アンチヒーロー』とは2024年4月より放送されたテレビドラマである。主演は長谷川博己


有罪率99.9%といわれる日本の刑事裁判において、被疑者である証拠が完全に揃っていても無罪を獲得する弁護士の姿を描くオリジナルストーリー。


主題歌は、miletの「hanataba」。


2023年7月クールに同枠で放送されたドラマ『VIVANT』のキャストが多数出演する。

製作陣(主に脚本担当)も殆ど『VIVANT』スタッフが占めている。


登場人物編集

明墨法律事務所編集

本作の主人公。

明墨法律事務所所長。殺人犯の弁護を積極的に行っており、常に飄々とした態度で他人と接している。勝つためなら手段を選ばない悪徳弁護士としての一面が強い。その一方で、聴覚障害のある証人を利用する一方で彼を不当解雇した企業に対する訴訟を勧めるなど、必ずしも悪人と言い切れない部分もある。

実は元検察官であり、12年前の糸井一家殺人事件で志水に自白をさせていたことが判明。後に同僚だった百瀬の調査によって志水が冤罪であったことを知ると、死亡した彼女の意思を継ぎ、自身が犯した過ちを償うため、弁護士に転身して彼を無罪にするために汚職をしてでも弁護士として尽力していたことが判明した。

そして最終回にて、緋山が起こした事件の証拠隠滅罪で逮捕されたがその公判で自身の罪と糸井一家殺人事件の繋がりを使って、全ての元凶である伊達原に不正をしたことについて問い詰め、激しい舌戦を繰り広げる。

元々同期であった緑川の協力もあり、作り出した新たな証拠を使って伊達原の不正を暴き、自身諸共、道連れにする形で伊達原に法の鉄槌を下した。

これによって志水の冤罪は確定的なものとなり、志水が無事紗耶と再会するという、長年の悲願を達成した


本作のもう一人の主人公。

明墨法律事務所の弁護士。入所してから日が浅く、事務所内では雑用に近いことをやらされる新人。

最初は目的の為に犯罪者をも無罪にする明墨のやり方に疑問を抱いて彼に反発し、正義の在り方について葛藤することもあった。

以前勤めていた法律事務所で担当したある案件で依頼人である松永を十分に弁護することが出来なかった過去がある。

その思い込みの強さと実力不足を明墨からも指摘されており、「君がやっていることは犯罪者と変わらない。いや、法律に詳しい分余計にタチが悪い。」と酷評された。

しかし、その言葉を糧に事件捜査や裁判の経験を重ね、明墨の過去と真意を知ることで弁護士として着実に成長していく。

明墨の逮捕後は紫ノ宮らと共にその弁護を担当、伊達原の追及や供述にも毅然と反論する。更に、志水の再審請求を実現した。

そして物語最終盤にて、「アンチヒーロー」として明墨の弁護を続けることを誓い、不敵な笑みを浮かべるのだった…


本作のヒロイン。

明墨法律事務所の弁護士。寡黙な性格で同僚ともあまり話そうとしない。刑事訴訟に加えて集団食中毒の訴訟も受け持っている模様。

その性格から最初は新人の赤峰とは馬が合わなかったが、彼と共に弁護士の仕事を重ねていくことで彼の良き理解者となる。

父親の倉田を理想の人物としていたが、父親の不正に勘づいてしまい不信感が強くなり、次第に不仲となってしまった。

その後、逮捕された父親から真実を聞き出すために諦めずに面会を試み、ついに説得に成功した。

志水の事件解決後、父親の弁護人を担当しようとしたが、父親からは「娘に守られる父親派カッコ悪いだろ?」という理由で断られた。

行動力は刑事の父親の血を色濃く受け継いでおり、調査では学生に成りすまして大学の教授室まで踏み込んだり、大型バイクで追跡を行うなど大胆な行動に出ることも。


明墨法律事務所のパラリーガル。気さくで明るい性格。事務所に慣れていない赤峰のことを気にかけている。

しかし、後に伊達原のスパイだったことが物語終盤で判明。緋山が起こした羽木精工殺人事件の証拠を検察側に提出し、明墨が逮捕されるきっかけを作った…。

と思いきや、これも明墨による作戦であり、二重スパイであることが判明した。

彼の決死の覚悟を汲み取り、行動を起こす決心を固め、志水の釈放に大きく貢献した。


明墨法律事務所のパラリーガル。検証動画の編集や時には偽造書類の作成までこなす明墨の頼れる右腕。過去には弁護士を目指していたが司法試験に4回失敗したため諦めて営業職の道へ進んだ。今から5年前に明墨と再会し現在に至るという経歴を持つ。なお桃瀬は大学時代の後輩に当たる。

妻と娘がおり、妻は弁護士を務めている事が最終回で明かされた。

 

  • ミル(演:ライズ)

明墨の愛犬。ゴールデン・レトリバー



東京地方検察庁編集

本作のメインヴィラン。

検事正。12年前は千葉地検に在籍、糸井一家殺人事件をはじめ数ある事件で陣頭指揮を執り、その功績で若くして東京地検検事正に栄転した。

糸井一家殺人事件で証拠を隠蔽して無罪の志水に罪を被せ、明墨と志水の人生を狂わせた張本人。

検察官としては真っ当とは言えない腹に一物を抱えた一面を持っている。

また、自身の邪魔をする者には、非常に苛烈で手段を選ばず、自身が倉田と共に隠蔽した12年前の事件の核心となる映像を明墨を出し抜いて入手した後に高笑いを上げながら冤罪の証拠となるDVDをプレーヤー諸共破壊するという、狂気的な一面を見せつけた

その後、桃瀬の日記を手に入れた明墨らの調査や倉田の回想によって伊達原が自身の判断が間違いであったことを隠し、自身や身内の保身と地位や名誉のために無実の志水に罪を着せていたということが真相であった。

そして白木が提供した証拠によって明墨を逮捕させることに成功。

全てを終わらせるべく彼の公判で遂に自ら法廷に立ち、明墨の公判にて意気揚々と彼の証拠隠滅罪について追及する。

その過程で糸井一家殺人事件に関する証拠を提示した際、自身の不正について逆に追求されるも、持ち前の論力で疑惑を撤回させようと明墨と激しい舌戦を繰り広げ、新たな証拠を提示されたことで危機感を覚え、次の公判前に新たな証拠をも抹消する。

しかし、それは明墨の作戦によって作られた偽物であり、部下の緑川が最初から同期の桃瀬の意志を共に継いだ明墨との協力関係にあった人間だった事が判明。

緑川によって自身が証拠を抜き出す瞬間を映像に収められ、そのまま起訴。

志水という1人の罪なき人間の人生を狂わせた1人として、明墨に道連れにされる形で彼と共に牢獄送りになるという因果応報の末路を迎えた。だが本人は明墨の雄弁を「傑作」と嘲笑しており、全く懲りていない様子だった。

秋田の寒村の出身で本人曰く三流大学卒。本人はこれを強くコンプレックスに思っており、その事が異常な上昇思考が形成していった。家族は妻と受験を控えた一人娘がおり、上記の隠蔽行為に走ったのも高齢でやっとの思いで授かった娘との生活を守るためであったが、志水親子が本来共に過ごせたであろう12年の歳月を犠牲にしたものに過ぎないと明墨に糾弾された。

趣味は鉄道模型で自宅の書斎は巨大なジオラマが部屋の半分以上を占めている。


検察官。明墨、桃瀬の同期。彼の弁護士としての実力を認めながらも、思想や行動には賛同しておらずライバル視している。

上司・伊達原の言動を次第に懐疑的に見るようになっている様子が見られる…。

と思われていたが、実は元々同期であった明墨側の人間。同じく同期であった桃瀬が追求していた疑惑を「噂程度」として信用はしていなかったが、彼女の死後彼女の想いを明墨と共に受け継ぐ。伊達原を打倒し、志水の冤罪を晴らすことを目指して内側から探りを入れることを決心していたのだった。


検察官。伊達原の忠実な部下として彼の命令に従い、明墨の動向を監視している。


千葉県警編集

刑事部長で紫ノ宮の父親。典型的な仕事人間であり、仕事に邁進しすぎたせいで妻と不和になり離婚。その後も紫ノ宮が弁護士になることについて相談するなど仲自体は良好だった。しかし、娘の大学卒業の日、玄関前で明墨と口論している姿を目撃されてしまい、明墨の発言から娘は父が隠蔽に加担しているのではないかと疑い、信用できなくなったことで連絡を拒絶されていた。

その後、伊達原にいいように利用された挙句、自身の隠蔽及び不正が明らかになったことで逮捕された。

逮捕後、嘗て掛けられた伊達原の脅しの言葉を恐れて黙秘を続けていたが、娘の懸命の説得と明墨の喝によりついに口を開き、毒物の鑑定結果改竄を認めた。

その後、伊達原の公判で証人として出廷し、志水の釈放に貢献した。


関係者編集

本作のキーパーソン。

2012年3月の糸井一家殺人事件の犯人とされた死刑囚。同僚の糸井と共謀して会社のカネを横領し、その仲間割れで一家を硫酸タリウムによって毒死させたとされている。

しかし、本人は一貫して無罪を主張しており、明墨は彼の無実の罪を晴らすため奮闘する。

その後、明墨達の調査により糸井一家殺人事件で使用されたのはタリウムではなくボツリヌス菌であることが発覚。

そこから、伊達原の策略によって志水逮捕のために鑑定結果を捻じ曲げて書き換えさせたということが判明した

そして最終回、明墨達が伊達原の不正を暴いて再審請求が通ったことで、遂に釈放。

念願であった娘と久方ぶりの再会を果たしたのだった。


女子高校生。明墨とは何らかの関係であり、養護施設で犬の世話をしながら子供たちと暮らしている。

実は残された志水の一人娘であり、母親も他界したことで施設に引き取られていた。明墨や施設の人々などには心を開いているが、過去のトラウマから見知らぬ他人を極度に恐れており、厚意を受けてもそそくさと逃げ出してしまう。

父の代わりとして接していた明墨が父に自白をさせた張本人であることを知り、彼から謝罪を受け、父の無罪が晴れるその日を待ち侘びている。

その後、再審請求が通ったことで遂に父親との再会を果たした。


羽木精工の従業員。シングルマザーの母親と2人で暮らしていた。就職活動に失敗したと母親に言えずダークウェブの管理など犯罪に手を染めてしまう。その後、町工場に就職するも上司の羽木朝雄との関係が悪化し、彼を殺害した容疑で起訴されたが無罪となる。その後、ダークウェブ上に残されていた盗撮動画の回収とその胴元である江越の捜索を目的に明墨の協力者となる。

無罪判決後、羽木を殺害した際に返り血がついたジャンパーを産廃処理場で処分したが、赤峰により回収されたことで事件解決後に出頭することを約束した。その後、明墨逮捕を受け、証人として出廷。自ら罪を犯したことを認め罪を償うと宣言し、再び牢獄へ戻ることとなった。


東京高等裁判所刑事部の裁判官。赤峰が弁護を担当した渋谷区路上傷害事件で有罪となった際判決を下した裁判長。

ゆくゆくは最高裁判所判事にと目されている人物。同時に、児童養護施設にてボランティアや寄付も行っている。

しかし、明墨が富田を使って自身の不正を露呈したことで弾劾裁判へとかけられ明墨に報いを受けさせられる。

そして協力関係の伊達原にも切り捨てられ、全てを失うという因果応報の末路を迎えた。

その後の弾劾裁判では黙秘を続けており、身を隠してひっそりと生活していたが明墨から伊達原打倒のために証言するように頼まれた。

その後、糸井一家殺人事件の真実究明を記者会見で嘆願し、志水の釈放に貢献した。


コンビニ「エフマート」店員。かつて赤峰が弁護を担当した渋谷区路上傷害事件で有罪となった。しかし実際の犯人は政治家の息子の富田正一郎で、買収された目撃者たちの証言により松永の犯行とされたのだった。

その後、瀬古の不正が暴かれたことで再審が行われ、無罪判決が言い渡された。


表の顔は東大卒のウインダムシステムに勤務するエリートサラリーマンだが、投資詐欺など裏稼業に手を染めている人物。かつて緋山に盗撮を依頼しており、その動画に志水の糸井一家殺人事件時のアリバイを証明する姿が映っていた。

その後、緑川の取調べによりあっさりと自供。彼もまた起訴され牢獄行きとなった。


NPO法人保護犬の里「わんはっぴー」職員。明墨の検察時代の同僚。志水が冤罪ではないかと気づき一人で調査を続けていた。しかし、重度の病を患い、明墨に手紙と調査ファイルを託して、2018年に志半ばでこの世を去る。

その後、彼女の日記は実家に返され、母親の許可を得て赤峰経由で明墨の元へ渡された。

実は緑川も同期であり、彼女もその遺志を継いで事件の調査を行っていた


余談編集

何故か名字に「色」に関する漢字がある登場人物が多く、明墨法律事務所のメンバーは全員該当する。その他にも緋山や緑川もこれに該当する。緋山は上述の通り明墨の協力者となっていることから、緑川に関して視聴者から「裏切るのでは?」といった考察が行われていたが、その予想は見事に的中した

また、同様の理由から、伊達原に寝返った白木についても「実は明墨の指示では?」とする意見もあったがこちらも見事に的中した。


シン・ゴジラ』では明墨役の長谷川氏がゴジラと戦う巨災対のリーダー・矢口蘭堂役を務め、伊達原を演じる野村氏がゴジラのモーションキャプチャを務めており、奇しくも2度目の対決を迎える形となった。




関連タグ編集

日曜劇場


99.9-刑事専門弁護士-:同枠で放送されていたドラマ。テーマも類似しており、実際に明墨が同作を意識した台詞を語っている。


不適切にもほどがある!:瀬古がとある場面でこの台詞を口走っている。


袴田事件飯塚事件:実際に冤罪が疑われている事件。どちらもドラマ放送時期に両事件に関するニュースが報道されたこともあって視聴者から注目を集めていた。後者は再審請求棄却となったものの、前者は本作と同じく再審で見事逆転無罪を勝ち取った。




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