概要
1948年に設立されたイスラエルの国営航空会社。正式名称は『エル・アル イスラエル航空』である。拠点空港は首都のあるエルサレムではなく、多くの大使館が置かれるテルアビブにあるベン・グリオン国際空港となっている。
イスラエル建国の経緯から、エル・アル航空も政治に密接にかかわっており、政治的混乱にさらされる各地のユダヤ人を、ユダヤ人にとっての安全圏であるイスラエル本国に出来る限り速やかに退避移送したり、ナチス残党をイスラエルで裁くために(一番有名なのはアイヒマンの逮捕連行)極秘裏に連行する役割も担う。
イスラエルがその建国経緯から周辺国が全て敵対国であることに加え、エル・アル航空のこういったことから当初から日本赤軍などによるハイジャックやテロの標的にされ続けた。その為世界でも最も厳重なセキュリティが敷かれ、チェックインに4時間かかる。また、機内にも私服警備員がおり、空軍出身者が運航を行い、外部からの攻撃にも対応できるような最新鋭の装置を常に加え続けた。
この厳重なシステムは、機体の安全性の向上にも一役買って、ハイジャックやテロではない会社に起因する墜落事故はこれまで貨物便に1件のみであり、「世界一安全な航空会社」とも言われる。
日本への乗り入れ
過去に関西国際空港等にチャーター便としての実績はあるものの、定期路線のネットワークには含まれていなかった。当初は2020年3月11日に週3便にて成田国際空港へ乗り入れるはずであったが、その直前にCOVID-19が世界的に大流行した事もあり、イスラエル政府から過去14日以内に日本や韓国に滞在歴のある外国人の入国を禁止してしまった事で運航の実現はされていなかったが、2023年3月から改めて就航している。ただし2023年10月末から2024年3月初旬までは運行を断念している。
主な機材
使用機材は同盟国でもあるアメリカとの関係もあって、ボーイング(旧マクドネル・ダグラスも含む)製の旅客機に統一されている。
現在の使用機材
ボーイング737(-800及び-900ER)
ボーイング787(-8及び-9)
過去に使用された機材
など