概要
学名はHexanchus griseus、英名はBluntnose sixgill shark。
他の多くのサメと違い、鰓孔の数は6対という原始的な特徴を持つ。鰓孔が6対あるサメは本種以外に同属のシロカグラほか1種類、ラブカ科の2種類、ムツエラノコギリザメ属に分類される3種類と計7種類のみ。
背鰭も他の多くのサメと違い、一つしかない。この特徴を持ち合わせるサメは他に、カグラザメ目の6種類、トラザメの仲間、ペンタンクスのみ。
全長は最大5m程、体重は最大500kgとサメの中でも大きな部類。
分布
太平洋、大西洋、インド洋の熱帯から冷帯域にかけて、各所から見つかっているため、世界中の大陸棚に広く分布していると考えられている。
日本では太平洋側に多く、ごくまれに日本海側の深海でも捕まることがある。
生態
昼間は水深200mより深い海に生息し、夜間は水深30m程の浅い海に上がってくる。
食性はヤツメウナギなどの無顎類、大型の硬骨魚類、軟骨魚類、海棲哺乳類、イカやカニなどの無脊椎動物など。
生活の場の多くが深海であるため、未だに解明できないところが多い。
NHKが2013年に放送したNHKスペシャル、「謎の深海サメ王国」では投下されたマッコウクジラの死体の周りを長期間にわたり巡回するなど、クジラの周りを自身の縄張りにするような行動が見られた。
生殖方法は卵黄依存型の胎生で、最大100匹近い数の仔を産む。
出産場所は深海ではなく、浅い海で行うとされている。
人との関わり
昼間は深海にいるので、漁獲されることは少ない。
肉は食用になり、某伝説を残す番組では某世界のお祭りをまたにかける芸人が鉄板焼きにして食べるなどしている。
アザラシやアシカといった大きな海洋哺乳類を餌にし、5mまで成長することから、大型の個体は人にとって充分危険なサメになりうる。しかし、昼間は深海に住んでいるため人と遭遇することは非常に稀なので、過度に心配する必要はない。
飼育は難しく、過去にいくつかの水族館で飼育が試みられたが、最長でも3週間ほどで死亡している。
見分け方
大きなサメで、背鰭が一つ、鰓孔が6対と非常に特徴的な形態のため見間違うことは少ないと思われる。
同属のシロカグラは本種とよく似ているが、成魚でも2m程度と小型であることのほか、背鰭の後ろから尾鰭にかけての長さが本種と比べて長いことが特徴で、一目で見分ける事が出来る。