概要
アクションRPG『聖剣伝説』シリーズに登場する、女吸血鬼のモンスター。
詳細は登場タイトルごとに解説する。
登場タイトル
聖剣伝説3(1995年)
シリーズ初登場。月読みの塔に出現する。
同作での特性は闇属性・アンデッド系。
当時のグラフィックはドット絵。
青色で統一されたノースリーブ形状のレオタード・アームカバー・蝙蝠マント・ブーツを身に付けている。マントとブーツの裏地や折り返し部分は赤色。
固有技は投げキッスモーションによる攻撃「ドレインキス」。
および、上体を反らすセクシーポーズで対象単体(男女問わず)の最大HPを一時的に下げる「うっふんプリプリ」。
後者は非常に厄介な技であり、これを受けたあとにお供モンスター・ブラッディウルフの全体攻撃を喰らってパーティ壊滅…という流れは多くのプレイヤーが経験したトラウマである。
プレイヤーにトラウマを植え付ける一方で、女性型モンスターとして洗練されたデザインや、各種モーションからセクシーポーズまで豊富にアニメーションするグラフィックは、プレイヤーに強烈な印象を残し、彼女が一介のモンスターながらも一定の人気を博す一因となった。
のちのダンジョンでは、色違いの上位種「カーミラクイーン」が登場する。
リメイク版については後述。
聖剣伝説 LEGEND OF MANA(1999年)
『3』と同じ容姿で登場。
ハードが移行し高解像度となったことで、ドット絵が新たに描き直され、モーションも増えている。
出現場所は、奈落・ミンダス遺跡・レイリスの塔・煌めきの都市。
爪での攻撃や、髪をかき上げる動作から周囲にハートを飛ばして当たった相手を混乱(移動キーを反転)させる固有技「うっふん」を使う。
闇・風属性に耐性を持ち、光・土属性が弱点。
モンスター図鑑では、吸血種族の亜人種と解説されている。
また本作では敵キャラとしての登場だけでなく、「フィーグ雪原の闇のマナレベルを3にする」という条件を満たすことで「ライア」という固有名をもつカーミラをペットモンスターとして仲間に加えることができる。
ペットにはエサを与えることで性格が付与され、戦闘での行動が変化する。
「親密+寂しがり」を付けて主人公に寄り添わせるなり、「熱血」を付けて近接戦闘要員として活躍させるなり、「怠惰」を付けて固有のお化粧モーションを眺めるなりと、プレイヤーの趣向を反映させることも可能。
カーミラと共に冒険を楽しめるとあって、『3』で彼女に心奪われたプレイヤーにとっては待望のタイトルとなった。
2021年6月24日には同作のHDリマスター版がリリースされた。
聖剣伝説 RISE of MANA(2014年)
カーミラクイーンと共に登場。
3Dグラフィック作品となったことに伴いデザインが一新。レオタードからタイトなドレスになっている。また、カーミラクイーンとは色違いではなく、衣装の明確な差別化がなされた。
(イラスト内右下が同作でのカーミラ、左下がカーミラクイーン)
本作でも支援キャラ「魔ペット」として連れ歩くことが出来る。
降臨クエスト上級のレアドロップでSR魔ペット・カーミラを入手でき、進化させることでSR+魔ペット・カーミラクイーンとなる。
なお本作は2016年3月31日にサービスを終了しているため、現在その姿を実機で確認することはできないが、当時のニュースサイトの記事に画像が残っている。
外部リンク:電撃オンラインによるイベント告知記事 (2014/07/03)
聖剣伝説3 TRIALS of MANA(2020年)
『3』のフルリメイクタイトルである同作では、『3』のデザインそのままに3Dモデリングされた。
「うっふんプリプリ」のモーションも忠実に再現されているほか、待機中には手鏡を取り出して眺めるモーションが追加されている。
(推測ではあるが、手鏡モーションは『LOM』の化粧モーションがモチーフと思われる。)
戦闘においては、「ドレインキス」の性能が名前の通りダメージ+HP吸収に変更された。
また、撃破時にはホラーチックな悲鳴を上げる。
カーミラクイーンも改めて『3』準拠の色違いの容姿となった。
ちなみに、レオタードの背面はこれまでマントに隠れていてその形状が不明だったが、本作での3D化によって背中が開いたホルターネック形状であることが25年越しに判明した。
聖剣伝説 VISIONS of MANA(2024年)
シリーズ完全新作となる同作では、『3』からのデザインを踏襲しつつ、衣装がアレンジされている。
レオタードから同系色のビキニアーマーのような形状となり、ブーツもレッグカバー状の防具に変更された。
外部リンク:ゲームニュースサイト『GAME Watch』による開発中のゲーム画面
海外名
他言語版でのキャラクター名はCarmillaではなく、異なる名に変更されている。
当時『3』のSNES版はリリースされなかったため、海外では『LOM』が初登場となる。
『LOM』での名称は「Succubus」(サキュバス)。ペットになるSuccubusの固有名は「Elysia」(エリシア)。
ちなみにElysiaとはラテン系の女性名で、ギリシャ神話における地名のエリュシオン(ラテン語でElysium)に由来する。
その後、2017年に『聖剣伝説コレクション』が海外でも『Collection of Mana』のタイトルでリリースされたことで、ここで初めてオリジナル版の『3』が海外ローカライズされた。カーミラは「Succube」、カーミラクイーンは「Queen Succube」という名称になっている。ちなみにSuccubeはサキュバスのイタリア語・フランス語での女性複数形。イタリア語読みはスックべ、フランス語読みはスクブ/スキュブ。
なお、うっふんプリプリは「tehehe, pffpfft」と表記されている。近い口語を当てはめたと思われ、あえて再翻訳するなら「うふふ、フフン」などといった意味。
『3ToM』でもキャラ名は『3』と同じく「Succube」「Queen Succube」だが、うっふんプリプリは「Beguiling Bait」に変更された。Beguilingは「魅惑的な」、Baitは「誘惑」「釣り餌」の意味。