概要
1988年に宗谷本線系統の急行列車の気動車化を目的に、キハ40系を改造した車両。
キハ40系が種車に選ばれたのは、それまで急行列車に使われていたキハ56系よりも経年が浅かったためである。
エンジンと変速機の換装と冷房の設置、車内のアコモデーションを中心に改造された。窓割りは種車のままのため、眺望に難のある席があったのは改造車のほぼお約束みたいなものである。
エンジンはキハ183系550番台と同等の330psのものとし、変速機はJR東海のキハ85系やJR東日本のキハ100系と同等品を使用している。
両運転台のキハ400形と片運転台のキハ480形が存在した。冷房化に際し、電源はキハ400の床上に機器室を設けてそこに発電機を置いている。機器室の反対側はトイレと洗面所が設けられたため、窓のない区画がある。キハ480の種車にはトイレのない車両が使われたが、304だけはトイレ付きの車両を種車にしている。こちらもトイレは撤去されて客室とされたが、水タンクなどはそのままだった。
なお、キハ480形は冷房用の電源を搭載していないため、単独では冷房が使用出来なかった。また、後年の自動販売機の設置で定員数が減っている。
運用
当初は急行「宗谷」「天北」に使用されていたが、1989年に天北線が廃止されると、宗谷本線に新設された急行「利尻」と「サロベツ」での運用が開始された。なお、このときキハ400に提示されていたロゴマークも変更されている。一時期は間合い運用で千歳線の急行「ちとせ」にも使用されていた。
この時期の運用の特色は、キハ400のみならず「利尻」用にスハネフ14形寝台車に連結改造を施した車両や、後年の改造でお座敷車両に再改造した車両(500番台)、その補充用としてキハ183系を改造した車両、といった、数は多くないながらバラエティーに富んだ編成を組んでいたことが上げられる。
元々1両あたりの定員も少なかった状態だった上、500番台への改造で更に予備も少なくなったことから、増結にはキハ56系(原形車・非冷房)やキハ54形などが使われることも多かったが、ハイシーズンには先述のお座敷改造車やキハ56系カーペットカーも動員され、中には苗穂への送り込みを兼ねてキハ150(富良野線色)やキハ40一般型(非冷房)がぶら下がっているケースもあり、旧型客車列車も真っ青のチンドコ編成を披露することもすくなくなかった。
その後、2000年に宗谷本線の高速化が完了したたため特急へ格上げされ余剰になり、札沼線(学園都市線)用に再改造され、それぞれキハ40形330番台、キハ48形1330番台となり、座席は711系から転用したロングシートとなった。
同時に冷房装置も同線で運用されていた300番台と共通化されたため、それぞれ単独で冷房が使用できるようになった。
キハ480-304だけは転用されず苗穂工場で長期間放置プレイされていたが、2006年に解体された。
末期はお座敷車両に改造された車両のみが残ってたが、2016年までに全車が廃車されてしまい、消滅した。
北の復刻40リクエスト
JR北海道が2020年に発売した「北の40 記念入場券」の発売に伴い行われたアンケートキャンペーンの「北の復刻40リクエスト」により、投票で「キハ400 宗谷線急行気動車風」が選ばれた。
これにより、旭川運転所所属のキハ40 1747にこの塗装が施された。
現役時代とは細かい見た目や内装は異なるが雰囲気は十分にでており、リバイバルとしては高いレベルである。
また、2024年の臨時列車「花たびそうや」では同車が運用指定されており、観光目的でも使用されている。