概要
1998年に月刊ニュータイプで掲載されていた吉崎観音原作の読み切り漫画。
正式名称は『SOLDIER FROG ケロロぐんそー』。
「ケロロ軍曹」のモデルになった漫画であり、一部設定が本編と異なる。
ケロロ軍曹の26巻にも特別付録として収録されている。
登場人物
日向家に住む発育盛りの小学6年生。今まで実物のオタマジャクシを見たことがなかったらしい。
- ケロロ軍曹
宇宙船が墜落し、夏美の祖母に拾われた謎の生物。
- マリコ
ゲームマニアの夏美の友達。苗字は不明。
ストーリー
夏休みの宿題である「かえるの成長記録」のために、田舎から送ってもらった「謎のおたまじゃくし」はケロロぐんそーに成長した。ケロロぐんそーは実は宇宙人で行き倒れの所を助けられたのである。彼の星のおきて「命の恩人には"テガラ"で返す」を実践しようとするが、実は彼もまた夏休みの宿題で「地球人の観察記録」を付けに来ていたのだった。 (wikipedia より引用)
「ケロロ軍曹」との関係性
前述の通り、本編である「ケロロ軍曹」とは異なる…
とされていたが……
(この先、ネタバレ注意!)
『ケロロ軍曹』の原作第226話で、本作の第0話であることが明かされた。
上記の『ケロロ軍曹』というキャラクターは実は"バトラコス"という「DNAをコピーし地球生物カエルに擬装したケロン軍の偵察兵器」であり、あのケロロ本人ではないことが判明。何体か同じものがたくさんいるらしく(全部で何体いるのかは不明だが…)、読み切り版でのケロロはその内の4号。
「現在の日向家と読み切り版の日向家は別である」という設定が追加され、夏美と秋がその家から現在の日向家に引っ越しをし、冬樹が祖母である秋奈の家から日向家へ向かうということになっている。
読み切り版のキャラである「マリコ」もこの回で初登場を果したが、夏美が転校したことにより、登場はこの回のみとなった。
バトラコス4号は、夏美・マリコの居候・観察していた記憶を削除し、行方不明になっていたが、232話にて現代の日向家付近で発見され、ケロン星に帰還した。
なお、行方不明とされているバトラコスが「4号」を含めて合計3体いるらしく、アニメでも登場したヤマトの友達である「カプ〜」は、残りの行方不明である126号、もう一つ行方不明の11号は「マコト」という地球人の家に居候しているかのような描写が描かれている。
ちなみに、同じ前日譚である『ケロ0』とはほぼ同時系列と思われる(厳密にはどこまでが同時系列なのかは不明。時間軸を見る限りだと最低でも226話はケロ0より後の出来事であることが考えられる)。
余談
実はこの物語が『ケロロ軍曹』の第0話だったことは以前からきちんと設定されていた。公式ガイドブックである11.5巻の吉崎先生の創作メモにもケロロの名前欄にきちんと「バトラコス」と書かれており、ストーリーの説明欄にも「実は彼も地球人の観察をするために地球にやって来た」と記述されている。つまりケロロことバトラコスの設定自体も元々考えられてはいたのである。
ただし夏美の弟である冬樹の設定は元々存在していなかったため、夏美の設定が読み切り版と本編とでは一部異なる部分がある(読み切り版での夏美の年齢は小学6年生だったが、本編である原作226話では5年生に修正されている等)。
後に作者の意向で男の子となる冬樹が作られ、同時に夏美から一部設定とパートナー設定が冬樹へと引き継がれたこと(冬樹が小学6年生設定なのもこの影響)で今の夏美が定着し、本編である226話でその矛盾を埋めるために新しい設定を作ったというわけである。
カプ〜の設定も元からあったのかは不明だが、マコトという少年の方の設定は後付けではない様子である。彼が本格的に本編へ登場する日は来るのだろうか…?
別の初期設定
また、この読み切り版とは別に、現在のパートナーと異なるキャラクターの初期設定も存在している。
これらから見ると、企画段階でのケロロ軍曹は「5人の美少女とマスコットキャラクターの物語」として構想されていたことが分かる。
- 大和 准(やまと じゅん)
日の丸女子中学校に通う中学生。スポーツ好きで、ハンドボール部に所属している。普通の女の子だが、結構疑り深い。
キャラクターデザインは、原作での日向夏美とほぼ同じ。
准のパートナー。名前・口調・容姿共に原作のケロロ軍曹と変化はない。
- 矢矧 千夏(やはぎ ちなつ)
准のライバル。キャラクターデザインは、アニメオリジナルキャラである、芋碁理恵によく似ている(こちらでも夏美の宿命のライバルという設定だった)。
- ケケロ伍長
千夏のパートナーで、ギロロ伍長の元になったと思われるキャラ。「帽子が迷彩模様」「帽子のマークがドクロではなく星」「左目だけではなく腹部にも大きな傷がある」「『…だぜよ。』と土佐弁の口調で話す」と言った差異がある。また、他のラフではもっと悪そうな顔つきになっている。
- 浜風 春菜(はまかぜ はるな)
寝癖風の髪型にメガネをかけたおたく少女。漫画、ゲーム、無線など多趣味である。
- ロロロ曹長
春菜のパートナーで、クルル曹長の元になったと思われるキャラ。「マークが無い」「ヘッドフォンにマイクが付いている」「口調が『…どうぞ』」以外は特に変化はない。
- 雪風 冬美(ゆきかぜ ふゆみ)
走り屋のボスのお姉さん。グラマラスでライダースーツを着ており、セクシーな雰囲気を醸し出している。
- ロロケ二等
冬美のパートナーで、タママ二等兵の元になったと思われるキャラ。「帽子がピンク色」「尻尾がやや大ぶり」なことを除けば特に変化はない。
- 朝霧 秋江(あさぎり あきえ)
和服を着て簪を頭に付け、下駄を履いている大和撫子風な女性。キャラクターデザインはお観世(幽霊ちゃん)と似ているが、説明がないため詳しい設定は不明。
- ロケケ兵長
秋江のパートナーで、ドロロ兵長の元になったと思われるキャラ。「帽子がケロロたちのものと同じ」「ガスマスクを装着している」「ウェットスーツのような服を着用」といった差異があり、どちらかと言えばゼロロ時代の容貌に近い。