概要
寺沢武一の漫画『COBRA』の主人公・コブラが左腕の義手の下に装備している、銃の形をした強力なエネルギーを放つ武器。
作中に登場する光線銃や熱線銃とは一線を画した武器で、コブラ自身の精神力をエネルギーとして撃つ。(ただし基本的な性質は光線銃のそれに準ずる)
整形する前から海賊コブラの代名詞にもなっている武器であり、整形した彼がそれをさらけ出すことで、相手がその正体に気付くという演出が定番になっている。
ちなみに作中、彼と同様に腕に銃を搭載した人物が何人か登場しているが、いずれも普通の光線銃か熱線銃だった。サイコガンはコブラだけが持ち、コブラだけが使いこなせる、宇宙で唯一無二の武器なのである。
主な特徴
- 精神力がエネルギーなので、持ち主(コブラ)が生きている限り弾切れしないし、発射されるまでは物理的なエネルギーとして対応出来ない。
- その威力は銃に込める精神力に左右され、小惑星を破壊可能なレベルから、相手を気絶させる程度まで抑える事もできる。もっとも、コブラの台詞から察するに、普段でもセーブしているらしい。怒りでパワーを制御せずに撃った際には、冷静な時の急所を貫く程度の威力とはかけ離れ、一瞬にして全身が消滅するほどの威力を見せた。
- 銃身がどちらに向いていても、標的目がけて誘導兵器の様にホーミングするので、途中に障害物があったり後方に居ても必ず命中する。
- 相手を撃つ意思を持った時点で発射されるので、常識外れの早撃ちが可能。
- 対峙した相手の気配を読めば、暗がりだろうと遠距離だろうとお構いなしに命中させられる。極端な話、「目を瞑って撃っても」必ず当たる。”精神力”の塊であるが故の特性である。
などというチート極まりない性能である。作中でも個人が使用する兵器としては最強クラスの逸品である。
義手との併用技
普段は専用の左前腕を模した義手をサイコガンの上から装着して隠している。
義手を抜くことで縮んでいた銃身が伸び、おなじみのサイコガンの姿となる。
この義手を差し込んだまま発射すると、義手をロケットパンチのように撃ち出すことが可能。
光線の効かないクリスタルボーイに対する最後の手段として使用しているほか、再生能力を持つ強敵ブラックソード・ゼロの心臓を抜き取って機能を停止させる決め手にもなった。
ただし、普段の様に奥まで差し込んだ状態で発射すると、サイコエネルギーが義手を撃ち抜いてしまう。
サイコガン自体は取り外すことが可能で、サイコガン無しでも義手は使用可能である。
この義手も単なる義手ではなく、付けている間は体温も感じるし、傷が付けば血も流れ痛覚もある。
リストバンド部分は、通信機やライトなどが内蔵された多機能デバイスとなっており緊急時の移動用にフック付きのワイヤーを射出する事も出来る。
手放してもオートでコブラの元に戻ってくる機能もあり、コブラが気を失ってもこの機能で自動的に装着される。
偽装機能も付いており、通常のレントゲン撮影などでは普通の左腕としか認識出来ない。
弱点
- 使い慣れていない者にはただの光線銃、もしくはそれ以下の性能しか発揮できない。
奴隷商人ジゴバがコブラの腕を分析し、同じ部品を集めて複製品を大量生産したが、使用者がその特性を理解していなかった事もあり、オリジナルの足下にも及ばなかった。
常人以上にタフな精神力を持つコブラだからこそ扱える代物であるらしい。
- 耐久性も折り紙付きだが、それでも限界はある。
武器である以上、使用できるのは10年前後が限度らしい。
劇中では一度、限界を迎えて自壊してしまったことがある。製作した日本の職人を訪ねて、二代目の(そして最後の)サイコガンを受け取っている。
- 無限に撃てるわけではない。
コブラの驚異的精神力があたかもその様に見せているが、その精神力が限界に近づいてピンチに陥った事もある。
- エネルギー兵器対策をしている相手には通じない
上記の通り、発射された後は基本的にエネルギー兵器と同じ性質を持つため、そこを理解して対策を施している相手には通用しなかったケースが少なからずある。
クリスタルボーイ→特殊偏光ガラスのボディでレーザーを素通りさせる
ターベージ→周囲を回るエネルギー反射衛星で跳ね返す
アイアンヘッド→エネルギーを反射する盾を持つ
サボイラー→全身から放出する熱エネルギーでサイコエネルギーを相殺
ゾロス→エネルギーを吸収・無効化する包帯で全身を包んでいる
魔女ゾラ→元々が生体エネルギー兵器で、サイコガンで撃ってもすぐに再構成してしまう
ブラック・ソード・ゼロ→サイコガンは通用するが、強力な再生能力ですぐに傷が塞がる
人間型以外では、全面300mmのメタライト装甲を持つキングダム重戦車が、サイコガンの直撃を跳ね返している。ただし基本的にはどれも「光線兵器対策の延長」(もしくは単純に防御力や再生能力が高い)であり「サイコガン専用の対策」を行った物は無い。
もっとも、このような「通じない相手」をいかに倒すかが見せ場の一つでもある。
コブラはサイドアームとして実弾火器コルト・パイソン77マグナムを愛用している為、並の相手ならこちらを使って片付けてしまうことも多い。
製作者
自分が死ぬ前にサイコガンをもう一挺制作してくれていた親切な人であり、コブラとも友誼があったようだ。
なお、現在のサイコガンは二代目であり、このサイコガンは鉄心の遺作であり、その孫のゆう子の形見でもある。
おそらく今後サイコガンに限界が来た時は、この二代目を修理して使い続けるだろう。
コピーサイコガン
ジゴバが製作したサイコガンの複製品。こちらは精神力を送るヘッドセットをケーブルで接続した手持ち銃となっているが、性能自体はオリジナルと同等である模様。
上述の通り、特性を理解している者がいなかった故にオリジナルには敵わなかった。
pixivでは
サイコガンを構えるコブラのイラストの他に、他作品の類似武器(前腕装着や前腕変形式の銃など)にこのタグが付けられることがある。