曖昧さ回避
- じん(自然の敵P)の『カゲロウプロジェクト』に登場するキャラクター。→如月シンタロー
- 柴田亜美の漫画『南国少年パプワくん』およびその続編『PAPUWA』登場人物のひとり。本項で解説
- 漫画『自由人HERO』登場人物のひとり。「パーパ」の本名。
- 森本慎太郎の『ザ!鉄腕!DASH!!』における愛称。
概要
本作シリーズにおけるもう一人の主人公。
世界最強の殺し屋軍団である「ガンマ団」の総帥マジックの息子(長男)であると同時に組織No.1の殺し屋でもある。しかし、とある経緯からガンマ団に嫌気が差し、マジックの所有する「青の秘石」を奪い脱走(あくまで「金になりそう」という理由で持ち出しており、この頃は秘石本来の価値について気付いてはいなかった)。
その途中でボートが転覆し、奇妙な生物(ナマモノ)たちが暮らすパプワ島に流れ着く。
その場に居合わせた、島で唯一の人間の少年・パプワとその愛犬・チャッピーに秘石を取り上げられてしまい、奪い返そうにも全く歯が立たず返り討ちにされてしまう。
以降は、彼の友達(というか主夫もしくは召使い)として同居することになり、パプワに小姑の如くいびられる日々を送りつつ秘石を奪い返すタイミングを図るが、島での長い生活と島民たちとの交流を重ねる内に次第にその荒んだ性格は穏やかに変化していく。
家族構成
家族には、前述のガンマ団総帥である父・マジックの他に、歳の離れた幼い弟のコタローがいる。
コタローのことを非常に溺愛しており、そのノロケっぷりから周囲からは「ブラコン」と呼ばれることもしばしば。島での生活の間も、コタローのことを思い出しては妄想にふけることもあった。
一方で、自身を「シンちゃん」と呼んで溺愛する父・マジックのことは毛嫌いしており、顔を合わせるなり辛辣な言葉を吐き捨てる。そもそもシンタローがガンマ団を抜けたのは父が自分をコタローと会わせないように仕向けていたためで、青の秘石を売った資金でコタローと再び一緒に暮らそうと考えていた。
マジックに対しては幼い頃は大好きだったものの、成長するにつれて半ば疎ましく思うようになっていった。とはいえ、心の奥では大切に思っており、コタローの眼魔砲からマジックを庇ったり、マジックがコタローを止めるために決死の覚悟で挑む姿を見た際には、涙を流しながら叫ぶ姿を見せた。
また、格闘の師でもある叔父(マジックの弟)・サービスのことは非常に尊敬している。
従兄弟(マジックの弟・ルーザーの息子)で幼馴染でもあるグンマからは表面的には懐かれているが、彼の嫉妬深い性分もあり過去に振るわれた暴力を理由に復讐として彼が発明したメカをけしかけられる。
なお、このシンタローの家族たちは、パプワの祖先である「赤の一族」と対をなす「青の一族」の末裔である。シンタローもその一族の血を引いているはずだが、青の一族の身体的特徴である金髪と青い目を持たず「秘石眼」も使えない。
人物像
黒の長髪を後ろに束ねた、凛々しい顔立ちの青年。瞳の色は黒。
自他が認めるイケメンで、パプワ島でもイトウくんやタンノくんといったナマモノに惚れ込まれ、猛烈なアプローチを受けては殴り飛ばすのがお約束の流れとなっている。なお、その顔立ちはサービスの亡き戦友であるジャンに瓜二つであるという。
衣装は上半身に白のタンクトップ、下半身に黒い武道着を着用し、右腕にリストバンドをはめている。『PAPUWA』では父を継いでガンマ団総帥に就任したこともあり、父と同じ赤いスーツ姿となったが、再びパプワ島に滞在してからは以前の服装に戻っている。
基本的に「オレ様」な性格であり、粗暴でひねくれ者。
金にがめついところもあり、前述の秘石を持ち出した経緯も然ることながら、武者のコージが相棒として連れている巨大錦鯉のキヌガサくん(推定価格3億円)の価値を聞かされると即座に強奪している。
しかし、地は熱血漢で仲間想いであり、パプワ島での島民たちとの交流を経てそうした側面が顕著に表れるようになる。
「ガンマ団No.1」と称されるだけありその格闘能力は高く、次々と島に現れるガンマ団からの追手である刺客たちに対しても、純粋な戦闘力なら全く引けを取らない。ただし、送られる刺客の殆どが何かしらの特殊な技術を持つ曲者揃いであるため、彼らの珍妙な技に隙を突かれ窮地に立たされることも少なくない。
また、母を早くに亡くし(後述の通り、実際は元からいない)父も仕事柄ほとんど同居しておらず、長らく弟のコタローと二人きりで生活していたこともあり、料理・洗濯・掃除など家事全般に精通している。
得意技は「眼魔砲(ガンマホウ)」。
手の平に集中させたエネルギーを相手に向けて放出する技。青の一族の奥義とされ、サービスとの過酷な修行の末に体得した。続編の『PAPUWA』ではコタローもこの技を修得している。
作中での活躍
常識離れした身体能力を持つパプワや、人語を話したり異常な特性をみせる珍妙なナマモノたち、加えてガンマ団から送られる一癖も二癖もある刺客たちに比べれば比較的マトモな志向の持ち主であり、本編では基本的に彼らのツッコミ役にまわされる苦労人ポジション。
パプワたちと同居しつつ、青の秘石の所有権をかけてときには森にトラップを仕掛けるなどして度々パプワに対峙するも全く歯が立たず、チャッピーの噛みつきなどで制裁を受けることもしばしば。しかし、刺客たちとの闘いや島での風習、パプワの誕生の経緯などを通して次第に彼らに対する特別な情を抱くようになる。パプワ島での生活は彼にとっては居心地の良さを感じていたようでパプワと再会した時には「まるで楽園のように楽しかった」と話している。
島を訪れたサービスから、コタローと引き離されたその理由を伝えられるとともに、ガンマ団へ戻ることを決定づけられる。島を離れる際、山の上から自身を見送るパプワとチャッピーの姿を発見した時は別れを惜しみ号泣する姿をみせている。
ガンマ団に帰還しコタローと再会するが、マジックに対し長らく閉じ込められたことに怒りを見せたコタローが秘石眼を発動、咄嗟に父をかばったことにより死亡する(厳密には肉体からシンタローの精神が弾き出され、その肉体からは本来の人格であるキンタローが復活する)。
以降は幽体となりパプワの元に出現。
触れることこそ出来ないが普通に会話することは可能で、その後、島の仲間やガンマ団のかつての刺客たちの協力を得て島の奥地にある「赤の秘石」まで辿り着き、その番人であるジャン(サービスの戦友その人)と出会う。
シンタローの正体
二人の容姿がそっくりである理由として、シンタローの正体がジャンが創り出した自身の複製であることを明かす。かつて好戦的な青の一族の動向を危惧したジャンは、彼らを監視する目的でガンマ団の士官候補生として潜入する(このときサービスと親交を深める)が、それがサービスの兄であるルーザーに発覚し抹殺される。ジャンの肉体は時間をかけて修復されるが、その過程において青の一族の子供に自身の複製が宿り「シンタロー」が生まれたという。
本体であるジャンの肉体と融合するが、何故か二人は完全な融合が出来ず、その肉体はシンタローの者となり、ジャンはシンタローを警戒し別の人物から肉体を借りることになる。
実はシンタローの真の正体は、前述のジャンが複製を創り出したことに気付いた青の秘石が、赤い秘石とジャンを欺くために彼そっくりに作った「青の番人」であることが発覚(本来のジャンの複製はそのとき既に葬られたらしい)。
さらにシンタロー自身も元々の青の番人である本来の人格・アスの予備でしかなく、その精神を一時アスに乗っ取られるが、自力で追い出した。
闘いの終結後はガンマ団の新総帥に就任し、組織の方針も殺し屋稼業から悪いやつ限定の「半殺し稼業」へと改定した。
続編のPAPUWAでは序盤は出番が無かったが中盤からは再びパプワたちと行動を共にしている。彼の物語は「南国少年パプワくん」でほぼ完結している為、中盤からの準主人公的な立ち位置にある。
余談
青の一族は政治的な理由から妻を迎えず、世界中から選抜された優秀な女性から卵子提供を受けて人工授精で子供を作るが、秘石眼を持たないシンタローを一族の事情から遠ざけたかったマジックは『母親は身体が弱く、病院にいる』と嘘を教えた。
因みに漢字表記は「新太郎」。
名前の由来はザ・スターリンの杉山晋太郎(初代ベース)からとされる。
作者・柴田亜美が『PAPUWA』以前に(他社の雑誌で)連載していた漫画『自由人HERO』にも「シンタロー」の名を持つキャラクターが登場しておりその容姿も本作のシンタローに酷似している事もあったが、関連性は不明(設定も大きく異なる)。