概要
アメリア軍が制式採用している量産型モビルスーツ。
制式機という性質上、様々な任務に対応出来るよう多彩な装備が用意されており高い汎用性を発揮する。
本機の基礎設計をベースに宇宙での戦闘を想定し開発された後継機として宇宙用ジャハナムがあり、また海賊部隊が運用するグリモアもジャハナムの設計をベースとしているなど、その開発バリエーションの多さも特徴の一つとして挙げられる。
コックピットのレイアウトはグリモアやモンテーロ等と共通であり、操縦方法も国際規格に準ずるユニバーサルシステムを採用している為、アメリア軍所属の人間でなくてもモビルスーツ操縦訓練を受けていれば操縦可能。
特徴的な頭部カメラは球状のセンサーボールとなっており、また瞼を模したセンサーカバーを展開する事でセンサー表面のゴミを取り除く「瞬き」が可能となっているなど、生物の目とその周辺の機能が機械的に再現されている。砂漠などでは防塵目的でカバーを展開したまま運用されるが、それによってセンサーの感度が低下するなど欠点も存在する(人間に例えるなら「薄目を開けた状態」に相当する)。
機体名の「ジャハナム」については宇宙世紀時代(宇宙戦国時代)に活躍したレジスタンスのリーダー「ジン・ジャハナム」の存在が挙げられるが、アメリア軍が彼にあやかってこの名を冠したのかは不明。
なお、ジャハナムとは「魔界」を意味し、その語源はイスラム教の煉獄「ジャハンナム」にある。
武装
バルカン
アメリア軍のモビルスーツに標準装備されている炸薬式の機関砲。
ジャハナムは頭部に、宇宙用ジャハナムは肩部にこれを搭載する。
ビーム・ライフル
標準的なビーム兵装。量産に向けて可動部を減らし、ビーム射撃に特化した構成を持つ。
宇宙用ジャハナムも同様のビーム・ライフルを装備しているが、アサルトライフルに近い形状を持つ従来タイプとは異なる外観を有している。
プラズマ・アックス
バックパックにマウントされているジャハナムの格闘用兵装。
刃先にプラズマ放出場を展開し、切れ味を向上させる事が出来るが、破壊力ではビーム・サーベル等には劣る。
これを発展させた装備に宇宙用ジャハナムのビーム・アックスがあり、こちらは高圧粒子を放出する事で高い切断能力を発揮し、ビーム・サーベルを上回るビーム圧を発揮する。
シールド
腕部に装備される追加装甲。やはりジャハナムと宇宙用ジャハナムとで外観や性能は異なる。
積層装甲を採用しており、腕部の可動とジョイント部の可動域の併用によって広い防御範囲を誇る。
バリエーション
グリモア
ジャハナムをベースに偽装が施された秘匿任務用モビルスーツ。
詳細はグリモアを参照。
宇宙用ジャハナム
量産体制が整っていたジャハナムの基礎設計をベースに、本格的な宇宙戦争への突入を想定し、アメリア軍が開発した次期主力機。
モンテーロなどの運用で得られたデータがフィードバックされた結果高い完成度を誇っており、装甲を追加して対弾性を向上させつつもバックパックのバーニア、機体各部のスラスター類を増設し総合的な性能を強化している。その一方でジャハナムの持つマイルドな操作性も受け継いでおり、練度の低い兵士であってもその性能を引き出す事が可能。
クリム・ニック専用宇宙用ジャハナム
クリム・ニック専用の宇宙用ジャハナム。
装甲がクリムのパーソナルカラーである青を基調としたカラーリングに彩られている他、頭部に指揮官用のブレードアンテナを有する。
クリムの愛機であったモンテーロが当時ワンオフに近い生産体系を取っていた為に整備性に難があった事もあり、機体を構成するパーツは外装を含めてすべて一般機と同一。しかし、モンテーロに蓄積されていた戦闘データを移植した上でそれを踏まえたセッティングされている。
また、特徴的な頭部ブレードアンテナは300メートル半径に対して常にレーザー照射を行い、これによって高い熱源探知・索敵能力を発揮する。