概要
戸塚慶文の漫画『アンデッドアンラック』に登場する《対未確認現象統制組織》の否定者、タチアナが使用する専用装備品。名称は〝球(スフィア)〟と呼ばれる黒球体。
彼女の否定能力「UNTOUCHABLE-不可触-」により、生身では不便な日常・戦闘を補佐するが、大きな役割は能力抑制を主旨にした発明品。
外観・性能
総じて球体型装甲スーツ。全長は2m30位と、成人男性よりひと回り大きい。外装正面の一部が組織構成員の共通装備である赤いネクタイを模したパーツとなっており、証(エンブレム)はネクタイ型パーツの中央と球体の側面に付属する。
スーツは可変もする仕様で、側面からマニピュレータや戦闘用のアームユニット・レッグユニット、ジェット噴射して空中飛行といった多彩な機能を有している。
これら上下で記述する機械操作は脳波コントロールによって動かしている。
戦闘では、シールドによる防御兼ビリーとの連携攻撃、ワイヤーパンチによる遠距離の物理攻撃、手足ユニットによる格闘、ビーム砲による射撃など様々な戦闘に対応可能な上、破損しても即座に同型の替えを補充できる高性能仕様(この黒球体にどう収納されてかは不明)。
外殻はBM(ブラックメタル)装甲であり、よほどの攻撃でなければ傷を付けることすらできないほど硬い。いわゆる機械の体であるため、重量もそれなりにあるようで、風子の不運でアンディへ落下した際に彼の体を圧殺するほどの威力があった。
戦局によっては黒球体〝球(スフィア)〟を着脱(キャストオフ)し、否定能力「UNTOUCHABLE-不可触-」を解放して戦う事も出来る。その際の〝球(スフィア)〟は各部品ごとに分解され飛び去っていく。その後の部品が何処にいってるかは不明慮だが、能力戦闘後には〝球(スフィア)〟を装着(プットオン)しているので、散らばってる部品をタチアナが脳波コントロールで元の球体に戻るよう再構成してるのかもしれない。
日常では、屋内でも大柄な黒球体姿なため組織(ユニオン)で支給される私室は広く、出入口は門のような大扉。室内は壁際へ可愛らしい雑貨・家具・ぬいぐるみが並び、寝台の代わりに〝球(スフィア)〟を固定させるような半球の土台が置かれている。
肝心な生命線の一つ、食事では正面のパーツを開けてご飯を食べる場面が描写されている。タチアナの否定能力「UNTOUCHABLE-不可触-」は、口を開けた部位以外はニコが命名した不可視の不可触空間〝UTエリア(アンタッチャブル - )〟が常時展開されているため、現状は口に入る大きさの細長い食品や一口サイズの料理しか食べられない。作中では、相方のビリーが長いスコップのようなもので球体内部へいる彼女が寿司を食べる介助をしていた。
原作漫画3巻に収録の番外編、この幕間を詳細に綴った公式小説第2巻では、海中散歩(スキューバダイビング)が出来たり、正面レンズで燈すサーチライトモードも搭載している機能が描写されている。
また漫画的表現で、正面(モノアイ)に表情が付いたり、驚愕の感情に併せてグニョンと楕円になるなど、中に居るタチアナの触覚(ガーリー)を現す要素にもなっている。
そして黒球体〝球(スフィア)〟にある重要機能は、否定能力「UNTOUCHABLE-不可触-」が年々広域化するUTエリアを抑制する拘束具。自己の感情と連動して拡大・収縮もする性質を抑制≒脳波の鎮静をしている科学力と推察される。だが普段から抑圧している分、上記で触れた能力戦闘時には反動が凄まじい破壊力を生み出し、下手すれば街一つ圧し潰れる程の災害にもなりうる。
余談
本作『アンデッドアンラック』の所々で、ガンダム作品群を模倣(リスペクト)した形象(メカニックデザイン)が散見される。
タチアナの黒球体〝球(スフィア)〟ならば、機動戦士ガンダムに登場する球体型量産機「ボール」の意匠「正面にレンズがある構造」「多関節の機械腕」などを反映させたのかもしれない。更には、同作品系列のゲーム版に登場する丸い悪魔「サイコハロ」の特徴「強力な武器を搭載した黒い球体」「手足ユニットを展開した戦闘」といった類似項もみられる。
原作でもあるように創作でも、その大きな黒球体姿のため画枠(コマ)に収まらず、場面によっては背景の一部みたいな感じで描かれる事もある。そのためじわじわくる存在感を醸し出す要素ともみられるかもしれない。
関連タグ
生命球 / ウォーターボール・・・ちょうど〝球(スフィア)〟のような感触を体感できる丸いもの。
球形飛行体・・・現実世界における球体型の浮遊機械。