タルイス・テーグ
たるいすてーぐ
ブリテン島、ウェールズの伝承に伝わる水の精霊。あるいは同地方における妖精全般を指す言葉。または金髪の妖精たちの総称。タルウス・ティグ、タルウィス・テグ、タルウィス・ティグと呼ばれる事もある。またタルイステーグ、タルウスティグ、タルウィステグ、タルウィスティグと表記される場合もある。
その名Tylwyth tegはウェールズ地方の言葉Cymraeg(カムライグ)で“金髪の一族”という意味で、人間より背は高く、白や華やかな色の服、もしくは緑と黄色に光る浮気を身に纏い、その名の通り流れるような美しい金髪を持つとされており、自分たちと同じ美しい色の髪の持ち主。即ち金髪の人間の前にしたその姿を現さないとされる。
なお彼らより小さい妖精族は“エリュロン族”と呼ばれるとされる。
また、むやみに金髪の人間の子供を欲しがる為、子供が攫われない様に彼らから受ける災いを避ける意味も含めて「フエアー・ファミリー(美しい一族)」、「ベンディース・ア・ママイ(母親の祝福Bendith Y Mamau)」という名で呼ばれる事もある。
タルイス・テーグたちは踊って≪妖精の輪≫を作る事もあるが、ついつい彼らの踊りに誘われて踊りに参加する為に輪の中に入ってしまうと姿が見えなくなってしまい、もし一番鶏が鳴くまでに救出出来なければ、その人物は永遠に妖精界に留まり続けることになってしまうといわれている。
彼らの住まいは地面、もしくは水の下だといわれており、女性たちは人間の妻となって、夫と共に暮らす事もあるとされており、彼らに好意を持たれ、気に入られた人物に富を与えてくれるが、その事を他人に話してしまうというタブーを破るとたちまちのうちに贈り物は消えてしまうという。水木しげるはこの性格について「福の神」との関連を指摘している。
なお彼らの性格は千差万別で、整理整頓を好み、ブラウニーたちの様に掃除をしてくれる者もいれば、馬に騎乗する者、狩りを行う者、ヤギの髭に櫛を入れてくれる者など人間に好意的な者もいるといわれている。