概要
エドガー・フローゼにより西ドイツで結成されたロック/電子音楽バンド。
バンド名はビートルズの「ルーシー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ダイヤモンズ」の歌詞から。
1960年代末よりコンスタントに作品を発表し、エレクトロニカやニューエイジ、ニューウェーブ、アンビエントに大きな影響を与えた。
エドガー・フローゼは2015年に死去したが、バンドは現在も活動を続けている。
来歴
1967年、エドガー・フローゼが「タンジェリン・ドリーム」を結成。
1969年、エドガー・フローゼ(g)、クラウス・シュルツェ(ds)、コンラート・シュニッツラー(Vc、Fl、key)というキャラの濃いトリオとなる。
1970年、「Ohr」レーベルからアルバム「エレクトロニック・メディテイション」でデビュー。エドガー・フローゼがブルースロック的なギターを弾きまくり、クラウス・シュルツェがヘヴィなドラムという異色作となった。アルバム発表後、クラウス・シュルツェとコンラート・シュニッツラーは脱退。トーマス・ケスラーの影響を受けた「アジテーション・フリー」からクリストファー・フランケとスティーヴ・シュローダーが加入し、バンドは現代音楽の要素を大幅に取り入れる。
1971年、アルバム「アルファ・ケンタウリ」を発表。
1972年、アルバム「ツァイト」を発表。ピーター・バウマンが加入し初期の主力メンバーが揃う。
1973年、アルバム「アテム」を発表。イギリスの人気DJ、ジョン・ピールにプッシュされて知名度が上がり、ヴァージン・レコードと契約。
1974年、アルバム「フェードラ」を発表。シーケンサーを使用した打ち込みが試行される。
1976年、アルバム「ストラトスフィア(浪漫)」を発表。生楽器も加えたポップな内容となり、好セールスを記録した。デヴィッド・ボウイとイギー・ポップがベルリンへ移住してきたため、住処が決まるまでエドガー・フローゼの自宅に住まわせた。
1977年、「恐怖の報酬」(監督:ウィリアム・フリードキン)のサウンドトラックを担当。その後、多くの映画音楽を手掛ける。ピーター・バウマンが脱退。
1978年、スティーブ・ジョリッフェとクラウス・クリーガーが加入し、アルバム「サイクロン」を発表。ヴォーカル入りの作品となった。
1979年、アルバム「フォース・マジョール」を発表。スティーブ・ジョリッフェが脱退。
1980年、アルバム「タングラム」を発表。クラウス・クリーガーが脱退し、ヨハネス・シュメーリングが加入。
1983年、アルバム「ハイパーボリア」を発表。ヴァージン・レコードと契約終了。その後、様々なレーベルを渡り歩く。初来日を果たし、中野サンプラザを皮切りに5公演を行う。
1984年、「炎の少女チャーリー」(監督:マーク・L・レスター)のサウンドトラックを担当。
1985年、アルバム「ル・パーク」を発表。ヨハネス・シュメーリングが脱退。
1986年、ポール・ハスリンガーが加入し、ニューエイジ系のサウンドに変化。アルバム「アンダーウォーター・サンライト」を発表。
1987年、アルバム「タイガー」を発表。クリストファー・フランケが脱退。
1990年、ポール・ハスリンガーが脱退。エドガー・フローゼの息子ジェロームが加入し、親子2人による活動となる。アルバム「メルローズ」を発表。
1992年、アルバム「魔法のことば“ランペルスチルスティン”」、「ロックーン」、「Quinoa」を発表。
2005年、トーステン・クォーシュニックが加入。
2007年、ジェローム・フローゼはタンジェリン・ドリーム作品80作以上の権利を取得し、ジェロームとエドガーの作品はバラバラに再リリースされることとなった。
2011年、山根星子が加入。ジェローム・フローゼは自分のグループ「Loom」での活動が主となる。
2015年、1月20日にウィーン滞在中のエドガー・フローゼが肺血栓塞栓症により死去。
2017年、アルバム「Quantum Gate」を発表。
2018年、パウル・フリックが加入。
2022年、アルバム「Raum」を発表。