概要
第64話「女007対ブロッケン殺人鬼」に登場した機械獣。
インディアン、またはネイティブアメリカンを思わせる外観で、頭部の意匠は「ウォーボンネット(ネイティブアメリカンの酋長などが付ける、羽根飾りの冠)」に酷似している。
右手甲には二連装のミサイルを装備、左手首はハサミ状のマニピュレーターで、光線発射装置を内蔵する。
また、腹部からは強奪した超合金Zから作ったブーメランを内蔵、右手で投擲する。
ブロッケンにより、三人の脱獄囚が光子力研究所を襲撃したのに合わせて、光子力研究所を攻撃する。
全高20m、重量220t。
劇中の活躍
ブロッケン伯爵が指揮した、三人の脱獄囚に武装させ、光子力研究所を襲撃させる作戦のために出撃。光子力研究所の汚水処理場を破壊し、パイルダーオンする前のマジンガーZを破壊せんとする。
足を撃たれ負傷した甲児だが、ボスの親戚のお手伝いさん、みさとが脱獄囚たちの高跳びのためにとヘリの操縦をかって出る。が、それは作戦のうちだった。
脱獄囚たちを引き離し、その隙に甲児は負傷をおしてパイルダーオンしようとするが、デビルチーフA7の投げつけた岩によりマジンガーZは埋まってしまっていた。
アフロダイAが囮になっている間に、甲児の呼びかけによりマジンガーZは再起動。パイルダーオンを成功させる。
脱獄囚たちは、みさとのヘリの操縦と、ボスボロットにより警察へ。そしてマジンガーZとデビルチーフは対決するが、超合金Z製のブーメランと、負傷のために苦戦する甲児。
しかし、みさとの助言でブーメランを受け止めて投げ返し、形勢逆転。ブーメランを受けて腕を破損したデビルチーフに対し、マジンガーZはロケットパンチと光子力ビームでとどめをさすのだった。
原案デザイン
五十子勝が、原案デザインを手がけた。
原案では、両手首は普通の五指のマニピュレーターになっているが、頭部はこの時点からネイティブアメリカンをモチーフにしたものとなっている。また、ブーメランも原案時に設定されていた。
決定稿では、手首部分のデザインを変更されている。
余談
武器のブーメランは、ブロッケン伯爵曰く「ユーバリンT9が盗んでおいた超合金Zで作った、必殺のブーメランだ!」との事だが、そのため、以前に機械獣ユーバリンT9が強奪した超合金Zを用いて製造・開発された機械獣、バルモスQ7との関係が取りざたされている。
ユーバリンT9が奪い、バルモスQ7の製造時に使用した超合金Zの残りを用いていたのなら『バルモス製造時に足りなかった分を、今回のブーメランの分を用いて使用すべきでは無かったか?』という疑問が生じる。
もしもそうでないのなら、『なぜ手持ちの超合金Zを全て用いて、バルモスの弱点をカバーしようとしなかったのか』という、また別の疑問が生じる。
考えられる理由としては、
「56話で強奪した超合金Zの総量は、バルモスの頭部を作るには中途半端で足りなかった。ブーメランの分は、分析用サンプルとして別に保管していた分」
もしくは、
「バルモスが破壊された後、その残骸の一部を回収。それをブーメランに加工し直した」
といった解釈が妥当だろうか。