概要
『マジンガーZ』第57話「Dr.ヘル日本占領」および劇場版「マジンガーZ対ドクターヘル」(1974年3月公開/25分)に登場する機械獣。
前話でユーバリンT9とサタングロースP10が奪ったジャパニウム鉱石から精製された超合金Z製の装甲を持ち、マジンガーZの攻撃さえ受け流してしまう…………のだが、実はジャパニウムの不足から首部分だけがスーパー鋼鉄で造られている。
武器は腹部に装備された六連ミサイルと分離して敵に取りつき電撃を浴びせる頭部のヘルメット。
その高い性能の前にはアフロダイAやボスボロットではまるで歯が立たず、地下帝国が「あらかじめマジンガーZを捕獲し、手薄になった光子力研究所を攻める」という手堅い作戦を採ったこともあって、光子力研究所を窮地に陥れる。
だが、捕獲したマジンガーZを管理するはずのあしゅら男爵が独断で研究所の制圧に兵を割いたため、監視が緩んだ隙にアフロダイとボロットの協力を得たZが脱出。
直接対決では光子力ビームやブレストファイヤーにも耐えて戦闘を有利に進めるも、弓教授の分析により超合金Z製ではない部分が存在することを看破され、連絡を受けた甲児にも首が弱点だと見抜かれてしまい、武器を使用する際の隙を突かれて撃破された。
デザイン原案は、永井豪。
鎧を外した状態のラフデザインも残されている。ほとんど変更なしで、東映側が清書し決定稿になった。
桜多吾作によるコミカライズ版でも登場しており、登場するエピソードの展開も概ねテレビ版に準じているが、
- バルモスQ7自身は超合金Zで造られておらず、超合金Z製の鎧(胴のみ)と兜を装備している
- なので、鎧を身につける前の姿も1コマだけ描かれている
- テレビ版でマジンガーZの捕獲に用いられた磁力攻撃とネットがバルモスQ7の手持ち装備で賄われている
- 代わりにテレビ版で使われた飛び道具は未使用(仮に装備していたとしても、ミサイルは鎧が邪魔になって発射できず、頭を分離させれば兜の意味がなくなってしまう)
- マジンガーZの脱出にアフロダイとボロットが関与しておらず、ネットを破る方法も異なる(テレビ版ではスクランダーカッター、桜多版はスクランダーの噴射を利用)
などの違いが見られる。
ボロットの片腕をもぎ、アフロダイを光子力ミサイルの爆発に巻き込んで戦闘不能に追いやり、アイアンカッターも鎧で弾いてしまうが、鎧と兜に覆われていない首と四肢をスクランダーカットによるカウンターで切断され、機能停止したボディも断面を狙った光子力ビームで爆破された。
なお、ヘルから鎧を着るよう命じられる場面のみ「ドルモスQ7」と呼ばれている(誤植かどうかは不明)。
余談
第63話に登場したデビルチーフA7は超合金Z製のブーメランで武装しているが、その超合金Zの出どころは、56話に「ユーバリンT9が奪取したもの」と台詞で言われている。
そのため、「後にデビルチーフのブーメランに使った分の超合金Zを、なぜ最初にバルモスの不足分に用いなかったのか」という点は、ファンの間でも謎とされている。