概要
デザインのベースとなったのは、1962年に登場した50ccのレーサー「CR110カブレーシング」である。
ホンダ創業50周年の節目の年に登場した記念モデルで、新設計の空冷DOHC4バルブエンジンにホイールはアルミリム、ブレーキは前後ディスク、マフラーは2本出しと、この手の原付にしてはかなり凝ったモデルである。
総じて1990年代の技術を使いながらも、ホンダの勃興期である1960年代の50ccレーサーを再現したレーサーレプリカと言えるマシンとなった。
カラーリングは、当時の市販レーサーのカラーリングであった「赤色フレームに銀色タンク」。他に、ワークスレーサーのカラーリング「黒色フレームに赤色タンク」を再現したスペシャルエディションが設定された。
この時、乗用車の50周年記念モデルとなったのはS2000である。
搭載されたDOHCエンジンは、レッドゾーンが13000rpmを超える高回転型となった。
とはいえ公道仕様車の場合、実際に最高出力を発揮したのは10500rpm付近で、これはSOHC車のCB50と大差がなかったり…
シリンダーヘッドは側面から見るとミッキーマウスの顔に見えることから、そのように呼ばれたこともある。
一方で、各部が専用設計であったため定価が32万9000円と高価で、持ち前の高性能も30km/h規制のある原付という枠の中では発揮できないため、販売台数は伸び悩んだ。
排ガス規制の為に2000年に販売終了と短命であったが、原付としては特異な存在である事から現在に至るまで人気が高い。
サーキット専用マシン
本車と同時にサーキット専用マシン「ドリーム50R」が発売された。こちらは2009年製造終了と、競技用モデルとしては割と長命であった。
ドリーム50には、HRCのレーシングキットを組んだ「ドリーム50RTT」が設定されていたが、台数はごく少数の限定販売であった。