概要
学名の意味は「槍のような歯」。
体長4.5~5m。
生息年代は始新世後期。
特徴
筋肉の発達した流線形の体は、イルカのようだった。泳ぐのが速く、急に方向転換したり、水面上に飛び出したりする等、機動性に富んでいた。持ち前のスピードと敏捷性を活かして、魚やイカ等、動きの速い獲物を捕食するとともに、同時期に生息した近縁種にして外敵のバシロサウルス等の大型捕食動物の追撃を振り切ることも出来た。噴気孔は頭頂部と吻のほぼ中間にあり、現生群との過渡的な形態を示す。しかし現生のイルカのようなメロン体を持たないため、彼ら程のエコーロケーション能力は持たなかったと推定される。それでも、近距離の仲間とは高音を使ったコミュニケーションを取る事は出来たであろう。
現生のクジラの直系の祖先、もしくはそれに近い動物と思われる。
地球寒冷化に伴う海洋環境の激変で原始的なクジラ類のほとんどは姿を消したが、このような高度に海洋に適応していた種は生き残り、現生のクジラという子孫を残した。