概要
原案は『少年少女新聞』で1996年4月から2000年3月までに掲載されていた「ピョンピョンおたすけかめん」であり、主人公がウサギのぴょんちゃんであった。その後アニメ化するあたり、新しい設定として主人公を猫のニャーゴへ変更。猫を擬人化したキャラクターを中心とした動物が住んでいる街『キャットタウン』に設定するなど、アレンジを加えている。また登場しているキャラクターの一部は、おたすけかめんで登場したキャラクターを流用している。
なお、同じ原作者の『アンパンマン』とは同一世界という設定があるが、正式な公式設定であるとは発表されておらず、アニメでも制作会社及びネットワークが異なるため(日本テレビ・トムス・エンタテインメント制作)、その点については直接触れられなかった。ただしアンパンマンのアニメーターや脚本家も何名か参加しており、監督を務めた岩崎知子氏をはじめ、シリーズ構成の桜井正明氏、一部脚本を担当した翁妙子氏らが登板している。
勇者シリーズ終了以来初めてサンライズが名古屋テレビ(テレビ朝日系列)のアニメの制作を担当した作品だが、サンライズでは異色だった完全ファミリー向けアニメである。また、メ~テレ枠およびサンライズ制作アニメ初の全編デジタル制作でもある。
アニメの放送期間は2000年2月6日から2001年9月30日。全83話。当初は1年間の放送予定であったが、玩具やグッズ類の売れ行きが好調だった事。視聴率が良かった事もあり、9ヶ月間延長された。なお、アンパンマンのように長期化を見据えたコンテンツとしては作られていないので、他のアニメ作品と同様に放送終了後はグッズ展開を終了した。
放送終了後海外各地や、CS放送および地方ローカル局で再放送を行っている。特に韓国では、着ぐるみや人間とのミュージカルを上演するほどの高評価であり、pixiv以外のSNSでイラストを投稿するユーザーもいて、2次創作でオリジナルのニャンダー戦士を投稿するケースがある。
日本では、同じ原作者の作品アンパンマンよりも無名に近い存在であるが、ネット界では、知名度も人気も高い。またpixiv内でのイラスト投稿も多いほど、高い知名度や人気を持つ作品であるので、続編製作などの復活を望む声も多い。
2023年現在、バンダイビジュアルから販売されたVHS(現在は廃盤)のみでしか現段階で公式視聴するしか出来ない状態であり、全話視聴するのが困難な作品である。このためDVD化およびBlu-ray化、ネット配信化を求める声が挙がっているが、現在も未定のままである。
公式タイトルが長いので、pixiv内ではニャンダーかめんで登録しイラスト投稿しているユーザーが殆どである。
ストーリー
キャットタウンに住んでいる猫のニャーゴは、本を読むのが好きだが木登りが苦手な弱虫でドジな男の子。でも、「助けて~!!」という声を聴くと、ネコ仙人からもらった"ベルト"、"くつ"、"てぶくろ"、"マント"、"かめん"を身に着けて、レスキューキャット「ニャンダーかめん」に大変身。助けを呼ぶ声があれば、敵でも味方でも救助活躍をする事ができるのである。
ニャンダーかめんとニャーゴとの生活の両立は大変だし、一方的にライバル視される山猫ニャオンにちょっかいをだされたりと気苦労も多い。しかし友達のピーどりや、妹のミーコが変身するニャンダーかれんと一緒に、ニャンダーかめんはキャットタウンの平和と安全。そしてキャットタウンから助けを呼ぶ声がなくなるまで、キャットタウンの大空を駆け巡る。
誰にでも優しいニャンダーかめんはみんなの憧れの的。そんなニャンダーかめん達が大活躍するキャットタウンで、今日はどんな事件が起こるのだろうか。
登場キャラクター
物語の主人公。本を読むのが好きなおとなしい小学生(人間でいえば小学4年生くらい)。勉強やスポーツも冴ず、カエルや毛虫を見るだけでビックリしてしまうほど、弱虫でドジだと自認している。
人を思いやる心をネコ仙人に認められ、ニャンダーかめんの使命を与えられる。本人はニャーゴとしての生活が好きな様子。ニャンダーかめんに変身すると、ひげとしっぽが消えて身長が少し伸びる。またニャーゴの声よりも凛々しい声になり、歌やダンスもうまくなり、身体能力が高くなる。
助けてを求められれば、敵でも味方でも誰でも助けるをモットーにしている。
好きなものは妹のミーコが作ったホットケーキ。嫌いなものはピーマン。ニャンダーかめんになってもピーマン嫌いは同じだが、のちに克服した。
ミーコ / ニャンダーかれん 声 - 川田妙子(第1話から13話まで)→かないみか(第14話から最終話まで)
ニャーゴの妹で本作のヒロインの一人。しっかり者で、ドジでだらしのない兄をいつも咎めているが、本当はお兄ちゃん思い。
ニャンダーかめんの大ファンで、将来はニャンダーかめんと結婚したいとまで思っていた。第73話で、ニャンダーかめんの正体が兄と知ってしまいショックを受けてしまったが、立ち直りが早く、ネコ仙人に迫り、ニャンダーかれんとなった。(実際は、デビルキャットが出現し助けを呼ぶ声で駆け付けたニャンダーかめんとピーどりが、デビルキャットに捕まってしまったため、苦肉の策でネコ仙人がミーコにニャンダーかれんに変身する力を与えたと言ったほうが良い。)
ミーコからニャンダーかれんの声はかわらない。以降、ニャンダーかめんの良き相棒として、ニャンダーかめんのお手伝いをする。
なお、川田からかないに交代したのは、川田が産休によるための降板である。
ピーどり 声 - 鈴木紀子
卵の時にニャーゴに拾われて孵ったプテラノドンの子供。ニャーゴの友達であり、ニャンダーチームの良き相棒でもある。ニャーゴ自身がピンチの時に助けに来たり、変身セットを持ったランドセル(ニャンドセル)を持ってくる。なお原作絵本では、ネコ仙人のお供として行動している。
ネコ仙人(右側のキャラクター) 声 - 藤本譲
ニャーゴをニャンダーかめんにした張本人。争い事だらけの世界を救いたいのに、仙人界にいるため地上に降りれない自分自身の代わりに、ニャーゴをニャンダーかめんにさせた。その後ミーコもニャンダーかれんにさせた。
青いヤマネコ。本作の準主人公的存在。名誉欲が強く、ニャンダーをライバル視している。町の人気者になってテレビに出ようと様々な策をめぐらすが、墓穴をほったりニャンダーらに助けられて失敗ばかりしている。わがままで自己中心的な性格だが、優しいところもある。心の弱さから逡巡するも善行に傾いたり、作品中でもっとも人間臭いキャラともいえる。
かつては野性的で凶暴そうな姿をしていたが、カザールに美しくアレンジしてもらったのである(第30話『ロッカー・ニャオン』より)。発明の才があり、スーパーニャオン号というマシンを開発した。その燃料が生ゴミということもすごい。
一度だけ人気ランキング1位になったことがあるが本人はその瞬間をみることができなかった(コンだけみることができた)。
コン 声 - 内川藍維
白いキツネの少女で本作のヒロインの一人。ニャオンに恋しており、彼の家で洗濯や炊事をこなしている。
なぜかニャオンを最高にかっこいい男と思い込んでいるようで、彼を「ニャオンさま」と呼んで応援し、失敗したときはよく「おいたわしや・・・」と言う。
ニャオンの人気を上げるためにギンコのアドバイスを受けるが、せっかちで話を最後まで聞かないために失敗することもしばしば。変身の術を使えるが、あまり希望通りにはならない。
ギンコ 声 - 小林優子
姉御肌の川獺。通称はギンコ姐さん。人気者になれないニャオンを心配するコンに色々と知恵を貸している。
必殺技はウィンクパンチ。同じ原作者の作品、アンパンマンに登場するメロンパンナの必殺技「メロメロパンチ」とほぼ同じ効力である。ただしメロメロパンチとは違い子供には効かないという弱点がある(ニャンダーかめんには全く効果がなかった)。
サラキチ 声 - 檀臣幸
ギンコのパートナーである河童の男。ギンコと一緒にいるためかギンコに片思いをしている。頭の皿を手裏剣のように飛ばすことがある。皿を取られたり、陸上に長時間いると力が出なくなる。
マントヒヒ(左上のキャラクター) 声 - 辻親八
山の上に住む謎の男。自分を町の王様と決めており、しばしばニャンダーに挑戦する。ニャオンと違い、暴力も辞さない。実質悪人がいない(ドクロ王と配下の怪物やチュウチュウ一族を除く)本作で一応の悪役である。必殺技は口から出す火球・電光火炎(後に「電光火炎エレキテル」にパワーアップした)。ラッキョウが苦手。
タヌコ(マントヒヒの左側のキャラクター) 声 - 小林優子
タヌキの少女。コンがニャオンに尽くすように、マントヒヒの世話を焼いているが、コンと異なりマントヒヒが冴えない男であることに薄々気づいている様子。化けることもできる。
クモネコ(マントヒヒの右側のキャラクター) 声 - 梅田貴公美
マントヒヒのパートナー。クモネコの糸のおかげで、マントヒヒは空を飛べる。
ニャンタ(イラスト右側のキャラクター) 声 - 喜田あゆみ
ニャーゴのクラスのリーダー的存在。ニャンダーに憧れていて自分もなりたいと祈っている。人気者になりたいと言っているニャオンを馬鹿にしている。
ニャーゴのクラスのマドンナ的存在で本作のヒロインの一人。ニャーゴやニャンタ、キャッチンに想われている。
ニャンダーと結婚したいと願っている。しかしニャンダーかれん登場直後、「ニャンダーかめんに仲良しさんがいたなんて……」とショックをうける。それでも結婚を望んでいる。
キャッチン 声 - 山門久美
クラスで一番頭が良い秀才。いつもめがねをかけ、白衣を着て、自宅の隣に実験室をかまえている。いつかは人を助ける発明をしたいと願っている。
スズコ先生 声 - 小林優子
ニャーゴが通う学校の担任の先生。ニャーゴが様々な症状で(助けにいくための理由の仮病)よく授業を抜け出すが、それを受け入れる寛大さを持つ。一度だけ居眠りしたこともある。カザール、カバレリーナ、ピーチクとは旧友であり同級生でもある。
タマ 声 - 小林優子
ニャーゴのクラスメート。おとなしい性格でニャーゴの事が好きな様子。ニャンダーにすごく詳しい。
チャーミン 声 - 一龍斎貞友
ニャーゴのクラスメート。体系がふっくらしている。世間のブームに乗りやすい。
ウルトラ丸/ミイラ丸 声 - チョー
自分では正義の味方だと思っているトラの大男。いい加減な性格であり酒乱である。ニャンダーに助けられて以降、自分自身も正体を隠してミイラ丸となり、ニャンダーかめんのピンチやキャットタウンの住民を助けている。
ミケ 声 - 青山穣
キャットタウン放送局(通称かめんちゃんねる)のアナウンサー兼カメラマン。人気者ランキングの司会やニュースキャスターなど数多くの番組の司会を受け持っている。また映画監督もしたりしている。
カザール 声 - 一城みゆ希
ファッションリーダーのサル。語尾に「ザ〜ル」を付けて話す。カバレリーナ、ピーチクと一緒にいることが多い。ニャオンのスタイリストでもある。
ナレーター 声 - 一龍斎貞友
講談調なナレーターが特徴。それ以外はもはや、説明する事もないであろう。なお、ナレーターが一龍斎に選定したのは、原作者のやなせ氏の要望もあったためである。
ドクロ王 声 - 中田和宏
髑髏の姿の魔物。人外の者である事は間違いなく、この世界の支配を企み、マントヒヒと異なり本当の悪といえる存在でもある。ニャオンに捕縛したニャンダーかめんの仮面を取る誘惑をした事もある。他に、手下に怪物としか言いようがない連中を率いている。
彼も棒剣を狙っていた一人で、棒剣の力で恐竜の化石を生き返らせたり、空飛ぶ島を支配したり、器剣や短剣を3本ともそろえて世界を征服しようと企んでいた。ただし骨なので敗退の際にバラバラになった後、何度も逃亡したりすることもあった。1度はニャンダーかめんに協力したカアコや空飛ぶ島の住人たちの力によって、天空に砕け散って消滅した。
しかし、ネコ仙人によって4つの輝く玉の力で海底に封印されていた移動要塞と共に復活し、世界を再び征服しようとニャンダーかめんに再戦を誓ったが、4つの玉の力とニャンダーかめんの活躍により再び封印された。また、防犯防止対策ビデオではミーコを誘拐しようとした。
ネズミ仙人 声 - 檀臣幸
チュウチュウ一族と呼ばれるねずみ軍団の親玉。物語の終盤に登場。「猫はねずみの天敵だ。」を理由にキャットタウンをチュウチュウタウンにしようとし、仲間達と一緒に様々な作戦でキャットタウンの住民を困らせてしまい、キャットタウンの住民から怒りを買ってしまった。しかし1回だけニャンダーかめんとニャンダーかれんに助けてもらったこともある。
その後最終回で、『喧嘩するだけでは何も変わらない。互いに認め合って生きていこう。』というニャンダーかめんの発案で、キャットタウンの住民に謝罪と和解し、キャットタウンの近くにチュウチュウタウンを作る事にした。
スタッフ
企画 -サンライズ
原作 - やなせたかし
シリーズ構成 - 桜井正明
キャラクターデザイン - 柳田義明、鈴木玲子
総作画監督 - 船越英之
美術デザイン - 中村光毅
色彩設計 - 中島淑子
デジタルオペレーション - 佐々木和宏、長谷川洋一
デジタル編集 - 森田清次
音楽 - 宮路一昭
音楽プロデューサー - 藤田純二、真野昇
サウンドデザイン - 横山正和
音響監督 - 伊達康将
プロデューサー - 大池雅光→原口淳、小原麻美、長谷川徹→佐々木新
監督 - 岩崎知子
総監督 - 芝山努
主題歌
オープニングテーマ「夢のマント」
作詞 - やなせたかし / 補作詞 - 中村メグミ / 作曲・編曲 - 庄野賢一 / 歌 - 大森玲子
エンディングテーマ
「心の森で」(1 - 32話)
作詞 - やなせたかし / 補作詞 - 中村メグミ / 作曲・編曲 - 庄野賢一 / 歌 - 大森玲子
「ダンスDEニャン²」(33 - 83話)
作詞 - やなせたかし / 作曲・編曲 - 宮路一昭 / 歌 - くまのきよみ
劇中歌「僕はニャンダー!!」(11話A・30話A・40話Bなど)
作詞 - やなせたかし / 作曲・編曲 - 宮路一昭 / 歌 - 浅野まゆみ
関連タグ
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