概要
てんとう虫コミックス第30巻及び、藤子・F・不二雄大全集12巻に収録。
忍術修行のための道具セットが風呂敷包みに入っている。ただしあくまで修行を助けるための道具であり、忍術を実際に身に付けられるかどうかは本人の努力次第。本編にはセット内容は以下のものが登場したが、他にもある様子。
風呂敷包みの柄は1982年版が唐草模様、2011年版が紫色の無地、2017年版が紫色の地に黄色の四方手裏剣が幾つも描かれたものとなっている。
これとは別に、子供が忍者ごっこに使用する巻物もあり、これは修行をしなくとも、口にくわえるだけで10分間、動物に変身したり、姿を消したりできる。水田版についてはこれにも名前があり2011年版では「お手軽巻物」、2017年版では「ニンニンまきまき」となっている。
水上歩行の術
水の上を自在に歩く術。いわゆる「水ぐも」で水上を歩く練習をする。バランスを失うとあっさり転覆、落水する。
天狗飛昇の術
屋根より高く跳び上がる術。ロボットツリーのタネを植え、その上を跳び越える練習をする。ツリーがどんどん伸びるので、それを跳び越え続ける内に跳躍力が養われる。成長速度は調節可能で、通常は半年から数年かける。
疾風百里行の術
風より速く走る術。10メートルほどの長さのふんどしを身に付け、その尻尾部分を引きずらないように走ることで脚力が養われる。格好が悪い上に、尻尾が後方の物に引っかかって転倒しやすい。
アニメにおける原作との主な相違点
大山版では1982年11月5日に、水田版では2011年10月28日及び、2017年9月8日にそれぞれ放送している。
1982年版
- ドラえもんは『忍者ハットリくん』の漫画をのび太に渡す際、床に投げ捨ててはおらず、ちゃんと手で渡している。になみにこの漫画の表紙にはシンゾウは入っていない。
- ドラえもんが忍術の厳しさを説明する下りは非常に簡略化されている。
- 天狗飛昇の術は超高跳びの術に、疾風百里行の術は超早走の術にそれぞれ名前が変更されている。
- のび太が水上歩行の術を選んだ際のセリフでは「夏休み~感心させるんだ」の部分がカットされている。
- 超早走の術を選んだ際の「しずちゃんに尊敬されるんだ」の部分は「皆をびっくりさせたいんだ」に変更。また、このふんどし姿でこけたところをしずかに見られる場面はカット。
- パパが話した忍術はガマガエルの他、竜に化けたり、姿が消えたりするというものだった。
- ガマガエルに化けたのび太がしずかに追い出された後、町の人々から追われる下りはカットされ、空地で犬に化けてており、野良犬にはセリフが与えられていない。また、ジャイアンに見つかった後も色々な災難にあう下りはジャイアンに見つかってボコボコにされるだけという下りに変更されている。
- ラスト、のび太は忍術が解けるのが早すぎると泣き言を言うが、ドラえもんから巻物を使わずちゃんと忍法の練習をするか聞かれ、「忍術なんてこりごりだよ~!」と泣き叫んでいる。
2011年
- サブタイトルが「のび太の忍者修行」に変更され、道具の名前も「忍者修行セット」に変更されている。
- ドラえもんがのび太に見せたのは忍者と忍術について書かれた本。またのび太はこの本に掲載されていた写真を見て、自分が忍者になって鮮やかに忍術を使い、しずかに絶賛される場面を想像している。
- ドラえもんからセットの説明をされた際のび太は、華麗に川でサーフィンをしたり、ジャイアンとスネ夫から追われた際、屋根をピョンピョンと飛び越えたり、ギリシャの衣装を着て風のように俊足で走ったりして、しずかから絶賛される自分をイメージしている。
- ロボットツリーのタネは最終的に大樹にまで成長した。
- パパがドラえもんとのび太に昔、自分が映画で見た忍術を話す下りはカット。
- 大山版と同じく、のび太に噛みついた犬にはセリフが与えられておらず、野良犬ではなく、ちゃんと飼い主の男性がいた。
- のび太を撥ねた自転車に乗っていたのは女性で、その後のび太は原作のものに加え、引っ越し業者が運ぶタンスにぶつかったり、サッカーボールを顔面に食らったり、子供たちに踏みつけられたりされている。そして、ママがのび太にホースで水をかけてしまう描写は、再びしずかの元を訪れた際、入浴中でその際透明化が解けてしまい、彼女から大量の湯をかけられる描写に変更。
2017年版
- のび太が忍術にあこがれたのは、忍者のテレビ番組を見たから。
- ジャイアンにふんどしを踏まれたせいで、これが解けて陰部が露わになってしまい、のび太はしずかからビンタを受けている。
- パパは居間でドラえもんとのび太に昔、自分が映画で見た忍術を話しており、忍者が化けた物の具体例はガマガエルだけだった。
- のび太はドラえもんからネズミにだけは化けるなと念を押された際、これに化けていて、ドラえもんはこれにショックを受け気絶してしまった。
- のび太が化けたガマガエルは過去の2バージョンでは緑色だったが、今回はえんじ色で、しずかに会う前にジャイアンとスネ夫の目の前に草むらから出てきてびっくりさせている。また、しずかから追い出された後、追いかけて来たのはジャイアンとスネ夫だけだった。
- のび太に噛みついた犬は首輪を付けていて、セリフ中の「野良犬」は単に「犬」となっていたことから飼い主はいると思われる。
- ジャイアンから逃げた後のび太があった災難は原作のものに加え、来るに引かれそうになる、子供に踏みつけられる、トラックに追いかけられるが追加されている。
- ラストでドラえもんはアイスバーを食べており、のび太も玄関でへばっている。