ひみつ道具としての解説
見た目は普通の投げ縄だが、一度投げれば使用者の意思に反応してどこまでも伸びて目的の物を回収する。
エピソードとしての解説
ある日スネ夫がのび太に借りてた傘を返しにやって来るが、玄関まで出向くのが面倒に思ったのび太は代わりにドラえもんに行くよう頼む。渋々了解したドラえもんは取り出したナゲーなげなわで二階に居ながら玄関にいるスネ夫から傘を回収する。
それを見たのび太は「自分も使いたい」と言い出すが、のび太が使うとろくなことにならないと危惧したドラえもんはナゲーなげなわを庭に放って隠してしまう。
しかし帰り際のスネ夫が庭に放置されたナゲーなげなわを発見し、そのまま盗んでしまい、ジャイアンに永久に借りられていた漫画をナゲーなげなわで取り返すことに成功する。
これに味を占めたスネ夫は、静香の宿題のノートをはじめ、プラモデルや野球ボール、ジャイアンのジャンボフランクなど、町中の人々からあらゆる物を略奪し始めてしまうが、あまりにも被害が広がり過ぎたためにジャイアンを筆頭とした被害者が集まって犯人探しを始め、その恐ろしいまでの人々の結束と怒りにスネ夫は恐怖する。
一方、道具を悪戯に使わないと約束することで何とかドラえもんからなげなわの使用許可を貰うことができたのび太だが、既にスネ夫に盗まれてしまい、他の誰かが悪戯に使ったら大変なことになると危惧したドラえもんとのび太は手分けして投げ縄を探しに向かう。
しかしジャイアンに遭遇したのび太は投げ縄の件について問い詰められるも背後から忍び寄ったスネ夫は隙をついてのび太の手にナゲーなげなわを押し付け、逃亡。
突如手の中に現れたナゲーなげなわに困惑するのび太だが、ジャイアンはより一層疑いの目を強くし、のび太は「これはただの縄だ」と言ってその場を逃れようとするも、これで疑いが晴れる訳もなく、歩けば歩くほど人目を引き、とうとう被害者全員が集まってのび太の跡をつけだす。
どうにかして追っ手の目から逃れたのび太は真犯人に怒りを露にしつつ家に帰ろうとすると、川で溺れている幼い女の子を発見する。
すぐさまナゲーなげなわで助けようとするも、ジャイアン達に見つかり、「ぼ、ぼくなげなわ下手だから練習しようと思って……」と踏みとどまったのび太はその場を後にしようとする。しかし、今にも溺れて死にそうな女の子を見捨てることができなかったのび太は覚悟を決めてナゲーなげなわを使い、女の子を救出。
この行動によって、のび太が投げ縄事件の犯人であることが決定的となり、どこからともなく現れたスネ夫が「ほらみろ!やっぱりのび太だ!」と被害者気取りで真っ先にのび太を責め立てるが、実はのび太が助けた女の子はスネ夫がナゲーなげなわで悪戯しているところを目撃した唯一の人物であり、「あ、この人 さっきなげなわで遊んでた人だわ」とスネ夫を指差すと、スネ夫は青ざめた。見事に真犯人だとバレたスネ夫は被害者全員に追いかけ回されることとなった。
なお、その女の子は中盤にてスネ夫と遭遇するシーンがあり、のび太の疑いを晴らすシーンへの伏線となっている。
大山版アニメでは上記の展開の後、助けられた女の子がのび太にキスをする場面が追加されている。
水田版アニメ(2022年版)では幼女ではなく、彼女が抱いているぬいぐるみが川に落ちて困っているところを助けようとするものび太が躊躇している間に幼女がぬいぐるみを取ろうとして危うく川に落ちそうになった為、ナゲーなげなわでぬいぐるみを回収し、幼女の川落ちを阻止する流れとなった。また、しずかはジャイアンたちとは組まず、橋のシーンでは偶然通りかかり、幼女を止めようとしていた。
派生作品
『ドラえもん なぜなに探検隊 2』では、悪役が無生物さいみんメガホンで「タイムマシン」に変えた機関車に乗り、更に時空間内でこの道具を併用する事で、マリー・アントワネット、レオナルド・ダ・ヴィンチ、チャップリン、アインシュタイン、藤子・F・不二雄といった様々な偉人を攫っている。