概要
藤子・F・不二雄原作の漫画・アニメ作品『ドラえもん』に登場するひみつ道具の一つ。初登場エピソードはTC10巻収録「ねがい星」。
星型の道具で、その名の通りどんな願いでも叶えてくれるが、実際には願いの内容を勘違いしてしまう為、使用者の想定通りに願いが叶うことはない。
一応、全部が全部勘違いするわけでは無く、「星よ、自分の所に来い」や「星よ、自分を隠してくれ」などの簡単な願いくらいならしっかり叶えてくれるが、それでも殆どの願いは勘違いしてしまう。
作中での一例
- 自分を追っ手から匿ってほしい→近くにあった生ごみ箱の中に瞬間移動した(これでも一応まともな部類)
- たいやきが欲しい→頭上にタイヤと木が落下する
- お金が欲しい→大量の鉄屑が降って来る
- 香水が欲しい→洪水に襲われる
- 雨を降らせるように命令→飴が降り出す
上記の通り、ダジャレによる勘違いで願いを叶えてしまう為、持ち主のドラえもんも匙を投げて廃棄処分しようとしたほどである。
また、誰かが「こっちに来い」と言っただけであっさりそっちに行ってしまうため、忠誠心も無い様子。
派生作品
日本テレビ版アニメでは、使い過ぎたせいでおかしくなった(原作版と同様の効果になってしまった)とされている。
本編、並びに『ドラえもん最新ひみつ道具大事典』では、スネ夫のママがこの道具に「香水が欲しい」と願ったところ、洪水に襲われる様子が描かれている(ちなみに本編では香水がなくなり困っているママを見たスネ夫がこの道具に「香水を出せ」と命令している)。
また『続ドラえもん大百科』では、名前が設定されていないモブの少年がこの道具に「切手を頂戴」と願った際、「切って頂戴」と勘違いしてしまい、刃物が出現して少年に切りかかる様子が描かれている。
水田わさび版アニメでは、ねがい星の勘違いが更に悪化し、カオスと化している。
11年版では、ジャイアンの母ちゃんがタンスの裏に5000円札を落としてしまい、それを取り出す為にジャイアンがこの道具を使用した際、ご声援を送りながらコサックダンスを披露する集団や白鳥、十数匹のイルカが出現する様子が描かれている。
18年版では、ジャイアンが「新しいボールやマイクが欲しい」と願った際、アザラシ、名前がポール及びマイクという謎の外国人に加え、「お菓子だ!」と言ったジャイアンを「お頭」と呼ぶ忍者軍団が出現する様子が描かれている。
また、原作版では未登場のしずかも登場しているが、やはりこの道具の被害に遭っている。スネ夫がしずかの為に「ガラスの靴が欲しい」と願った際、しずかの口がカラスのくちばしになってしまったり、改めて「ガラスの靴と舞踏会用のドレスが欲しい」と願ったら、両手に葡萄と貝を持ったカラスの着ぐるみ姿にされてしまう様子が描かれている。
スネ夫はスネ夫で「おフランスのカバンを出せ」と願ってフラダンスをするカバが出て来たり、そのカバにママのストールを取られてスコールに降られる始末。原作ではのび太の部屋に雨を降らせるよう願って失敗したが、こちらでは自分が雨に降られてしまった。
その一方、学習漫画『ドラえもん・ふしぎシリーズ(1) ドラえもんロボットのふしぎ』では、たまには間違えず、ちゃんと願いを叶えることもあるという設定になっている。作中では、この道具のせいで酷い目に遭ったジャイアンが勘違いを期待して「ドラえもんとのび太にドラ焼きをやってくれ」と願った際、本物のドラ焼きを出現させる様子が描かれている(ドラえもん達は「トラとヤギが出現してしまうのでは?」と心配していた)。
それだけでなく『ドラえもん学習ゲームブック4 21世紀宇宙大冒険』でも、まともに願いを叶える様子が描かれている。作中では、行方不明になったスペースシャトルをドラえもん達が宇宙船に乗り込んで探しに向かった際、ドラえもんがこの道具を取り出して「お願いです。行方不明のスペースシャトルを目の前に連れて来て下さい」と願ったところ、願いの内容を勘違いすることなく、スペースシャトルをドラえもん達が乗っている宇宙船の傍に出現させた。
関連道具
上記の「ねがい星」以外にも、作中で「使用者の願いを叶える」と明言されているひみつ道具は数多く存在する。
- 流れ星製造トンカチ
トンカチ型のひみつ道具。
これで頭を叩くと流れ星が出現し、それに願い事を言えば本当に叶う。ただし痛みが伴う上に、使用者以外の人物が願い事を言った場合はその人物の願いが叶ってしまう。
- うちでの小づち
小槌型のひみつ道具。TC8巻収録「うちでの小づち」に登場。
これを振りながら願い事を言えば本当に叶うが、割に合わない苦労をさせられたり、場合によっては損をしてしまう。
それだけでなく、上記の「ねがい星」と同様に使用者の意図しない形で願いが実現してしまうことがある。
また、大全集5巻収録「うちでの小づちでせいくらべ」にも同名のひみつ道具が登場しているが、こちらは身長を伸ばす効果であり、願いを叶える力はない。
このロボットに親切な対応をすれば、その人物の願いを三つ叶えてくれる。詳細は項目を参照。
トランプ型のひみつ道具。
所持しているだけで願いを自動的に叶えてくれるが、とんでもないデメリットを抱えている。詳細は項目を参照。
- 神さまごっこ
賽銭箱とリングがセットになったひみつ道具。
賽銭箱に10円(作中では5円でも効果を発揮している)を入れて願い事を言うと、リングが輝いた場合に使用者が「叶えてつかわす」と言えば、賽銭を入れた者の願いが叶う。
ただし「100万円が欲しい」等の大掛かりな願いは叶えられず、金銭が欲しい場合は10円の賽銭で100円が限界であり、願いの叶え方も賽銭相応に雑になってしまう。
- ねがい七夕ロケット
竹型のひみつ道具。
ロケットに取り付けられている短冊に願い事を書いて打ち上げると、その願いを叶えることが出来る。
- うら七夕ロケット
竹型のひみつ道具。
上記の「ねがい七夕ロケット」とほぼ同じ外観であり、こちらは短冊に書いた願い事と反対の内容が叶ってしまう。
小さな神社型のひみつ道具。
専用の札に自分の好きな物を書いて神社に投入すると、願いを叶えてくれる。ただし好きな物は最低でも1年間は断たなければならず、その期間内は偶然が積み重なる形で好きな物に近付くことが出来なくなる。
また、自分の嫌いな物及び第三者の好きな物を札に書いて投入しても願いは叶わないが、後者の場合は好きな物に近付けなくなる効果が、その第三者に適用されてしまう。
端末型のひみつ道具。
道具に搭載されたマイクに使用者の望みを入力すれば、それを叶えてくれる。ただし願いがどのような形で叶うかは使用者が自分で設定する必要がある。
道具に搭載されたダイヤルを弄ることで、レベル(願いの叶い方)を調整することが出来る。しかし、その調整が非常に難しい。
作中ではのび太が「札幌ラーメンを食べたい」という願いを実現させようとした際、最初の調整ではのび太を含む野比家一同が北海道へ引っ越ししなければならないという事態に陥りかけた為、慌ててレベルを調整し直すことで札幌ラーメンが届くというささやかな形で願いが叶うように修正した。
また、のび太が「明日のテストを回避したい」という願いを叶えようとした際、彼が「タイムテレビ」で明日の様子を確認すると、関東地方でマグニチュード9の地震が発生し、数百万人の犠牲者が出てしまうことが発覚した。のび太は大慌てでレベルを最低に調整し直したことで、翌日朝寝坊してテスト終了後に登校してしまうという形で願いが叶うことになった。
- ウルトラ恵方巻き
水田版アニメオリジナルひみつ道具。
ドラえもん曰く「未来で大人気の恵方巻き」とのことで、恵方を向きながらこの道具を食べ切ると、願いを叶えることが出来る。
ただし、願いを叶えるには完食するまで無言を貫かなければならない。途中で喋った場合は小さな鬼が現れて豆をぶつけられてしまい、望みも叶わない。
無事に完食した場合は小さな七福神達が船に乗って現れ、食べ切った人の望みを叶えてくれる。