道具の概要
藤子・F・不二雄原作の漫画・アニメ作品『ドラえもん』に登場するひみつ道具の一つ。初登場エピソードはTC44巻及び、藤子不二雄大全集第16巻に収録「ブラック・ホワイトホールペン」。
ブラックとホワイトの2本セットになったボールペン型の道具。それぞれブラックホールとホワイトホールを作り出す。
具体的には、壁などにブラックホールペンで円を描くと、円はブラックホールとなり近くの物を自動的に吸い込んでいく。また、ホワイトホールペンで円を描くと、円はホワイトホールと化し、ブラックホールが吸い込んだ物が放出される。
ただし、ブラックホールペンは放っておくと延々と吸い込み続けるため、止めるには布などで拭き取る必要がある。
インクの色は、大山版ではブラックホールペンが黒インク、ホワイトホールペンが白インクとなっているが、水田版ではブラックホールペンは青インク、ホワイトホールペンは赤インクとなっている。
アニメにおける原作との主な相違点
大山版では1987年8月21日に、水田版は2009年12月4日及び、2023年6月10日にそれぞれ放送している。
1987年版
- サブタイトルは「ブラックホールペン」
- 海野家の場所へ行く大変さはママが説明している。また、電話を終えたタイミングでドラえもんとのび太は帰宅してきた。
- のび太はママと二度0点を取らないと約束しただけでなく、そのことを100回紙に書かされた
- ドラえもんはブラックホールを使用後、ちゃんと布でふき取っており、後の水田版でも2回ともこの描写がある。その後、ホワイトホールを書いた場所はブラックホールの時と同じく壁に書いている。
- ドラえもんとのび太はカラオケセットを届けてくれたお礼にケーキをご馳走になっている。そしてその帰りにのび太はドラえもんから無理やりこれら2本のペンを借りて行ったので、ドラえもんは最初不機嫌だった。そしてタケコプターで飛んでいたところで、スネ夫を発見した。
- のび太がスネ夫の漫画を隠すために書いたブラックホールが大きかったため、ドラえもんはこれを消す際、吸い込まれかかっている。その後、スネ夫の家で漫画を取り出すためのホワイトホールを書いた場所はテーブル。
- のび太が消し忘れたブラックホールにドラえもんが吸い込まれる際、通りがかりママはドラえもんを引き抜こうと助けに入り一緒に吸い込まれてしまった。
- 先生がホワイトホールペンを拾う場面が追加され、のび太の答案を採点する1つ前に採点したのは出木杉の答案で、この採点中にペンがインク切れになったため、ホワイトホールペンを使用すると、描かれたホワイトホールからドラえもんとママが出て来た。そして先生はママにのび太の成績や将来などについて説明しており、その傍らでドラえもんは「みんなのび太君が悪いんだからね。僕しーらないっと」とぼやいている。
2009年版
- サブタイトルは「のび太の町にブラックホール」。
- パパが海野さんに借りた物はゴルフクラブで、返しといてと電話する下りはカット。
- ドラえもんがブラックホールとホワイトホールの概要をのび太に説明する下りが追加。
- スネ夫はジャイアンに漫画を見つけられた際どうなるかを顔真似で予想している。そしてジャイアンに漫画を持ってないかボディーチェックされ、さかさまにされた際は軟体動物のようにズボンから顔を出している。
- のび太たちがご馳走になったケーキはスネ夫が自分で持ってきている。また、その帰りにのび太はいつも見かける度に自分の顔をひっかくネコを見つけ、そのことでドラえもんはミィちゃんとの約束を思い出し走り去っていった。
- スネ夫はその後もう一冊漫画を買っており、帰り道でジャイアンに見つかり追いかけられたところで、のび太が消し忘れたブラックホールに吸い込まれ、それからもサッカーをしていた子供や出前中の男性、買い物帰りのママ、石焼き芋売りの車が次々吸い込まれた。このことで謎の失踪事件の噂が立ち子供たちの間で広まった。
- のび太は帰宅してミイちゃんとお茶をしていたドラえもんに事情を説明すると、ドラえもんからブラックホールは物を吸うほどに大きくなることを知らされ、ドラえもんは木に命綱を結びブラックホールを消しにかかったが吸い込まれそうになり、同じくブラックホールに引き寄せられたのび太にぶつかり木ごといっぺんに吸い込まれてしまった。
- 今回も先生がホワイトホールペンを拾う場面が追加され、のび太の答案を採点する1つ前に採点したのは出木杉の答案で、1987年版と同じ理由でホワイトホールペンを使用した。そして先生はホワイトホールから出て来たのび太は0点の答案を見てよかったと喜ぶが、先生とママから「バカもん!いいわけない!」「二度と取らないって約束したでしょ!」と怒られるが、その直後この2人の頭にラーメンが降ってきている。
2023年版
- パパが海野さんに借りた物は釣り道具で、返しといてと電話する下りは大幅に省略されている。
- 今回も2009年版と同じくドラえもんがブラックホールとホワイトホールの概要をのび太に説明する下りが追加。
- 釣り道具を取り出すためのホワイトホールは場所は1987年版と同じく壁に書いている。そしてドラえもんとのび太はお礼に缶ジュースをもらって、のび太は空になったジュース缶をブラックホールにすてたが、ドラえもんから「ゴミ箱の代わりにするな!」とすぐにホワイトホールを書かれて手元に戻ってきた。
- のび太はスネ夫の部屋に書いたホワイトホールを使用後ちゃんと消しており、それからお菓子を食べながら一緒に漫画を読んでいたが、その最中に母親がスネ夫を庭仕事で呼び出している。そしてのび太は帰る際、ブラックホールを書いて散らかったゴミを処分しているが、消すのを忘れていたため、スネ夫の私物まで吸い込まれてしまった。
- 今回も前の2バージョンと同じく先生がホワイトホールペンを拾う場面が追加され、ホワイトホールペンを使用した理由も2バージョンと同じである。
- ラスト、ホワイトホールから出て来たドラえもんは「助かった~」と言っている。
備考
この道具はコロコロコミックで行われた「ひみつ道具アイデアコンテスト」にて一席を勝ち取った中の一つでもある。