概要
ドラゴンクエストシリーズに登場する機械系モンスター。初登場は『ドラゴンクエストⅦ』。
キラーマシンの開発者であるドクターデロトの作り出した殺人兵器第一号で、キラーマシン系列で唯一の二足歩行タイプの脚と背負ったように搭載されてるエンジンが特徴。
思考プログラムも開発途上なのか、『ドラゴンクエストⅦ』のモンスターパークでは「戦いたいが相手の情報が足りないので至急インプットしてくれ」と話している。
名前の通り、後のキラーマシン達のルーツとなるべく誕生したモンスターであろう。
作品別の解説
ドラゴンクエストⅦ
発掘現場の洞窟や魔空間の神殿に出てくる。
しかし、攻撃が通常攻撃と「つうこんのいちげき」しかなく、しかもそのダメージ計算が相手の守備力無視ではない為、その頃には相当守備力が高くなってる主人公達にはほとんど効かないという悲しい事態に。
モンスター職の1つでもあり、倒した時に落とす「プロトキラーの心」を使うか、サンダーラットとゴーレムを極めれば転職可能。この職業とゴーレムを極めることでさらなる上級職のデスマシーンに転職できる。
特にリメイク版では人間の上級職限定の特技「マジックバリア」「ばくれつけん」を習得できるので有効。
ドラゴンクエストモンスターズシリーズ
『ドラゴンクエストモンスターズ2 マルタのふしぎな鍵』で初登場。
サイズはM、レア度は8段階中(最上級で★4つ)★1つ半。
さまようよろいにあくま系モンスターを配合することで生み出せるほか、野生でも出現する。
この時点では特性システムが存在しなかったため、レア度に準じた控えめなステータスだった。その上、何故かキラーマシンへの配合ルートも無い。こいつ本当に試作品だったのだろうか?
『ドラゴンクエストモンスターズ ジョーカー』『ドラゴンクエストモンスターズ ジョーカー2』『ドラゴンクエストモンスターズ ジョーカー2 プロフェッショナル』にも登場。
Bランクなのでメタルハンター(Cランク)よりは高位だが、所詮は試作品ということか行動回数は1~3回と不安定。
またステータスが低めなうえ、消費MP2倍というデメリットを持たされている(キラーマシン・キラーマシン2も同様)。
せっかくの強さも焼け石に水だが、「メタルキラー(メタルボディ系のダメージカットを無効)」のおかげで普段カチカチのメタル系には強く出られるため、メタル潰し要因として採用される機会もあった(後にメタルクラッシャーという色違いが登場したのは別のお話)。
『ドラゴンクエストモンスターズ テリーのワンダーランド3D』以降は消費MP2倍がなくなりステータスも全体的に上がったものの、相変わらずMPは低いうえに「メタルキラー」が没収になってしまった。
しかし代わりに強力な特性である「亡者の執念(HPが0になってもそのターンが終わるまでは行動できる)」と「ギャンブルカウンター(物理技を受けると1/4の確率で通常攻撃の2倍のダメージで反撃する)」をゲット。
究極配合で1~3回行動も2~3回行動にグレードアップすることができるため、手数が安定するようになった。
ちなみにメタルキラーは「メタルボディのランクを1段下げる」効果に弱体化したため、そこまで痛いことでもなかったりする。
ドラゴンクエスト モンスターバトルロードⅡレジェンド
使える技は直接攻撃の「フィジカルコマンド」と、敵全体の精神に攻撃するレーザーを放ち、精神的行動不能に陥らせる「メンタルコマンド」。
故障しているのか攻撃モーションの終わりに動かなくなったり、レーザーを放つ直前に自分を叩いたりとおかしな挙動を取る。
勇者と組むと、「メンタルコマンド」が「ファイナルコマンド」に変わる。これを発動すると、構えをとり、しばらく行動しなくなる。
その間に攻撃を受けると腕がもげ落ちていき、3回目で相手全体に大ダメージを与え自分もダメージを受ける自爆攻撃「CODE:NULL」が発動する。
単体攻撃メインのモンスターが相手だと発動しにくいので、なるべく全体攻撃メインのモンスターが相手の時に発動したい。
また、スライムとももんじゃと組ませると合体してスラリンガルになる。
青い機械系モンスター故にスラリンガルの素体になっているのだろうか?
同系統のモンスター
大半は『ドラゴンクエストⅦ』に登場する。
- からくり兵
過去のフォロッド周辺に登場。見た目は一緒だがこいつが下位。
ちなみに中身はがらんどうで、特殊な音を使って操作しているらしい。機械技師のゼボットによると、魔の心を持つ者によって造られたので悪意を取り除けないとのこと。
序盤の敵にしてはかなり強く、2回攻撃したり、「さみだれ剣」で全体攻撃したりしてくる。
ストーリー上でも、徒党を組んでフォロッド国を攻め込みそれによって死傷者が多数出ており、それにまつわる暗い会話やイベントも多いのでそういう意味でもトラウマになっている人が多いと思われる。
遭遇時点では非常に強力な「てつのオノ」を落とす場合があり、運良く入手できればかなりの儲けもの(攻撃力38)。
つまり敵のからくり兵が持っているのもそれだけの攻撃力があるわけで、フォロッド国の惨劇もこの「てつのオノ」の殺傷力がもたらしたものとも言えるが…。
懐かせることができないため、モンスターパークには連れていけない。
- ポンコツ兵
過去の聖風の谷周辺に出現。
薄いピンク色をしており、全体的に錆び付いて朽ち果てているらしいが、からくり兵の上位種なのでステータスは高い(考察として、老朽化こそしているが長年の稼働でAIか何かが最適され、強さは増しているのではないかと言われる)。
「つうこんのいちげき」を繰り出すが、プロトキラーと同じく、守備力貫通型ではない。
- レッドハンター
リメイク版『ドラゴンクエストⅦ』に登場した「トクベツなモンスター」の1体。赤い色違いで、すれちがい/モンスター石版「鋼鉄の太陽」に登場する。
「かえん斬り」や「いなずま斬り」、「つうこんのいちげき」を放つがあまり強くはない。炎系の技は効かないが。
- ベテラン兵
リメイク版『ドラゴンクエストⅦ』に登場した「トクベツなモンスター」の1体。銀色で頭部に角が付いており、武器が大剣になっている。
レッドハンターと比べこちらは恐ろしく強い。完全2回行動であり「はやぶさ斬り」「さみだれけん」「みなごろし」「まじん斬り」そして「つうこんのいちげき」まで繰り出すという強敵。おまけに狙ってくるのが最後尾という厄介さもある。
- メタルクラッシャー
『ドラゴンクエストモンスターズ スーパーライト』で登場する銀色の色違い。名前の通りメタル系スライムを狩るのに向いている。
- サンドモデル
『ドラゴンクエストけしケシ!』オリジナルストーリー「キラーマシンの里 1章」に登場する黄色と茶の色違い。バトケシ!では通常ボスとして登場し、物理攻撃に弱いものの限定ドラポンからしか入手できないサディーしか特攻ドラけしが無い。
倒すと稀にレアボスとしてサンドアーマーが登場するが、サディーでは特攻できず同じ限定ドラポンのキラーマソードでないと特攻できない(なおキラーマソード及びキラー式テリーにサンドモデルへの特攻は無い)。
特殊な個体
- エリー
過去のフォロッドで登場したからくり兵(色はポンコツ兵と同じ。リメイクではピンク色の固有カラー)。
機械技師ゼボットの小屋に現れるも既に相当ダメージが蓄積していたらしくそのまま機能停止。
その後ゼボットによって「破壊の言葉」という攻撃プログラムを全て削除され、ついでにからくり兵を狂わせる音波を放つ機能を追加された。これによって"正常な"稼働を妨げられたからくり兵は、2回行動がなくなり、たまに「どうしてよいかがわからない」としてターンを無駄にするようになったりする。
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そうして勝利に貢献するも、その姿から国民たちの理解を得られず、戦いが終わったのちはゼボットと共に小屋で静かに暮らしていた。
エリーというのは元々はフォロッド王女の名前で、かつて城に仕えていた頃のゼボットと婚約していたが、ある日落馬事故で命を落としてしまった。ゼボットにとってエリーの存在は非常に大きかったらしく、死を受け入れられなかったゼボットはからくり兵のエリーが来るまでは自作のからくりメイドにもこの名前を付けていた。その為からくり兵の姿ではあるが、エリーについては「彼女」と呼ばれる。
現代でも未だに稼働していたのだが、彼女は「死」という概念を知らず、既に死亡し白骨化していたゼボットを「病に倒れており、おいしい料理を食べれば元気になる」と思い込んだまま、ボロボロの身体になりながらも既に朽ち果てつつあった料理マシンで料理を作りつつ看病を続けていた(グラフィックが上がったリメイク版では一目でわかる程に体が劣化している)。
現代で主人公一行が訪れた際にひと悶着あり危うく解体されかかるが、ゼボットの一族の子孫と主人公たちの活躍により解体を免れる。修理された後は再び死したゼボットの介護に復帰し、主人公たちの去り際に「アリガトウ」と感謝の言葉を伝えた。
更にゲームをある程度進めると限界を迎えたのか、或いは「死」を理解して自ら機能を終了したのか、ゼボットの亡骸に寄り添うように動かなくなっている。しかし、安らかな笑みを浮かべているようにも見えるエリーの姿に、マリベルも「これで良かったのよね、きっと」と語っている。
人類の味方として生まれ変わるもその姿故に人々の理解を得られず、親同然のゼボットとも死別し、それでも「死」を知らないがために独り看病を続け、そして誰にも看取られることなく孤独に死を迎えるという彼女の生涯は、眩いほどに美しく、そして残酷なまでに哀しいものであった。
しかし、数百年という長い年月は確かに彼女に「人の心」を与え、自らの意思に沿って最期を迎えられた事は、命令を遂行するだけの使い捨ての兵器として生まれたはずの彼女にとっては幸福だった事だろう。
『ドラゴンクエストⅦ』は全体的に暗い展開が多くフォロッド編もその例に漏れないが、悲しくも救いのあるこのシナリオはプレイヤーの間でも評価が高い。