概要
大きさ2.5メートルくらい。
「初期のクジラ」という名前通り原始的なクジラに属し、パキケトゥスやアンブロケトゥス・レミングトノケトゥス・ロドケトゥスといった最初期メンバー内のプロトケトゥス科の代表。アンブロケトゥス(あるいはそれに近い動物)から、レミングトノケトゥス更にロドケトゥス(あるいはそれらに近い動物)を経て進化したとされる。
始新世中期(だいたい5000万年ほど前)のアフリカと西アジアに生息し、プロトケトゥス科では水中への適応がもっとも進んでいた。
初期のクジラ目にあって、半水生から海で遊泳生活を営むスタイルに移行した最初の仲間である。
特徴
原始的なクジラなのでまだ後ろ脚が残っているが、脚が4本ともヒレに変化している他、尾びれもある。そして目は頭骨の上を向いていた祖先と違い、頭骨の側方に向いている(頭を水面から出して水面上を見る動作が減り、泳ぎながら水中で周囲を見る事が多い生活に適応したため)。
体型こそだいぶクジラに近づいた一方、鼻孔がやや前方にあるためその呼吸方法は現在のアザラシやアシカの方に近く、彼らと同じく出産や子育てあるいは、休息を取ったり、バシロサウルス等の大型のクジラやサメ等の外敵を避けたりと、這いつくばるような形で陸に上がることもあったと思われる。恐らく、その姿や生態は現生のゾウアザラシとイルカの中間のようなものだったことだろう。