概要
スタークジェガンの運用試験機。
初期生産型のジェガンA型に、生産性を度外視して対艦攻撃用の改修を施した機体であり、第二次ネオ・ジオン抗争の翌年に完成した。
胸部追加装甲は一体構造となっており、左右並列式の複座型コックピット(左側シートが操縦・右側シートが火器管制を担当)が採用されており、火器管制シート上面には展開式の情報表示用モニターが追加されている。A型がベース機体なのもあり、コントロールスティックはアームレイカー仕様となっている。
また、頭部の形状が通常のジェガンと大きく変更(2基に増設されたレーダーアンテナの配置や、顔面の下半分の形状から、どこかガーベラ・テトラ改を彷彿させるデザインに)されている。
追加装甲はガンダリウム合金を採用しており、耐弾性を向上させている他、バックパックと脚部には、自重増加による機動力低下を防ぐ目的の為にスラスターユニットを増設。
ガンダリウム製装甲によって軽量化された事情もあり、機動力に関してはむしろジェガンよりも向上している。
この追加装甲は材質を変更し、後のスタークジェガンにも採用された。
少数が生産され、地上・宇宙など様々な場所でジオン残党や野盗集団を相手に実戦テストが繰り返され、そのデータが制式型へとフィードバックされた。
なお、0095年には既に制式機がロールアウトされていたようで、宙賊と化したネオ・ジオン残党と交戦している姿が、一部の連邦軍の部隊やシャトルに乗っていた民間人によって、目撃されている。
またクラップ級・ウンカイにも配備されていたが「シナンジュ強奪事件」で奪取されたシナンジュに撃墜された。
主なパイロットはアルバ・メルクルディ、メルツ・マーレス、ドリット・ドライ、ダコタ・ウィンストン、カルロス・クレイグ。
武装
マシン・キャノン
胸部に2門搭載された実体弾型機関砲。
連邦軍MSに標準装備されるバルカン砲等とは違い、近接時に限ればMSの撃墜も可能な程の威力を持つ。しかしスタークジェガンでは追加装甲を換装する方式を採用した結果、給弾スペースが確保できなかったためオミットされ、ダミーバルーンの発射口に変更された。
ビームサーベル
片手剣サイズのビーム刃を発生させる格闘戦用兵装。ジェガンA型同様、右サイドアーマーに装備される。
グレネード・ランチャー
左サイドアーマーに装備されている実体弾兵装。投擲に加えてサイドアーマーから直接射出することも可能。
ビームライフル
ジムⅡが運用したBR-S-85-C2の小改造モデル。
同兵装のフォアグリップをジェガン用のライフルと共通の箱型Eパックに換装する事で継戦能力を強化している。ジェガンと同型のものも使用可能。
ハイパーバズーカ
380mm口径の対艦・対要塞戦用バズーカ。
装弾数は少なく弾速も遅いが、直撃時の破壊力はビーム兵器にも勝るとも劣らない。
名称こそ従来のものと同じだが、本機専用に設計されたもので、直撃時の威力が底上げされている。
通常弾頭のほか、高機動機やミサイルなどに対応するための散弾タイプも装填が可能。
3連装ミサイル・ポッド
両肩に設置された対艦用のミサイルポッド。
ジムⅢに採用されていた肩部ミサイルポッドの発展型にあたる装備で、発射ユニット自体にセンサーが装備された事によって命中精度は非常に高い。
撃ち尽くした後はデッドウェイト化を防ぐため、任意操作でのパージが可能。
大型対艦ミサイル
上述のミサイル・ポッドと選択式で装備される先端部にカメラを内蔵した超大型の対艦ミサイル。UC作中では通常弾頭が使用されたが、戦術級の核弾頭の内蔵も可能とされている。
大型ミサイル
3連装ミサイル・ポッド側面に装備される対艦用のミサイルで最大で4発装備が可能。
このミサイルは『A.O.Z Re-Boot』においてギャプランTR-5[フライルー]ギガンティック形態が運用する装備のひとつとして書かれていたことからグリプス戦役期には既に開発されていた装備であり、こちらも核弾頭を内蔵することが可能になっている(しかもこちらは威力が未記載のため戦略級の威力を持つ可能性アリ)。
シールド
ジェガンと同型の物を使用。
設定上は本機の核弾頭使用時に装備される専用のシールドも存在するとされている。
劇中での活躍
パラオ攻略作戦に於いて、デルタプラスと共に補充戦力としてネェル・アーガマに配備され、大型対艦ミサイルによる対艦攻撃を敢行している。
また『機動戦士ガンダムUC 星月の欠片』第2話ではそれ以前の宇宙世紀0094年に南米ジャブロー近辺のジャングルで運用試験を兼ねてアルバ・メルクルディ、メルツ・マーレスが乗り込んでジオン残党軍狩りをしていた。その際にジオン兵を含む捨てられた兵士たちの村に住むドリット・ドライのザクⅡと交戦したが成り行きで村や連邦軍を襲撃した野盗集団バーブレスと交戦、アルバとメルツ、ドリットの3人が乗り込む形でバーブレスを殲滅している。