「袖付きめ…!」
カタログスペック
頭頂高 | 19.2m |
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本体重量 | 28.4t |
全備重量 | 68.1t |
ジェネレーター出力 | 1,870kW |
装甲材質 | チタン合金セラミック複合材 |
スラスター総推力 | 76,600kg |
概要
ジェガンD型をベースに対艦攻撃能力を付与した特務仕様モビルスーツ。
ジムⅢの長距離支援能力をジェガンD型に移入しており、両肩部のミサイル・ポッドなどにその特徴を見る事が出来る。
運用試験機の「プロト・スタークジェガン」(『CCA-MSV』に登場するスターク・ジェガン)で得られたデータを元に、ジェガンD型の装備バリエーションとして制式採用されたという経緯をもつ。
よって、ジェガンD型にオプションパーツを装備・換装する構成となっており、主にエースパイロット・指揮官専用機として運用された。
追加装備を高価なガンダリウム合金で構成していたプロト・スタークジェガンとは違い、増加装備の構成素材は全て本体装甲と同じチタン合金セラミック複合材に置き換えられている。
あくまでD型のバリエーション機だが、エコーズ仕様やEWACジェガンといった他のD型バリエーションとは違い、プロト・スタークジェガンという「前段階」がある為、型式番号はRGM-89Dに則した物ではなく、RGM-89Sが採用されている。
増加装備のオプション化によってデッドウェイトとなる装備を状況に応じて強制排除することが可能になっており、それに伴う姿勢制御などのバランス調整はOSが自動的に行うと言う形で徹底されている。
当機から対艦戦闘用装備と一部追加装甲を外す事で、高機動仕様のジェガンとして運用する事も可能。野戦換装的な仕様ではあるが、別種のバリエーション機として扱われる事もある。
武装
バルカン・ポッド・システム
ジェガンと同様の60mm機関砲。左側頭部に装備。
ビームサーベル
前腕の追加装甲に2基づつ収納されている格闘用ビーム兵器。
格納用ボックスはグレネードランチャーとの選択式となっている。
ビームライフル
ジムⅡが使用したBR-S-85-C2の小改造モデル。
ジェガン用のライフルと共通の箱型Eパックを採用することで継戦能力を向上させており、これに伴って同兵装に存在したフォアグリップが撤去されているのが特徴。
ジムⅢの量産後期に生産されたモデルであるため配備された数は少数らしく、どちらか言えばジェガン用のライフルをそのまま使用した機体の方が多かったようである。
なお、設定上はリゼルが使用したロングタイプのビームライフルも使用可能。
ハイパーバズーカ
口径380mmの無反動型ロケットランチャー。
腰だめ撃ちを前提とした砲身前半寄りのグリップとマガジンを砲身上部に装備した本機専用設計の兵装で、直撃時の威力はビーム兵器にも勝るとも劣らないとされる。UC劇中では散弾が装填されており、後述のミサイル・ポッドと併用することでクシャトリヤのオールレンジ攻撃を一時的に封殺している。
3連装ミサイル・ポッド
両肩に増設された対艦用のミサイルポッド。
ジムⅢに採用されていた肩部ミサイルポッドの発展型にあたる装備で、発射ユニット自体にセンサーが装備された事によって命中精度が向上している。ただし、プロト・スタークジェガンで使用可能だったユニット側面への(核弾頭内蔵も可能な)対艦ミサイルの追加機構は本機では原則廃止されている。
撃ち尽くした後はデッドウェイト化を防ぐため、任意操作でパージすることが可能。
ダミーバルーン
胸部の左右に発射口を装備。
プロト・スタークジェガンでは同位置はマシン・キャノンが装備されていたが、給弾スペースが確保できなかったために変更されている。
劇中での活躍
ロンド・ベル隊クラップ級「キャロット」所属の機体が袖付き所属のクシャトリヤと戦闘を行い、僚機が撃墜されながらも、散弾や接近戦を用いた対ファンネル戦術によって善戦するも、パワー負けして撃墜されている。詳細は名無しのスタークジェガンパイロットを参照。
本編前のストーリーを描いた『星月の欠片』では、宙賊のドーベン・ウルフ、リゲルグに襲われている民間シャトル、ジムⅢ部隊の救援として登場。パイロットの練度や武器を巧みに使った戦法によって瞬く間に宙賊を殲滅している。
余談
劇中で激しい鍔迫り合いを披露し、視聴者の心をガッツリ掴んだスタークジェガンだが、なんと前述のクシャトリヤとの冒頭約7分の戦闘シーンで、当初の予算を使い切ったという噂がある。
あくまでも噂ではあるのだが、あそこまで派手かつ細かい動きを鮮明に描写するには何枚もの絵、時間や脚本の練りが必要であるため、相当なお金が掛かっていることは確かである。
プロト・スタークジェガン
スタークジェガンの運用試験機。
ジェガンA型に、生産性を度外視して対艦攻撃用の改修を施した機体であり、第二次ネオ・ジオン抗争の翌年に完成した。
詳細はプロト・スタークジェガンを参照。
設定とデザインの変遷
最初期のスターク・ジェガンは今で言うプロト・スタークジェガンのものであった。デザイナーは明貴美加氏で、設定画は氏のタッチにより大幅に印象が違うものの元々がジェガンであるためCCA-MSVの機体としてGジェネやガンダムバトルユニバースなどに登場した際は通常のジェガンと整合性を取ったレタッチが個々に行われていた。
その後機動戦士ガンダムUCに登場するに当たり、カトキハジメ氏によって二度のリファインが行われて現在に至る。(小説版とアニメ版の二度。小説版は他のゲーム作品に登場したものと同じくジェガンと整合性をとったもの。カトキ氏が当初複座型と知らなかったため胸部分が通常のジェガンと比較して同様に平坦なものだった。)
機動戦士ガンダムUCep.1公開時はCCA-MSVやUC版などいくつかの違うデザインのものが存在していたが、特に触れられず全て同一の機体という扱いだった。
しかしその後、UCep.2およびep.7にほぼ最初期デザインのまま武装のみ変更したスターク・ジェガンが登場し(最初期版をデザインした明貴美加氏自らアニメ用にリファインしたもの)、ep.1に登場していたものをスタークジェガンとして、ほぼ最初期版のものはプロト・スタークジェガンとし別機体扱いとなる。
このため設定上は2機種のスタークジェガンが存在することになったが、さらにプラモデルではカトキハジメが小説発表時に最初期版準拠でリファインしたものがCCA-MSV版として加わり、合計で3機種のスタークジェガンが存在することになる。
※「立体物」の項も参照。
また、BB戦士には通常のジェガンにCCA-MSVのスターク・ジェガンの武装を一部流用・再現した「ジェガン(武装強化型)」と言うものも存在する。その名のとおりあくまでもジェガンにスターク・ジェガンの武装の一部をくっつけただけで、説明書には系譜機の参考画像として表示されてはいるが、キットとしてはスタークジェガンを再現できない旨が書かれているので部品を自作する必要がある。
その他にも細部のデザイン違いやミサイルなどを付けず機動強化のためのブースターなどをつけた別機体なども存在する。
立体物
いずれも通常のジェガンとして組み立てる事はできない。よって高機動仕様の再現も単体では不可能である。
- HGUC スタークジェガン:機動戦士ガンダムUCep.1に登場した、カトキハジメ氏によってリファインに加え大幅にアレンジされたデザイン
- MG 1/100 スタークジェガン:機動戦士ガンダムUCに登場した機体を、MG 1/100 RGM-89D ジェガンD型に新規パーツを追加して再現したプレミアムバンダイ限定キット
- HGUC プロト・スタークジェガン:機動戦士ガンダムUCep.2/ep.7に登場した明貴美加氏によってセルフリファインされたデザイン
- HGUC スタークジェガン(CCA-MSV):機動戦士ガンダムUC(小説版)発表時に参考用にカトキハジメ氏によってリファインされたデザイン
- 食玩「GUNDAM CONVERGE」シリーズにラインナップ。※現在、入手困難
ゲーム
ガンダムオンラインやGジェネ等に出演。
原作を元にしたPS3ゲーム「ガンダムUC」でも登場。
この作品ではリゼルやシナンジュのライフルの他、本来はスペック(設定)的に使用不可能なビームマグナムも装備可能な他、パージも再現されている。
プロトスタークジェガンの大型対艦ミサイルも、巡洋艦の砲台を纏めて破壊できる範囲攻撃も行えるなど、強力な対艦攻撃として使用できる。
また、ジェガン(高機動仕様)もライフル二丁持ちとして使用できる。
「Gジェネ」シリーズでは「WORLD」や「OVER WORLD」、「GENESIS」などに登場。
それなりに高いステータスと豊富で使いやすい武装を持ち合わせており、量産機としては高性能な部類の機体である。
また、作中での鮮烈な戦闘シーンを反映してか、量産機でありながら攻撃時の演出にかなり力が入れられており、とりわけビームサーベルは「突撃前のミサイルポッドのパージ」や「突進中に前腕部の格納用ボックスから突出したビームサーベルを装備」、「(作中では惜しくも届かなかった)刺突攻撃」などが再現されており、必見。
このほかの武装も、ハイパーバズーカに「対大型」属性がついており、戦艦やモビルアーマー相手に大きなダメージが期待できる。
PSP「ガンダムバトルユニバース」と「ガンダムアサルトサヴァイブ」ではCCA-MSV版で登場(なお、「アサルトサヴァイブ」ではU.C.0093の他、U.C.123(機動戦士ガンダムF91の時代)でも旧式の機体として登場した)。
「あの小型ではスタークでも駄目だ!」
ロストヒーローズ2では、ヒーロー達の味方として登場する…のだが、なんと彼らが訳あって中ボスとして戦い合うことになる。
理由としてはコロニー・キューブにてクライシス帝国によって虐殺されてしまった2機のスタークジェガンはガテゾーンの配下であるスクライドによって操り人形にされてしまい死んで尚ヒーロー達を襲うことになってしまう。戦いが終わった後、ただの屍に戻った。その後、ユニコーンガンダムの友達であるネモの提案によってスタークジェガンの亡骸に着いていたランチャーを有効活用してユニコーンを強くさせた。彼らの死を決して無駄にせずに戦っていきたいものである。(余談だが、エネミー図鑑の立ち絵は戦闘画面で登場したボロボロの姿の方である。これに関しては元の立ち絵があるのにもかかわらずバーサーカーモードの方で載せられたノーベルガンダムも同じである。)
バトオペ2では550コストの汎用機として実装。
火力・蓄積よろけ能力が高い上、視点誘導能力を持ち当てやすい3連装ミサイルをはじめとして強力な実弾兵器を多数有し、コスト帯屈指の射撃汎用機となっている。